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189 試練?

昨日閑話を重複投稿していました。申し訳ないm(._.)m


次回閑話は明後日あたりを予定しています! 誰の閑話になるかは決めていませんが(^◇^;)

 

 二十階層。


『おーおー! 凄いぞ! 珍しい種族がわんさかおるのう!』


「あ? なにがだ…ってあれか」


 二十階層にはいり、現在は風月の魔法で緩やかに落ちている。視線を地面の方へ向けると身長五メートルはあるだろうオーガとトロール…ではないな。以前戦った『選ばれし巨人(笑)』と似ているからギガントか。


「でかいだけ…ってわけじゃないよな?」


『珍しいし、強力な種族だぞ! これはご主人も気合い入れていかないとやばいのではないか!?』


「……なんかめちゃくちゃ嬉しそうだな」


『うむ! ご主人がダメージを食らう瞬間を見れるかもしれぬしな!』


「おいこら」


『あっ…』


「あっ、じゃねえよ。人の不幸見て楽しむなよ」


『不幸を見て楽しむとは人聞きの悪い! 我は涼しい顔して怪我もせぬお主が苦戦するところを見てみたいだけだ!』


 いや、涼しい顔って。何度か驚いたり怒ったり焦ったりしていたんだが…まあ顔に出にくいからな。


「それであれはなんなんだ? 色は以前会った個体と違うが、おそらくギガント。そしてギガントと同じくらいのオーガ。それと少し小さめの…三メートルくらいの全身真っ赤なオーガ。鑑定したんだろ? 教えてくれ」


『ギガントは知っておるのか? 鑑定だとアレは、アクアギガント。デカいオーガがギガントオーガ。その近くおる赤いのが鬼王だの。ギガントオーガも鬼王もなかなか見ないぞ。アクアギガントも、普通のギガントならおるが、属性を司ったギガントは滅多に見ぬ。マギアでも山奥に一体いたりしておって、群れたりはしてなかったしの』


 …なんか一気に強さ上がってないか…?


 十九階層では鬼長が出てきたから鬼将かと思ったら、鬼王。絶対鬼将の進化個体だよな…。


『ちなみにあやつらの好物は聞くかの?』


「いらん」


『あやつら全員好物は一緒みたいだぞ。好物:強者と出ておる』


「だからその情報はいらないっての! ツッコミどころしかねぇじゃねーか!」


『良いではないか! ほれ、アクアギガントが来たぞ』


「チッ」


 風月に苛立ったが、向かってくるアクアギガントが割と洒落にならないくらい強いのはその速度でわかった。


「グラァァァァ!」


「っ!? くっそおぉぉぉ!」


 ガンッ。

 アクアギガントの棍棒を弾いた。だが、本気でやってやっと弾けたぞ!?


「オォォォ!」


 二撃、三撃とクッソ重い攻撃が繰り出される。気を抜いたら俺の方が武器を弾き飛ばされかねないほどの膂力だ。しかもただの力任せかと思ったら、屈んで足払い、振り抜いた棍棒に添えられた手は左手だけで右拳で殴りかかってくる。


「チッ」


 きっついなおい! スキルが使えないとはいえ身体能力に差がないぞ!


 これが複数来たらかなりキツい。


「オオオオオオォォォ」


 アクアギガントが雄叫びをあげ棍棒を突き出す。すると棍棒の先に水の刃が五、十と増えていき、二十を超えたところで放たれた。


「あ゛ー! アクアだもんな! 水魔法くらい使えるわな! くそ!」


 全てを躱したが、それと同時にアクアギガントが突っ込んできた。


「おおおおおおおぉぉ!」


「ぐおおおおおぉぉぉ!」


 お互い全力でぶつかる。だが、俺がぶつかった場所はアクアギガントの足。対するアクアギガントは足を俺に止められるとすぐさま拳を振り下ろしてきた。


「ぐっ!?」


 足を踏ん張り体でアクアギガントの足を抑え、両手で振り下ろされた拳を防ぐ。


「馬鹿じゃねぇの!? おい! ニヒリティ! 聞いてんのか!? 難易度上げすぎだろ!?」


 魔法もスキルも使えない。相手は使える。その上で力が拮抗するとか、馬鹿だろ!?


「あ゛あぁぁぁぁ! ふっざけんなああ!」


 押し返すことに成功し、アクアギガントは尻餅をつく。

 チャンス! そう思い無銘棒で殴りつけるとありえない音がした。


 カンッ!


「鉄かよ!? さっきまで片手間で倒せてたのにいきなりこれって! 馬鹿だろ!? 風月! ルナとシルバ、カシを守れ! それと絶対近づくなよ!?」


『うむ! 我らはお主が苦戦しているところを観戦させてもらうぞ』


 いや、心配しろよ。


 無銘棒から無銘剣に持ち直し切り刻んでいく。

 スピードは俺が上だ。だが防御力…硬さが洒落になっていなかった。いくら斬りつけても浅傷ができるだけ。更には端からどんどん再生していく。


「「ゴォォォォ!」」


「「ガアァァァァ!」」


 左右から、鬼王、ギガントオーガが二体ずつ迫ってきた。


「風月! もっと離れろ! 離れたところでルナたちを守れ!」


『あいわかった! ご主人本気でやるのだ!』


 スキルを使えない俺としてはこれが全力だっての!

 アクアギガントを倒すことができず、左右から挟み撃ちにされ全ては避けきれず鬼王の拳が当たった。


「ゲホッ」


 あー、きっつい。久々に痛い。

 ったく…風月の要望通り苦戦してんぞ。

 鬼王は多分オーガから鬼長、鬼将、その次だろ? 四段階目ってハクやクレナイと同じだし強くてもおかしくはないが…複数相手だと本気でやってもキツいぞ。


 体がでかいくせに隙が少ない。懐に飛び込むとそれをわかっているのか、すぐさま距離を取りながら棍棒を振り下ろしてくる。

 普段なら飛びかかっても、空中で機動を変えられるし、遠距離攻撃もある。だが、それらは今できないのが辛い。


「あ゛ー! くそ! 邪神馬鹿なの!? ニヒリティ! 次からバカリティって呼んでやろうか!? 最初にもらったスキルじゃ割に合わねーぞ!」


 左右から来たオーガたちを避けながらアクアギガントに攻撃していく。一気に決められなくとも細かな傷は増えているし、流血もしている。

 もう少しだと自分を奮い立たせ斬りかかる。


 しばらく紙一重でオーガ四体の攻撃を避けながらアクアギガントに攻撃し、どれくらいの時間がたったかわからないが倒すことができた。


「はぁ…はぁ…。息切れなんてしばらく、してなかったんだがな…。ふぅ…。よし。次はお前らだ」


 アクアギガントと戦っている間、鬼王二体、ギガントオーガ二体の攻撃を避けていたが、アクアギガントよりも速い。


 アクアギガントも身体能力も生命力も強く、魔法を使う点が厄介だった。だが鬼王たちは魔法を使わないってだけで基礎身体能力はアクアギガントよりも高いだろう。しかも連携もしてくるときた。


『ご主人本気で不味いのではないかのう…?』


「大丈夫だ!」


『離れたところにいた他の魔物たちがそっちに向かっておる! 我も手伝いたいが、もしもルナたちが襲われたら不味いし、どうするかの…』


 まじか…。増援は予想外だぞ。


「俺が呼んだら手伝ってくれ! それまではルナたちを守れ!」


『任せるが良い!』


 はぁ…。きっついなあ。


 なんでこんな疲れることしてんだ俺…面倒くさくなってきたんだが…。


 とりあえず、目が慣れたのか避けることは問題なくなった。だがそれだけ。

 殴っても剣を振ってもガッチガチの皮膚に阻まれ鉄を殴ったような衝撃を感じるだけ。いや、僅かに傷はついているが。


 胴体や顔は狙わず、足の指や関節、膝裏などを執拗に攻撃するが、なかなか刃が通らない。同じ場所を何度も斬りつけているおかげで血は出ているが、それだけだ。


 そうして四体が健在のまま、ギガントオーガとアクアギガントが二体ずつ追加された。




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