163 バグ
スキルを選択し、詳細を確認する。
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【念話】
・指定した相手と口に出さなくとも伝える意思を持てば会話が可能となる。
・レベルが上がることにより同時念話接続数、念話接続距離が増える。
【水中呼吸】
・水中で呼吸が可能。
・レベルが上がることにより呼吸していられる時間が上がる。
【不眠】
・眠気を感じることがなくなる。
・レベルが上がることにより睡眠をしなくても活動への支障が無くなる。
【全言語解析】
・聞こえてきた意味のある言語の魔力波を解析し、自身の最も馴れ親しんだ言語へ変換する。
・魔力波を解析し変換するので機械音声の解析はできない。
・レベルが上がることにより解析できる言語が増える。
【物質複製】
・物質を複製する。
・密度、体積、質量、重量によって複製に使用する魔力量が変化する。
【想像具現化】
・想像した物を具現化する。
・具現化する物に関わらず、使用する魔力量は一定。
・物質の性質や成分、食品の味や栄養価等は反映されず、どんな物でも魔素で構成された物質となる。
・具現化された物質は、具現化した者の基礎レベルに依存する形で強度が変化する。
【水術】
・水の抵抗を感じ難くなる。
・自身にかかる水圧が軽減し、水中戦闘時ステータス微増。
・レベルが上がるほど補正上昇
【変色】
・体毛の色を変化することが可能。
・自身が身につけている服や装飾の色を変化することが可能。
・レベルが上がることにより変化させていられる時間が延びる。
【創造神の祝福】
・******
・******
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おい。祝福がバグってるんだが。
「不良品みたいだし…返品だな」
そして他のスキル。微妙である。物凄くびみょーだ。
【物質複製】、【創造具現化】、【念話】、【全言語解析】は邪神からざっと説明があった通りだ。
それよりも【水術】と【変色】。それと【不眠】だ。微妙すぎる。これなら【探知】と【生活魔法】の方が良かったか? とは思うが仕方ない。
「いや…」
【水術】は水中戦闘するなら必要なスキルか。【水中呼吸】のスキルも貰ったし、組み合わせとしては悪くない、か。
【変色】の方は…思いつかないが、きっと使い道がある…と思う。追々試せばいい。
【不眠】だが、これって眠気を感じなくなるけど、スキルレベルが上がらないうちは睡眠が必要なんだろ? 寝ないと活動に支障が出るのに眠くならない…。
つまり…? 寝るには、身体も精神も限界まで活動して、気絶するしか睡眠を取る方法がない…ってことか…?
「っおい! こら邪神! 出てこいや!」
寝れないとか…拷問だろ!? ふざけてんだろ!?
「おい! 聞こえてんだろ! 返品だ! 返品! この邪神の呪いも一緒に返品させろや!」
『邪神の呪いじゃなくて、創造神の、しゅ・く・ふ・くだよ? ちゃんと見てくれるかい? 視力を上げるスキルでもあげようか?』
ふっと馬鹿にしたような笑い声が聞こえた。
「どっちだろうが一緒だわ! 早く返品」
『……ダンジョン踏破したら僕の力で使えるスキルに交換してあげるから今は我慢してほしいかな? それと称号は僕でも消せないんだよねぇ…いや、消せないことはないんだけど消費が半端ないから勘弁してほしい』
やっぱり聞いてやがった!
「バグってるんだから返品だろ!? しかも手紙には俺に害のあるスキルは付与出来ないとか言っておいて滅茶苦茶害悪じゃねえか! 寝る楽しみを奪うな! クー太たちを抱きしめながら微睡む幸せを知らないだろ!?」
『いやいや、知らないし、知ってたら怒るでしょう?』
「……そうだな。なんで知ってるのか問い詰めた後…どんな理由だとしても殴る」
まあもう殴るのは決定事項だが。
『理不尽すぎないかい!? とにかく、本当はこの念話に使う力すら節約したかったんだよ? まだまだ力を使わなきゃいけないからね。だから手紙にしたのに…』
「お前がバグってる称号と拷問スキルを付与すんのが悪いわ」
『称号は付与してないよ? 僕が君のことを気に入ったから自動的に、ね?』
「はあ?」
『僕に好かれるような行動する君が悪いと思うな』
「それこそ理不尽だろ!?」
『まあ今は我慢してね。それとたまに君の様子を見たりはするけど、力の回復を優先させたいから、君がダンジョンを出る頃までは出来るだけ干渉するつもりはないよ?』
「チッ。わかったよ。…あ。そうだ。ステータスをもっと見やすくしてくれないか? 見難い…というかごちゃごちゃしすぎて目で追うのが面倒なんだよ」
『え!? 聞いてた!? 力の回復を優先させたいって言ったよね!?』
「聞いたが?」
『なのに力を使わせるのかい!?』
「ステータスを見やすくするだけでそんなに力を使うのか?」
ちょちょいとできるだろ。創造神様なら。
『いやー…そんなには使わないけど、それすらも温存しておきたいんだけどなー?』
「お前さ…」
溜め息が出た。
『な、なんだい?』
「この【不眠】って、俺に睡眠時間を削って、限界までダンジョンの攻略をしろってことだよな? しかも勝手に連れてきて。ステータスを見やすくするくらいのサービスもなしか?」
俺こいつらを手伝うとは言ってないよな? 俺はあの拠点を守って、仲間が無事なら人類がいなくなったってあんま気にしない…というか目の前で死んでいくならまだしも、そうでないならきっと実感なんて湧かないし、どうでもいいんだが?
『いや、ほら。サービスはスキルだし…』
「こんな害悪スキルはサービスとは言わねえよ! 押し付け詐欺だわ!」
『わ、わかったよ…。もう、仕方ないなあ。あんまり僕を酷使すると【創造神の祝福】が消えちゃうかもしれないよ?』
「ほお…?」
なら存分に酷使してやろう。別に好かれようが嫌われようがクー太たちがいるならどうでもいいしな。
『…まったく君ってやつは…。さすがだよ本当に』
呆れたようなセリフだが、ふふっと笑う邪神。うざいな?
「そういえば…」
『なんだい?』
「この前の…邪神どもがいる空間に集まった人間たちもダンジョンに連れて行ってるのか?」
『…邪神どもっていうのはやめないかい? いや、確かに以前は邪神でも良いとは言ったし、確かに君らからしたら邪神かもしれないけどね? これでも一つの世界を創造できる力を持った創造神だよ? それにこれだけ君に力を使ってるのに…』
「確かに感謝することは…少しはあるかもしれないが、見返り求められても困るんだが。それにその分俺のこと振り回してるだろうに」
『そうなんだけどね〜』
「それに、別に呼び名なんてどうでも良いだろうに。気に食わないならニヒリティって呼ぶよ。多分お前の名前は忘れないから大丈夫だ」
『あ、うん。それでお願い。えーっと。それで、他の人間だっけ? 彼らに関しては僕以外に担当の神がいるからね。そっちに任せているよ。ただ…ダンジョンを作るのも、魔物を作るのも。それと…ダンジョンへ連れて行くのも、こうやって念話するのも力を消費するからね。一番力の強い僕がこの状態だから、他の神に誰か一人を贔屓する余裕はないかもね?」
「なら俺は特別ってことか?」
『そうだよ? そんなこと気にするのかい?』
「…まあそこまで気になるわけではないが…モチベーションは多少上がるぞ」
『そうなのかい? なら君のモチベーションを出来るだけ上げてもらおうか。全人類。マギアの人間、地球の人間含めて、君に一番期待しているんだよ?』
……そんなにモチベーションは上がらないな。というか期待されてもあんま嬉しくなかったわ。
『えぇー。まったく君は…。じゃあステータスは整理しておいてあげるからダンジョン攻略お願いね』
「あいよ。初ダンジョン楽しませてもらうさ」
クー太たちと来れればもっと良かったんだがな。
そして邪神との念話は切れた。




