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137 城?

 


 光が収まった後に現れたのは城だ。

 そう。城である。


「いやいや…」


 意味わからないんだが。城ってなんだ。


 とりあえず…魔物達は弾かれたのかはわからないが城壁の周りに沿うようにいた。無事ではあるみたいだ。


「にしても…」


 何といえばいいだろうか…。

 数十メートルある木々よりも高く、一番上の部屋に行けば樹海を見渡せるだろう。それくらい高い。というか木々も百メートルはあるんじゃないか?あんま気にしていなかったが以前確認した時よりも高い。


 そして見た目は黒一色の日本城である。洋風ではなかった。

 城も相当大きい。だが城壁が異常に大きい。数百メートルに渡り城を囲っており、その中心に城がポツンと立っている。城壁と比較すると城が小さく見えてしまう。

 そして城と城壁の間は茶色い地面が剥き出しで何もない。農業できるかもな…。



「「マコト」」


「やべ、忘れてた」


 親父とお袋を抱えたまま空を飛んでいた。今の今まで親父達も目の前の光景に驚いていたが、やっと自分達が抱えられていることを思い出したのか下すよう言ってきたので地面に降り立つ。


「親父とお袋はテイムしてる魔物の無事を確認してくれ」


 えーっとクー太たちは…いないな。城壁の反対に押されていったか?まあ少しすれば戻ってくるだろ。

 とりあえず近くにいたオーガに話しかける。ステータスを見ると鬼長のオガゾウだった。すまんな…識別できなくて。


「オガゾウ」


「はっ!」


「あの光に当たっても何ともなかったか?」


「はい!なんと言いますか…やんわりと押し出された形と言えばいいでしょうか…。特に衝撃もなく気がついたらここに居ました」


「そうか…怪我してないようでよかった。誰か怪我してる奴がいたら教えてくれ」


「かしこまりました!」


 さて…とりあえず城門のところに行くか。


「全員俺の後を…いや、俺が後で火柱をあげるからそこに来てくれ」


 そう言って飛び上がる。


 本当に広い。中心にある城と城壁の間もかなりの幅があり、十五メートルはある蟒蛇を二十匹くらいは余裕で飼えそうだ。


 城壁から頭ひとつ抜けている城門に辿り着き城壁の内側に爆炎を撃つ。


「これでいいだろ」


 多分全員察してくれる。

 城門前には結構集まってきていた。そしてラックとフェリ、リーフ、アルファ、クシハ、が飛行してやってきた。


「ご主人様ー!これ!なんなのー!」


『…やる前に教えて』


 ラックとフェリが一番にやってきて飛びついてきたので抱き止める。


「俺も予想外だったんだよ。怪我してないか?」


「あの光のことなの?ちゃんと逃げきったの!」


『…もちろん。びっくりしたけど、逃げるくらいできる』


 流石だな。


「リーフ達はどうだった?」


 ちょうど俺の横にきたリーフ達に声をかける。


『逃げられなかった…』


『申し訳ありません…。私も咄嗟のことで…驚いている間に光に包まれ離れたところに居ました…』


『当たったけどなんともなかったよー?』


「アルファ。別に攻めてるわけじゃないから気にするな?じゃあ降りようか」


 降りるとコクイチとその部隊?がいたのでそれぞれのリーダー格を見かけたら誰も欠けていないか確認するよう伝言を頼む。


「マーーコトさーーーん!!これー!!なんですかあーー!」


 後ろを見るとメイとミミがこちらに走って来ていたが…大声出すのは面倒なので二人が近くに来るまで待つ。


「はあはあ…。マコトさん…なんですかこれ…」


「び、びっくりした…」


 二人とも息切れするほど全速力で走って来たのか。仕方ない答えてやろう。


「わからん」


「「え」」


「【拠点作成】を使ったらこうなった」


「こうなったって…なんですかこの魔王城!」


「そんな力強く言うほどか?」


「………禍々しいです」


「そ、そうか」


 まあ黒一色の日本城だしな。しかも木々に囲まれた深い森の中にあるしな。魔物だらけだしな。

 ……うむ…魔王城だな。納得だ。


「そういえば二人は【拠点作成】試したか?」


「いえ、マコトさんが戻ってくるのを待とうってことになっていましたので」


「だから親父達も使ってなかったのか。でもなんでだ?」


「マコトさんの拠点を間借りさせてもらっている身ですのであまり勝手するのは良くない、かなと」


「そんなこと気にしてたのか?つか気にするなら他のところに拠点作ればよかったんじゃないか?」


「むっ。そんな冷たいこと言わないでくださいよ!」


「…うん。ここに居たい、です」


「いや、別に出て行けって言ってるわけじゃないが…まあいいや。お前たちもここに住むか?自分で他のところに拠点を作るか?庭…?に作ってもいいぞ?」


「魔王城に住みます!」


「…私も、魔王城…住みたいです」


「なら魔王城って呼び方をなんとかしてくれ」


 俺も魔王城だとは思ったけどさ。


『ご主人さまー!』


 おっ。クー太…とラン、ハク、クレナイ、グレイ、アメリ、オーガ達がやって来た。ハクとクレナイは魔物型に戻っているし、よく見ると背中にエリン、シス、サンク、レイも乗っている。


「あっ!クー太ちゃん!ランちゃん!皆久しぶりっ!」


『久しぶりー』


「って!!なんか凄く増えてませんか!?オーガたくさん居ますし!?」


「メイ…メイ」


「ミミちゃん?なんですか?」


「マコトさんの…後ろ…」


「後ろ…って…!?なんか女の子がいます!?どこで拾って来たんですか!?鷹さんもモモンガさんも!?あ、あれ?フェリちゃん?半透明…?」


 なんかパニクってるな…。


「そういやクロとドライ、ビャクヤは何処だ?」


『ここ』


『いるよー!』


『ずっといます!』


 蛇、鼠、狼の頭部が俺の影から、にゅっと出てきた。


「あー…やっぱりいたのな。来てるなら顔出しなさい」


『『『はーい』』』


「メイは…また目を回してるな。ミミ。この女はラックだ」


「………本当だ。髪色も大きさも違うけどラックちゃん…」


「ラックなの!ミミより背が高いの!胸もミミより大きいの!」


「そんなところ張り合うな。ミミ。メイに後で説明しておいてくれ」


 親父達も来たし…そろそろ全員集まってるだろう。


「イチロウ!」


「はい!」


「新たに魔狼二匹と森狼二十七匹増えてる。名前はアロウ、イロウ……」


 あいうえお順って言ってもわからないだろうから全て名前を教えておく。ヒロウまで27匹だ。


「ハイイチロウ達とはまた名前の響きが違うのですね?」


 ハイハチロウ……そうだよ。ハクとビャクヤを抜くと、イチロウからククロウまで九十九匹に名を付けた。

 そしてその次にテイムした八匹にはハイイチロウからハイハチロウと名前をつけたのだ。ハイクロウとかでよかったのか……次からそうするか。


「まあ、今回は違う名前にしてみた。気にしないでくれ。それで全員いるか確認しておいてくれるか?」


「わかりました!」


 忘れてたなんて言えない…。よしっ。


「ケンタ、タヌイチ、イタイチ、アカイチ、リョクイチ、コクイチ、シロイチ。いるか?」


『『『『『『『はい!』』』』』』』


「コクイチから聞いてるかもしれないが全員いるか確認して報告してくれ」


『『『『『『『わかりました!』』』』』』』


 フィーア達は…後ろの方にいるな。俺の周りには小回り聞く魔物達と主力メンバー、人型になったクレナイとハクたちが集まっており、フィーア達は輪の後方にいる。そういえばビャクヤや親父からも魔物が増えたと聞いていたが…これだけいるとわからないな。


 とりあえずフィーア達の元へ行く。


「フィーア、フンフ、ゼクス、アンにドゥ、トロワ、カトル。皆挨拶してなかったな。皆ただいま」


『『『『『『『おかえりなさい!』』』』』』』


「それぞれ全員集まってるか?」


『集まってます!』


「ならいい。フィーア達は城の中で行動するのは難しいと思うから壁の内側で好きにしてくれていいからな。あとベータ」


『あ、はい!なんでしょう』


「なんでそんな後ろにいる」


『いえ、新参者ですので…』


「……気にするな。後お前はとりあえずクレナイの指揮下に入ってくれ」


 リョクイチの下につけてもいいが…一匹だけ新人で、更に大きさが皆と違うのは居心地悪いだろうしな。


 さて、次は親父達か。面倒だが…確認しとかないとな。


「親父、お袋…ってなんだそのウサギ」


「ラーちゃんよ!」


 ラーちゃん、ね。俺のネーミングの無さはやっぱりお袋似か。まあ可愛い名前だと思うが。

 にしてもウサギか…ほしいな。


「何処で会ったの?」


「街に行った時よ。ペットショップにいたのよ!」


「ペットショップ?居たのはラーちゃんだけ?」


「そうなのよ。他には居なかったわ」


 残念…。


「よろしくな」


「ぷー」


 鳴いた…。大人しく撫でさせてくれるし可愛いな。

 あんまりウサギって好きな動物ではなかったんだが…いいな。とは言ってもウサギが何処に行けば会えるかわからんし…後2日か?一斉に襲ってくる魔物達の中にいることを願うか。


 お袋の横には狼のオーちゃん。親父の周りにはオーガ、赤蛇、狼がいるし、怪我はなかったんだろう。


「さてあの城に行くとしようか」





○魔物特徴



クー太 妖狸(ヨウリ)(六尾) 最小体長10センチ

         最大体長約4メートル

         茶色一部白


ラン 妖狸(ヨウリ)(六尾) 最小体長10センチ

        最大体長約4メートル

        茶色一部白


クレナイ 七歩蛇(シチホダ) 体長約17メートル

         赤色、四肢有り


ハク ヴラウヴォルフ 体高約2メートル

           体長約4メートル

           白銀色


アキ カーバンクル 体長約10センチ

         若草色


クロ 暗黒蛇(アンコクダ) 体長約150センチ

        黒色


フェリ 樹精(ジュセイ) 体長10センチ

         濃茶色


ラック 狸人(タヌキビト)(妖精種) 体長約10センチ

        髪:白色

        人型:170センチ、黒髪


リーフ 鷲獅子(ワシジシ) 体長約5メートル

       体高約3メートル

       緑色一部白


ドライ 闇鼠(ヤミネズミ) 体長約15センチ

       黒色


クシハ 飛鼯(ヒゴ) 体長約15センチ

        黒地に白斑


エリン 黒菌(クロダケ) 体高約60センチ

        傘:黒地に白水球(斑点)


サンク 翡翠亀(ヒスイガメ) 体長15センチ

        若草色


シス 翡翠亀(ヒスイガメ) 体長18センチ

        若草色


アルファ 風鷹(フウヨウ) 体長70センチ

        (広げた時の片翼約100センチ)

        背・翼黒、胸側白色


レイ 霊狸(レイリ) 体長10センチ

        白色


シドー 鬼将(キショウ) 体長3メートル

        二本角

        赤茶色


ベータ 蟒蛇(ウワバミ) 体長約15メートル

        暗緑色


グレイ 格闘狸(カクトウタヌキ) 体長約150センチ

        灰色


アメリ 化け猫 体長最小15センチ、最大約3メートル

        白と黒の縞々


ビャクヤ 影狼(カゲロウ) 体長約2メートル

        黒色






こちらも執筆中ですので、読んで頂けたら嬉しいです。


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