177 スキル詳細
本日は本編です!
最終…進化先?
早くないか? これで二回目の進化…しかもスライムを一体倒しただけで最終進化先になるとかどうよ。
キングアブソーブスライムは却下で。
ミミックとラバーならミミックか? ゴムになるメリットがよくわからんし。
一応ルナにどれが良いか聞いてみるが、よくわからないからどれでも良いと言われた。
「ならミミックスライムな」
パパッと進化させる。ここまで戦闘もせず進化だけしてしまって大丈夫だろうか。こんな急激に進化して体はなんともないのか?
不安になってくる…。人間は急速に魔素を吸収するとダメなんだろ? 魔物は…いや、スライムは大丈夫なのか?
いくら心配したところで進化させないって選択肢はないんだがな。【恩寵】の影響だし、【恩寵】というくらいなんだから死ぬようなデメリットはないだろう。…多分。
そして進化を終えたルナは相変わらず金色のもちもちスライムだった。
————————————————————
個体名【ルナ】
種族【ミミックスライム】
性別【メス】
状態:【 】
Lv【1】
・基礎スキル:【魔素分解Lv4】【雷化Lv4】
【土化Lv4】【光化Lv4】
【魔素変化Lv4】【魔素変形Lv4】
【体当たりLv4】【不惜身命Lv1】
【自爆Lv1】【隠密Lv1】new
・種族スキル: 【魔素吸収】【完全擬態】new
・特殊スキル:【雷魔法】【土魔法】【光魔法】
【共生】
・称号:【金色魔素体】【恩寵を受けし者】
————————————————————
増えたのは【隠密】と【完全擬態】か。
「ルナ。お主姿が全然変わらぬのう…」
つまらぬ。そう呟く風月。
『変わらないの…? ルナも翼欲しかったなあ』
「翼が羨ましいのか? ふふ。格好いいだろう」
『うん! 格好いい!』
「ルナ。風月の言うことは気にするなよ。翼は…まあ翼の生えたスライムってのは見てみたいが、大きくなって抱えられなくなったら困るからルナはこのままでいいんだ」
主に移動するのと抱いてもふもふ…いや、むにむにするのに。
『わかった!』
「ルナに対して優しいのう。我にもその優しさを分けてくれ。ほれっ」
そう言って腕を広げる風月。なんだよ? ハグでもしてほしいのか?
まあ、そんなことしたら調子乗ってうるさそうだからから無視だ。
「じゃあスキルの確認するから待ってろよー」
「つれないのう…。我にもスキルを教えてくれ」
「はいはい」
————————————————————
【雷化】
・肉体を雷の魔素体に変化させる。
・実体を持たないため物理攻撃は不可能となる。
【土化】
・肉体を土の魔素体に変化させる。
・実体を持たないため物理攻撃は不可能となる。
【光化】
・肉体を光の魔素体に変化させる。
・実体を持たないため物理攻撃は不可能となる。
【魔素吸収】
・【魔素分解】によって分解した物の魔素を吸収する。
【魔素変化】
・【魔素分解】、【魔素吸収】によって取り込んだ魔素情報によって肉体を変化させる。
【魔素変形】
・【魔素分解】、【魔素吸収】によって取り込んだ魔素情報によって肉体の一部を変化させる。
【共生】
・称号【恩寵を受けし者】によって取得できるスキル。
・個体によって異なるが、肉体を変化、または魔素化し恩寵を与えた者の一部になることが可能となる。
・共生している間、自身は一切のスキルの使用が不可能になる。
【狸化】
・その個体の魔素情報、遺伝情報に基づき狸に変化させる。
・狸化すると一部スキルが使用出来なくなる。
【分霊】
・自身と同等の思考を持った分霊を七体まで作り出すことが可能。
・スキル発動時に使用した魔力が分霊の魔力量となる。
・分霊の魔力が尽きた場合分霊は消滅する。
【不惜身命】
・全魔力、全生命力、全体力を急速に消費し、身体能力を爆発的に上昇させる。
・スキルの発動を途中で止めることは不可能。更に全魔力、全生命力、全体力を消費しきると死に至る。
・スキルレベルの上昇に伴い死亡する確率が僅かに減る。
・命に代えても守りたい対象が増える。またその想いが強くなるほどスキルレベルが上昇する。
【自爆】
・自身の魔力を使い爆発する。
・爆発の威力、範囲、属性は基礎レベル、スキルレベル、適性によって変わる。
・使用魔力次第では死に至る。
【完全擬態】
・分解、吸収した物の情報そのままに擬態する。
・生物なら姿形、身体能力、生命力、スキル等、魔力以外全てを擬態。また生物以外も姿形、強度、性能等、魔力以外全てを擬態。
・擬態している間は魔力を常に消費する。
【恩寵を受けし者】
・スキル【恩寵】を受けた魔物に与えられる。
・【恩寵を受けし者】で取得できるスキルは【恩寵】を与えた者、与えたられた者によって異なる。
————————————————————
「なんと言えばよいかのう…身を削るスキルが多いのう…」
声に出してスキル名を読んでやると、風月がそう言った。
ここまで身を削るスキルを見たのは初めてだな。そしてそれ以外のスキルは分解と吸収が無ければ成り立たないスキルだ。ここまでスキル同士が関連し合っている物も初めて見た。
『ルナ、強い?』
まだどことなく幼いからか、今の説明じゃ理解しきれなかったみたいだ。
「使い方次第では強いな」
【魔素変化】は外見だけ…変化した肉体が嗅覚や聴覚の鋭い種族だったりしたら、嗅覚、聴覚が上がったりするかもしれないが…記載されていないからわからないな。
【魔素変形】は一部だけか。風月を分解・吸収したら翼生えるんじゃね?
「な、なぜそんな獲物を見るような目で見るのだ」
「いや、翼を…な」
「翼を…!? どうするのだ!?」
「なんでもない」
「気になるだろう!?」
ギャーギャー言う風月は置いておいて…擬態、変形、変化、共生と名前は違うが、どのスキルも体を変化させるスキルだ。内容はそれぞれ微妙に異なるが…どれがいいのだろうか。
「ルナ。スキルを使ってみよう。まずは…そうだな…」
分解と吸収からか。さっきのスライムはダンジョン産だったしな。初めは生物がいいがどうするか…。
「風月」
「拒否したいのう…まあルナのためならば協力しないでもない」
何を要求するかわかっているのだろうか?
「翼をくれ」
「…協力してやりたい…だが、断るっ!」
うぜぇ。
「羽根一つでいいんだが」
「ぬ? 羽根一枚で良いのか? ならば分けてやろう」
「お前…俺をなんだと思ってんだ。翼を根本から毟るとでも思ったのか」
「羽根ではなく翼をくれと言ったではないか」
あー、言ったか。
「ほれ、これでいいかのう」
特に力を入れることもなく羽根を抜いて渡された。
「おう。ありがとう。それにしても柔らかいな」
ふわふわだ。あの翼に埋もれたらふわふわもふもふだろうな…。してみたいが…。
「ふふん。我の翼なのだ! 上質なのは当たり前だろう?」
この得意げにドヤ顔してる風月の翼でなければだ。
生物といっていいのか曖昧な風月。精霊って本来肉体ないしな。更にその羽根だけ。それを吸収したらどうなるのだろうか。
「ほら、ルナ。これを分解・吸収してみな」
『わかった!』
口はないので適当なところに押し付けると抵抗無く体に沈んでいく。
「どれくらいで分解できる?」
『時間かかりそう…』
あ…風月の魔力量が多いから、羽根一枚でも分解するのは大変なのか。
「ルナは分解することに集中してくれ」
『うんっ』
「ルナが風月の羽根を分解するまで、お前のスキルを試してもらおうか」
「仕方ないのう! 見せてやるかの!」
風月、お前仕方ないと言いつつ嬉しそうだな。




