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155 孤立

連続投稿八本目です!


少し短めですm(_ _)m

 

 俺より明らかに歳上、親父くらいの人たちまで一斉に頭を下げてきた。それになんか震えてる? 俺が怖いのだろうか…?

 はぁ…。めんどくさい。


「頭を上げてくれ。こんな言葉遣いしている俺が言うのもなんだが、貴方たちの方が歳上なんだから普通に接してくれ。それに当分、ここに住むんだろ。俺らが城で暮らして、あんたらが服も満足に変えられないくらいの生活してるとか、居心地悪すぎる。だからやったことだ。気にしないでくれ」


「それでも…ありがとうございます」


 今度は年配の男性がそう礼を言う。


「…本当やめてください。別に俺は貴方の上司でもなければ歳上でもない。敬語で話されたり、謙って接される方が落ち着かない」


 流石に言葉遣いをちゃんとしなきゃだめか? とは思ったが…物凄く中途半端になってしまった…。まあいいか。


「ですがこの場を借りている身です。この建物もそうだが、魔物からも守って貰っています」


「貴方方も魔物と戦ったり、野菜を育ててくれるのでしょう? それに関しては藤堂と話がついているから気にしないでください。だから別に謙る必要はありませんよ」


「……それなら中野さんも私が歳上だからと敬語など使おうとせず普通に話してください。他の者にも普段通りで構いません。藤堂さんとの間で話がついていようと庇護を受けるのは事実なのですから」


 そう言われても親父と同じくらいの人にタメ口はなぁ。敵対してたり嫌ってるなら問題ないが…。


「了解しました。じゃあ名前聞いてもいいか?」


「火野と言います」


 土、水と来て火ね。それなら覚えてられそうだ。多分。


「娘のアオイです!」


 俺に話しかけてきたメイたちと同い年くらいの子は火野さんの娘さんだったのか。随分歳が離れている気がする。

 その後も順々に自己紹介されたが、まあ10分後には大半は忘れているだろうなー、と思いながら聞く。


「一応説明しておくぞ。ここは集会所…って俺が呼んでるだけだが、皆で集まれる場所が必要かと思って作った。まあ灯りがないから夜には使えないだろうけど。んで、そっちがトイレでこっちが風呂場だな。まあ穴開けて壁を作っただけだが。たまになら俺がお湯注ぎにきてもいい」


『ご主人様、報告』


 クロが影から現れ、皆が驚いて…ない? 驚いて声を上げるかと思ったがそんなことはなかった。俺はびっくりして声をあげそうだったんだが。


「少し待て」


『ん』


「じゃあまあ何かあれば声かけてくれ。声をかけづらいなら藤堂にでも伝言するか、そこら辺にいる魔物にでも言っておいてくれ。あいつらは人間の言葉は話せないが、理解はできるから俺に伝わると思うぞ」


 それだけ言って離れる。


「すまんなクロ。どうした?」


『魔物が来る、らしい。クー太たちはわからないって言っていたけど、巨大鳥がそう言ってたから伝えに来た』


 クー太たちがわからないのに巨大鳥が魔物を感知したのか。索敵に関してクー太たちより優秀ってやばいな。


「わかった。クー太たちに集合するように伝えてくれ」


『わかった』


 レイが持っている【念話】スキルのレベルが上昇すれば良いんだが、今はまだ大した距離に届かないしな。


 さて…今度はどんな魔物が来るのかね。


 巨大鳥の元で皆と合流する。しかし、クー太とランがいつまで経っても来ない。


「無事だとは思うが…探しに行くか」


「多分狩りをしながら寄り道してるだけだと思うの」


 ラックの言う通りだと思うが…。


「ご主人様。来ましたよ」


 ハクが遠くを見つめたままそう言う。そして少しして大きな体のクー太とランが見えてきた。


『ご主人様ー! 見たことない魔物ばっかりだよー!』


『すごく強そうだったわ!』


 無事みたいだな。というか気になって様子を見に行っていたのか。


「お前ら…集合するようにクロから聞いただろ」


『う…聞いたけどー…』


『っ! ど、どんな魔物がいるか気になったのよ…。ごめんなさい』


 ちょっときつい言い方になってしまった。


「怒ってないが、心配させるな」


『『はい…』』


「ご主人様がクー太たちに怒るのなんて珍しいの」


「だから怒ってないっての。それにラックにも他の子にも怒ることなんてほとんどないだろうに」


 ラックがクー太たちに怒るのは珍しいというが、そもそもクー太とラン以外にも怒ること自体、滅多にないと思うんだが。


「それでどんな魔物がどれくらいいた?」


『数は多くなかったー』


『そうね。どんな魔物かと言われても初めて見た魔物ばかりだったわ。大きくて口が長いのとか首が長いのがいたわ!』


 それだけじゃわからん…。まあ見たことない魔物なら上手く説明できなくても仕方ないか…。


『あとはねークレナイに似たやつとかー』


「クー太、それは人型のクレナイか?」


『ううん、おっきいクレナイー』


 七歩蛇まで出てきたのか?


『でもクレナイより小さくなかったかしら?』


『うーん。そうだっかもー?』


 そのあともクー太とランのやりとりを聞きつつ、たまに質問してみるがやはり要領を得ない。まあ今から直接見るんだから気にすることはないか。大事なのは初見の魔物がいること。

 後はそいつらをテイムできるのかどうかだ。


「じゃあ昨日と同じ要領で。グレイとリーフは…まあ魔物の数が多いわけじゃないなら呼ばなくてもいいか。ドライとビャクヤはペアで行動。クシハ、エリン、シス、サンク、レイ、アルファ、ガンマ、パン、ディア、デルタは待機な」


 待機組が自分たちも行きたいとゴネたが、クー太とランが強そうっていう相手とは流石に戦わせてはやれない。


 クー太とランの先導で魔物が居た場所へと向かう。

 拠点の守りは巨大鳥に任せてある。必要なら城壁内で休んでいるやつらに声をかけるように言っておいたし大丈夫だろう。


「結構離れているのか? っ…!?」


 そう言った途端、目の前にいたクー太とランが消えた。


 バッと後ろを振り向くとクレナイもハクもアキもラックもフェリも誰もいない。


「クロ! ドライっビャクヤっ!」


 影に向かってクロたちを呼ぶが、いつまで経っても、何度呼びかけても反応がない。


 すぐさま引き返し全速力で拠点へ戻る。


「お前たち集合だ!」


 拠点に残っている魔物を集めクー太たちを探そうと思い声をかけるが、反応はない。探知系スキルを持っていない俺でもわかる。人の気配も魔物の気配もない。


 巨大鳥の姿も見えない。城壁内、城内を駆け回り、親父の部屋、メイの部屋と片っ端から見ていくがやはり見つからない。


「おいっ。なんだよこれ。クー太! ラン!」


 どこ行ったんだよ…! 


「そうだ…霊狸召喚!」


 霊狸が召喚されない…? 霊狸召喚すればレイと連絡が取れるかもと思ったのだが…。どうすりゃいい…?



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