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194 特訓

ちょっとごちゃごちゃしてます…。(泣)

 

「弱いくせに面倒な敵だなあ」


「ご主人、お疲れさまだ」


『ぉっ…れ、ま』


『流石ご主人様でございます!』


「ああ。ありがとう。カシ、流石というならルナだろ。今回俺は避けてただけだしな。避けきれなかったし」


 とりあえず風月たちがこちらに来たので改めてここに【結界】を張る。すると何も言わなくても一度ここで落ち着くのを察したのかシルバが【精神結界】、風月が【隠蔽結界】を張った。


「おおー…まだ怠かったんだが、どんどん良くなってく。シルバの結界のおかげか?」


「そうだろう。精神を保護する結界だからのう。汚染された状態の精神も正常にする作用はある」


『そっか。シルバありがとうな』


『んっ…』


 礼を言うとスーッと離れていった。どうした?


「ご主人にお礼を言われて照れたのだろう。気にせんでもすぐ戻ってくる。それよりご主人」


 本当に顔がないとわかりにくい…。


「どうした?」


「魔法の練習はするのかのう?」


「ああ…。そうだな。光の魔法をなんかしら取得しておかないと厳しいな。というかこの階層、俺に面倒くさがらないで魔法の練習をしろと邪神に言われてる気がするしな」


 たまに暇つぶしとか休暇のつもりで練習はしてたが…本当にたまにしかやってなかったから良い機会だろう。

 シルバと風月、あとは俺の結界があればここは安全地帯だし。


 クー太たちの下へ戻るのがその分遅れるのがな…。そう思ったが、このままルナ任せで進むより、俺が魔法を使えるようになった方が速いだろう。


「んで、教わる人もいなかったから当たり前だが、なんとなくで練習してきたんだよな。魔法の練習、取得方法とかでコツとかあるか?」


「ふむ…。魔法の練習となれば、使用する魔法属性へ自身の魔力を変換する練習だの。これは別に出来なくともスキルを持っていれば魔法の発動に問題はないが、魔力効率に関係してくるのう。あとはスキルとして発現しておらぬ魔法を発動するのにも必要だ」


 ほほう。まあそれは出来ていると思う。


「それと、その変換する速度を速くすることができれば発動速度もあがる。他にはイメージを固めることだの。あとはひたすら魔法を使うことかの」


「魔力を変換するのは出来るが、速度か…それは歩きながらでも出来そうだし、適当な時に練習する。取得のコツは?」


「魔力変換とイメージかのう…。あとは適性と…根性かの」


「…根性ってなんだよ」


「根性というか…気持ち、かのう? 魔法を使いたい理由があって、その想いが強いほど覚えやすいかのう」


 まあそれは魔法に限らず、気持ちが強い方が練習に身が入るし、集中力や継続力にも関わるから間違ってはないな。


「つまり一番大事なのは魔力を使用する属性への変換とイメージだな」


「そういうことだの」


「了解。お前たちは暇だろうが少し付き合ってくれ。カシは寝てて構わないぞ」


『見学させていただきます!!』


「見てても楽しくないだろ。まあ好きにしろ」


『はい!』


 そうして魔法の練習を始めた。やはりテイムした魔物たちが得ているスキルは取得が早い。風月も驚くくらいすぐに光球を取得した。


 その後、良い機会だからと、風月の使える魔法、【精霊化】の使い方、俺が今思い出せる限りのテイムした魔物たちの魔法系スキルの練習をした。


 まずは全属性で球、刃、槍、爪と名のつく魔法を覚えた。

 槍、剣、槌といった武器の形状、爪、牙などの肉体の一部を模した魔法も試したが手に入ったのは槍と爪のスキルのみ。


 なんでか?

 その理由を風月に聞いてみたら曖昧だが、答えが返ってきた。


「武器を模した魔法、肉体の鋭利な部位を模した魔法。これらは槍だろうが剣だろうが武器を模すという工程で発動する魔法だからスキルとして発現するのは一つなのだろう。そして何故、槍と爪なのかはお主と最も相性が良いものがそれなのか、もしくは初めに覚えた物の可能性。あとは配下の魔物の魔法を参考にしたと言っておったな? 配下の魔物次第でまた変わってくるのかもしれん。まあこれは大したことでは無いだろう。ただ名称が違うだけで剣の形も作れたろう?」


 確かに剣の形状も作れたから問題はない。


「ただのう…物によったらまた変わってくるのだと思う。【風剣】と【風双剣】この二つのスキルを両方持っている者を知っておる。これは我の持論だが、良いか?」


 基本的に風月の説明は持論が多い。だが、間違っているとも思えないから、本当の答えを知らない俺はそれで充分だ。


「まずのう…【風剣】…お主の場合は【風槍】だが、それを連続発動して複数作り出すことは可能だろう?」


「ああ」


「だが、【風双剣】は同時に風の剣を二つの作り出すのだ。タイムラグがない」


「おう…つまり?」


「強度、大きさなどは魔力操作で変わるが、【風剣】も【雷槍】も一つの武器を魔力によって形作るものだ。だから一つのスキルという扱いなのだと思う。だが、【風双剣】は同時に二つ作る。いくら魔力操作に優れても【風剣】で完全同時に二つの剣を作るのは不可能だ。だから別のスキルなのだろうな」


 ふむん?


「とはいえ、我も風属性とはいえ全てのスキルを知っているわけでも無いし、異なる国…母国語が違うとスキル名も変わってくる。個人個人でも認識次第では同じスキルでも名称が変わったりするからのう。一概には言えぬ。話が脱線してしまったのう。つまり【風剣】と【風槍】というスキルを一人の人間が持っておってもおかしくは無いが、武器を一つ作るスキルという概念だとスキルとしては一つになるということだ」


 頭が混乱するわ。


 とにかく武器を複数作り出すスキルは【風槍】とはまた別物なんだな。んで【風剣】も【風槍】も武器を一つ作るという概念は同じだから俺は【風槍】しか覚えられていないと。


「なんとなく理解した」


「我の説明が下手なのか、お主が感覚派なのかわからないのう…」


「両方じゃないか?」


「我の説明が下手と言いたいのか!?」


 目をくわっと開き抗議する風月。怒るなよ。


 そんなこともありながらどんどん練習していった。


 球、刃、槍、爪以外には壁、眼。


 壁は名前の通り壁の形状にするもの。これは【土壁】ならば土を生み出して固めるように。元からある土を使って土の壁をつくるのは【地操作】の範疇らしい。

【雷壁】なら地面に電気が流れないように魔力操作に気をつける。

 眼とは、風魔法の場合瞳を風化させるようなものだ。風化させると風の流れが見えるようになった。


 他にも【地操作】の要領でその場にある物に魔力を流し込み操作しようと練習していくと、【水操作】を覚えることができた。


 予想外だったのが、草花に魔力を流し操る練習をしていたら【魔道】というスキルを手に入れたのだ。これは意識の無い無機物に魔力を込め、半自動で動かすスキルらしい。


 あと、【竜巻】のような風属性の上位魔法も練習した。これも風月が言っていたが、魔法にも位階があるらしい。【風球】は下位、【竜巻】は上位。


 雷だと【放電】。水は【津波】。土は【地壊】。火は【炎天】。


 他にも上位の魔法はあるし、中位と区別される魔法もあるらしいが風月が良く知っている魔法、ということで一つずつ教わった。


 本当に色々と試してみた。ここで集中して色々出来るようになっておけば今後時間のロスが減るだろうと思ってだ。


 どれくらいの時間試していたかはわからないが、見学をすると張り切っていたカシが寝不足で倒れ、起きて見学し、また倒れるといったいったことがあったから数日は経っているのでは無いかと思う。


 正直、カシにはカシで訓練していて欲しかった。ルナとシルバは訓練していたみたいだし。



 そしてこの訓練だが、今まではなんとなくやっていた。だが、今回は風月の指導の下。そして俺自身が【魔力操作】や【魔力感知】を覚えたおかげで色々と理解できた。


「うむ。以前より新たな魔法を覚えるのが速くなったというのなら原因は、精霊種になったこと、体内で魔力を循環させる訓練をしたこと。その上で【魔力操作】【魔力感知】を覚えたことではないかのう」


 風月もそう言っていたし、そうなのだろう。


 今回スキルとして発現する前は、魔法を発動する工程一つ一つを丁寧にやった。風月が意外とスパルタで、あーだこーだと色々言われた。


 そしてスキルが発現したあとはそこまで意識せずとも、最悪、技名を声に出すだけで発動するのだ。もちろんそれでは威力など微々たるものだが。


 スキルがなくてもある程度のことは可能。

 しかしスキルとして発現すると細かい作業…魔力の属性変換や範囲指定、放出魔力量の調整などにあまり意識を割かなくともふわっとしたイメージでもそこら辺をスキルが半自動化してくれるようで発動できるのだ。

 さらにスキルとして発現している方が同じ魔力量でも威力が増強した。


 今まで俺がどれだけ適当に感覚でやっていたのかがわかった。感覚でも取得できた理由は配下の魔物たちからスキルの経験値…のような物も流れてきてるからだろうが。


 そうして俺は限界を迎えて意識を失った。




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