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161 手紙

 

 転移させられまず視界に入ったのは木。隣を見ても奥を見ても木。後ろを振り返っても木。


「森に飛ばすなら城に飛ばせよ…」


 さっさと戻ろうと思い【重力制御】を使い樹上に行き、更に高く飛ぶ。


 ゴンッ! バチバチッ!


「いってえ!?」 


 え。何にぶつかった? 頭上に手を伸ばしてみると硬いものに触れた。


 バチンッ。  


「いてっ」


 なんだこれ? 触れるとバチンッバチンッ音がする。触ると電気が走る玩具程度の痛みなので、痛みが来ることをわかっていれば触れないことはない。


「結界か?」


 結界らしき物に触れながら進んでみると、どうやら俺がぶつかったとこだけではなくかなり広い範囲にあるらしい。


「俺結界張ってないよな? じゃあ誰だ? わざわざこんなとこに結界張るとか…」


 この結界を壊すのは後回しだな。とりあえず城に向かおう。

 そう思って三百六十度見渡してみるが、城がない。城がないどころか四方八方、土壁のような物が立ち塞がっていた。


 空も太陽もある。けど上には結界。前後左右には土壁。そして城は見当たらないし、風もなく、陽射しの熱も感じない。


「邪神のやつ何処に飛ばしやがった?」


 すぐさま邪神から貰った石を取り出し、魔力を込めるが何も起きない。


 ……あの邪神なにしやがった!?


 くそ。

 ここが拠点の近くで邪神、もしくは他の何かによって閉じ込められた可能性。

 他に可能性として思いつくのは、邪神が口にしていた異世界とダンジョン。

 とりあえず地上に降りる。草木の匂いや、生い茂っている様相は拠点に近いんだよなあ。


 深呼吸をして落ち着く。とりあえずやることを決めよう。

 まずは天井を壊す。無理なら壁を壊す。壊れなくても壊れるまで攻撃する。


「よし」


 《よし。じゃないよ!? そんな脳筋だったかい!? 本当やめてね!? ポケット見て!》


 あぁ?


「おいこら邪神。やっぱりお前のせいか。ふざけんなよ? ここどこだよ」


 …………。


「おい」


 いくら待っても返答がない。


 ふざけんなよ!? 言い逃げやり逃げか!?


「あの邪神…いつか絶対殴る。………あいつなんか言ってたよな?」


 ポケット?


 ポケットに手を突っ込むと紙がはいっていた。折り畳まれた紙を広げると四枚の小さめの便箋だった。


 ————————————————————

 やあ! そこは僕が作ったダンジョンだよ! 簡単に説明すると、ダンジョンっていうのは魔生石を起点として、一定以上魔素が溜まるとできるんだ。だから時間が経てばそのうち地球にもダンジョンは出来るけど、今回は訓練用に僕が作った。


 性急だと言っていたよね? 君がクー太君たちの元へ戻った場合数日は拠点から動いてくれない未来が見えたから、こうさせてもらったよ。拠点の結界と君自身の結界、二重の結界内に居られると僕も簡単に手が出せないからね。

 それともう一つ。魔族が一体地球に入ったみたいなんだ。まだ何も起きてないけど、他の神が次元の穴に魔族の痕跡を見つけたみたいなんだ。だから早急に強くなってほしい。

 猶予期間はわからない。けれど君が魔族に対抗出来る強さになるまでクー太君たちは護るから安心してほしい。


 それでね。君と魔物たちを離れさせるのも理由があるんだ。君らは少し依存し過ぎ、というのもある。

 それと仲間がいる状態では手に入らない称号なんかもあるんだ。それに君らが共闘していない時の方が君も魔物たちも成長が早い。絆を深めるのもいいけど、今回は一人でやってみて欲しい。


 一から十まで教えることはできないけど一応方針を書いておくね。それとダンジョンの説明も!

 ————————————————————


 一枚目にはそう書いてあった。


「先に理由言えよ!」


 ちゃんとした理由があるなら俺だって断ら……断るな。うん。どんな理由があれ、とりあえずクー太たちのとこに行って説明する。そして進化したり俺が一人でダンジョンか異世界に行くことを説明して納得させるのにも時間がかかるし、そのまま面倒になっていつも通り過ごす気がする。


「だけど問答無用はやめろよな。本当。おい邪神。聞いてんのか知らんが、絶対殴ってやるから覚悟しておけよ」


 はぁ。

 溜息を吐きながら紙を捲る。


 ————————————————————

 ○ダンジョンについて!


 一つ。ダンジョンは階下に行くほど魔素が濃くなって強い魔物が出てくる。


 二つ。倒すとドロップアイテムを残すようにしてあるよ。その代わり経験値は入らない。


 三つ。基本的にダンジョン内の魔物はテイムできない。


 四つ。どの階層にもあらゆる罠がある。即死や君の行動を妨害するものは作っていないけど、その階層では魔法が使えなくなったり、魔物が大量に湧き出したり。僕なりに君の強化に繋がると思う罠を設置してみたよ。


 五つ。ただ単に土壁のダンジョンってのは味気ないかと思って君のいた場所を模してあるよ。まあ凹凸も障害物もない土壁よりも訓練になるってのもあるけれど。


 六つ。階層はとりあえず五十階層まで作ってみたから、魔族を抑え切れなくなったか、君がダンジョンをクリアしたらこちらから呼び出すよ。それまではそこで頑張ってね。

 ————————————————————


 ドロップアイテムに罠ね。ドロップアイテムかー。ゲームみたいだな。何が落ちんのか知らんが、金とか落ちても使い道ないぞ? 

 魔石が取れないと食事の問題が出てくるんだが。更にレベルが上がらないとか…スキルを育てろと?


 それとここが拠点のある森に似ているのはわかった。邪神の遊び心…というか訓練目的か。確かに森の中ってのは木の根や無駄に生命力のある草花が邪魔で最初は走りにくかったが…今はまったく気にならないんだよな。


 そして五十階層か…一つの階層がどれくらい広いかだよな…。まあクリア目的じゃなく強くなることが目的だから階層を降りることばかりに拘ってたら駄目かもしれないが。


 二枚目を捲る。


 ————————————————————

 ○ヒント!


 一つ。ステータスの見直しをしてみてね(活用しきれていないスキルがあるから)


 二つ。基本的にダンジョン内の魔物はテイムできないけれど、僕に攫われる前に戦おうとしていた魔物と、君が気に入りそうな魔物を外から捕まえてダンジョン内に放流しているからテイムを試してみてね。ダンジョン産の魔物は倒しても経験値は入らないけど、外から連れてきた魔物に関してはちゃんと経験値として蓄積されるよ。

 それと弱そうな魔物ほど育ててほしいかな。君の強化にも繋がるから。


 三つ。人型の魔物が多いから対人の練習をしてみて。武器は君の亜空庫に入れておいたから。ついでに亜空庫(小)を亜空間倉庫と合成して亜空庫(大)にしておいたよ。


 四つ。スキルの参考にできるように、ダンジョン産の魔物はどの個体も魔法やスキルを使える個体だから、色んな魔法やスキルを見て学んでほしい。


 五つ。いくつかスキルをプレゼントしたよ。ちなみに君が懸念するような精神干渉はしていないし、僕があげたスキルを使ってもデメリットはないよ。元々適正のある物しか与えられないし、適正が低いと使いこなせない。君に害のあるスキルを植え付けることは不可能なんだ。だから安心して欲しい。


 六つ。君がいない間、君の魔物たちが進化できないのは困るだろうから、今進化出来る子たちは君が選ぶだろう進化先に進化させておくよ。後で君のお母さんと共有状態にしておいてあげる。主力メンバーの進化だけはやらないでおくよ。自分で選びたいだろうからね。


 ————————————————————


 ステータスの見直し? 使ってないスキルは確かにあるが…まあ後で見てみるか。

 それと俺が気に入りそうな魔物って…基本テイムできないと思えばいいんだよな。新種(俺が見たことのない魔物)プラス、格好いい、可愛いと思った魔物はとりあえず一度テイムしてみればいいか。弱そうってのはイマイチわからないが。クー太だってレベル一の時は弱そう…というか戦えるとは思ってなかったし。


 あとは対人練習と魔法の練習ね。

 …そしてスキルを合成して上位スキルにしたのか。サラッと書くな! 俺にも合成できるのか気になるだろうが。


 後は、またスキルくれたのか。魔物たちの進化も助かるわ。確かにクー太たちは自分でやりたいって気持ちはあるからそれに対して不満はない。


「なんであいつは、こうも一度に大量の情報を寄こすかね。俺が活用できないのはわかってるだろうに」


 まあ俺のデメリットはクー太たちに会えないことだけだし、言う通りにやりますか。




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