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136 拠点

誤字報告ありがとうございます!





 

 シドーを含めたオーガ八十三匹と蟒蛇が主な原因だが、地響きが物凄いことになったのでリーフに先行してもらって俺が戻ることを伝えに行ってもらった。

【影転移】待ちのクロ、ドライ、ビャクヤに行って貰えばいいのだが、クロとドライには殿を任せているし、ビャクヤは久々に会ったから一緒にいたいというのでリーフに行ってもらった。

 空を飛べるから文句もないようだったし。


 そんなこんなで少し速度を落とし小走り程度で移動する。元々道中の魔物はビャクヤ達が倒していた上に、集団で移動している上に地響きまでさせていたせいで小型の魔物すら見かけない。


「シドー」


「はいっ」


「俺の配下じゃないが、俺の親父がオーガをテイムしているんだ。一応俺らの仲間という意味ではお前が後輩になるが、シドーの方がおそらく強いから…まあ上手くやってくれ」


「わかりました。群れの古参といえど俺たちの種族は実力主義なんで問題が起こることもないかと」


「うーん。それならいいが…」


 実力主義か。うちも実力主義なのか?主力メンバー…【制限解除】持ちの魔物は俺にとっても特別だから優遇してるし、全員…アキですら後からテイムした魔物より強い。まああいつは阿呆だからビャクヤやドライとかなら勝てるが…純粋にレベルだけをみたらドライ達よりも強い。

 だから実力主義と言えば実力主義なのだが…。


「出来るだけ上下で差はつけたくないんだよな」


 まあ便宜上というか、管理し難いからそれぞれの種族でリーダー格を決めているし、副リーダーみたいな魔物もいるが…。


「善処します」


 あ…そうか…。


「あれだ。上下はあっていいし、実際うちも実力主義みたいなところはある。けど、実力が劣るからと謙ったり、強いからと威張って下の者に威張り散らすようなことはしてほしくない」


「もちろんです。俺たちは、強い者はいざという時仲間を守って、下を指導するという感じです。その分、集落で一番いい寝床や一番多く食料を受け取りますが」


「そうか。まあ強い者…というか責任を持ったリーダーがその責務を果たしているのなら多少優遇されるのはその仕事の報酬みたいなもんだ。どんなことをしてもどんな努力をしても全員が平等なんてつまらんだろ。それに関しては問題ない」


「ありがとうございます」


 まあシドーなら上手くやってくれるだろ。それに主人が違うから同じ群れという括りになるかもわからないし。


 そして4時間ほど走り続けると魔物達の匂いや親父達の匂いを感じた。


「小走りだったから少し時間がかかったな」


 魔物達が見えてきた…というよりも既に見えていたが、人面樹やドライの配下の鼠達や蛇達は草に隠れて気付くのが遅くなった。


「ただいま」


『『『『『『おかえりなさい!』』』』』』


 元気で何より。


 そして小屋がある場所へ帰ってきたのだが…。


「なんか広くなってないか?」


 俺がいたときよりも木々が切り倒され倍以上の空間が出来ていた。

 中心に小屋、小屋の周りにある風呂…にしていた穴。少し離れたところにはゴミ捨て用の穴。焚き火を焚く場所。ここら辺は変わってない。

 ただ土が耕され、苗は出ていないが畝が出来ており、小屋が少し増築されていた。さらに犬小屋みたいなのがいくつも………黒蛇が出てきた…。蛇小屋…なのか?


「マコトおかえり」


「おかえりなさい〜」


「親父、お袋ただいま」


「帰ってすぐ悪いが…メイちゃんとミミちゃんが戻ってきたら少し話し合いしたい」


「ん?構わないけど…あの二人は?」


「街に行くって朝早く出て行ったから、今イチロウ君達が迎えに行ってる」


 俺達の周りに集まっている魔物を見てみると、アインス、ツヴァイ、フィーア、フンフ、ゼクス、アン、ドゥ、トロワ、カトル。後見分けが難しいが…アカイチ達にタヌイチ達もいるな。リーダー格がほぼ全員いるのにイチロウとケンタ達が見えない。


「ケンタも、か?つか何匹で迎えに行ってんだ。相当いないぞ?」


「二十匹ほど連れて行ったな」


「………もっといない気がするんだが?というかあの二人だけで行かせて大丈夫なのか?」


「二人は自分達がテイムしてる魔物と、狼達を三十匹くらい連れて行ったからよ」


 合計五十匹以上がいないのか。なら納得…納得か?何でそんな連れて行ったんだろうか。


「まあいいか」


 クロとドライがここへ来る途中倒れたり逃げたりする奴はいなかったと報告に来た。遅れるとしたら途中で木の実に誘われてふらふらするアキくらいだろうと思っていたし、あまり気にしていなかった。


「全員自由にしていいぞ。ただあんま遠くへ行くなよ」


 各々久々…というほどではないが再会と初見同士は挨拶をしている。


「シドー?」


「そちらのオーガと話したく」


「だってさ。親父」


「構わないが…シュキはどうだ?」


「大丈夫です。少し離れます」


「おお、片言じゃなくなってるな」


「ああ。割とすぐすんなり話せるようになったぞ」


 シドー達はテイムした時から片言じゃなかったよな。全員と話したわけじゃないから片言の奴もいるかもしれないが。


 シドーとシュキも離れ、俺と親父、お袋の三人になったので小屋の中に入り、【亜空間倉庫】から椅子を出して座る。【亜空庫(小)】は手に収まるサイズ以外入らないのが不便だよな。初めは片手だけかと思ったが両手で抱えられる物なら入ったから良かったが。


「あの二人を待ってもいいが…先に話そうか」


 親父は頷き、お袋がお茶を用意するというのでペットボトルのお茶を出す。コンビニで回収しているから結構在庫があるので問題ない。


「まずは…この小屋潰していいか?」


「は?」


「潰しちゃうの?愛着が湧き始めたのに勿体無いわね〜」


「ルリ…そうじゃなくてな…いや、愛着が湧き始めているのは確かだが、お前が必要というなら潰して構わん。それよりあの頭に響いた声に関して話し合うんじゃないのか…?」


「了解。荷物は俺がしまっておくから必要なら言って」


「わかったわ。廃材とか小屋の周りにある瓦礫とかはいらないわ。他の…うちから持ってきた物は後で出してね」


「わかった」


「マコト…ルリ…」


 はいはい。そんな心配することないのに。

 とは言ってもあの巨大鳥とドラゴンの出方次第ではやばいが…そうなったら対策したとこでどうしようもないし…唯一やるべきことはレベル上げるくらいだな。


「気にしなくていいよ。とりあえずこの小屋潰して【拠点作成】を使う。親父達も【拠点作成】のスキルもらったよね?」


「あるわよ。あのサービスってやつで【拠点作成】と【生活魔法】をもらったわ」


「俺も【拠点作成】はある。あと【構造把握】をもらったな」


 んんんん?


「そのスキルは自分で選択したんじゃなく、それを貰った、のか?」


「そうよ?マコトは選べたのかしら?」


「ああ…」


 それに【構造把握】?初めて聞いたな。


「【構造把握】は、例えばこの小屋だが、何処に梁が入っているかとかがわかるようになったな。人工の建物限定で構造を把握できるって説明が書いてあったな」


「そっか…まあそれはいいや。んでだ。その【拠点作成】を試したい。

 レベル、魔力、種族、によって作れる大きさや設備とかが違うとあるから俺がやった方がいい。ただどんなものができるかわからないし、再作成するには八割以上壊さないといけないってあるから、壊すことを前提で一度試して欲しい」


「確かに…マコトがやった方がいいな。今のマコトのレベルがいくつかは知らないが…俺たちは進化すらまだまだ先だし」


「親父とお袋のレベルは?ついでにメイとミミのを知っていたら」


「俺は22だな。最近仲間の魔物が増えたのもあってここ周辺の魔物は取り合いになってるし」


「いや、共有してなくても親父の言うことなら聞くだろう?狩るのをやめさせればいいのに」


「いや、流石にそれは酷いだろ。あの子達だって身体を動かしたいだろうし」


 気にすることないと思うんだが…。まあ自分のわがままで魔物を残しておけって言い難いか。


「まあ親父がそうするっていうならいいけど…お袋は?」


「私は16よ。メイちゃん達は私より…というよりこの人と同じくらいだと思うわよ」


 そう言って親父の方を見るお袋。まあ家のことをやっているお袋よりはレベルは高いか。


「ならお袋が【拠点作成】やってくれる?」


「いいわよ」


「なら早速…魔物達を退かすか」


 小屋から出て魔物達に木々が伐採されている範囲から退くように言っておく。


「行くわよ〜拠点っ作成っ」


 空いた場所に向かって指を指すお袋。

 指したところに小さな光の玉ができ、どんどん大きくなっていく。そして弾けるように光が霧散するとそのには…。


「倉庫…?」


「倉庫だな…」


「あらぁ?」


 目の前に現れたのはコンテナのような倉庫…いや、コンテナ倉庫のような拠点か。


 扉開けると、ぱちっという静電気のような感覚があり、中を覗こうとしたら先程より強いバチッと弾かれるような感覚を覚えた。


 ああ…許可制なんだっけか?つっても入れたが…。


「ぶほぁ!」


 後ろを見ると親父がもんどり打っていた。

 ふむ…親父は入れないのか…。スキルの違いかレベル差か…。

 中には畳が二枚あった。……たった二畳か。壁はアルミ製?叩くとカンカンって感じの音がする。

 まあ結界みたいな力が働いているなら材質なんて何でもいいのか。


 ……って!小屋に結界張っておけば良いのか。でも…あれ?結界って許可した者が出入り可能とかないよな?結界張っておいても外からは入って来れないと不便だな。

 まあ手に入れてから全然使ってないスキルだからステータス確認しても意識してなかったし…追々試してみればいいか。

 拠点を作って魔物が襲って来た時に自前の結界を張っておけばいいな。


 拠点?コンテナから出ると親父が座り込んで恨めしそうにこちらを見ていた。


「許可制なの忘れてた」


「マコトはなんで入れるんだ…。かなり痛かったぞ」


「俺もなんかバチッていう抵抗はあったよ。レベル差か何かのスキルが作用したかはわからないけど」


「マコト凄いわね。それにしても…こんな小さいと使えないわね…」


 個人で寝る時のシェルターとして使うならいいと思うが…。というかレベル16のお袋でコレだろ?レベル1とかだったらどうなるんだろうか…一畳もないんじゃないか?


「食料庫とか貴重品入れとかになら使えるし、レベルが上がれば広くなるだろうから問題ないと思う。んで、親父はこの…コンテナを壊してみてくれるか」


「あら…マコト。いくら小さくてもコンテナなんて言われると悲しいわよ?」


「………この拠点攻撃してみてくれ」


「おう」


 ガキィン!


 親父は俺が以前置いて行ったバットを何処からか持ってきて思い切り振りかぶったが弾かれた。


 ふむ…。やっぱり拠点に無断侵入が出来ないくらいの強さじゃ壊せないか。まあ簡単に壊せたら許可制の意味もないしな。


「お袋もやってみてくれるか?」


「いいけど…あんまり攻撃は得意じゃないわよ?」


 ドンッ!


 お袋が放った【火球】は弾かれることなくぶつかり、コンテナ…拠点の壁を凹まし、焦げ目がついた。


「作成者は阻まれない、と。そういえばお袋。拠点を作った時魔力は使った?」


「半分くらいかしら?勝手に無くなったわよ」


「半分、か…。次は許可してみてくれる?」


 そう言うと親父とお袋が扉に手を触れ…特別何も起こらないな。


「出来たわよ」


「出来たの?何も起こらないが…」


「個体名、中野セイジの拠点への侵入を許可します。って聞こえたもの」


「ならよかったが…なら魔物…オーちゃん?とうちの…」


 誰にするかな。コンテナの周りに集まってきた魔物をざっと見て…。


「クー太、ランおいで」


『なにー?』


『なになに!これなんなの?』


 拠点について簡単に説明した後、弾かれるかもしれない、痛いかもしれない、けど入れるかどうか試して欲しい。というとすぐさまOKされた。入りたかったようだ。


「マコト。オーちゃんは問題なく入れるわよ」


「了解。ならクー太、ラン」


『『はーい』』


 クー太とランを選んだのは多分最も強いし、怪我をしても【自己再生】があるからだ。どっちか一匹だと片方が拗ねるから二匹を呼んだが…。

 出来れば弱い…魔狼とかにも試して欲しかったが、それで死なれたら困るので野生の魔物で試すしかないだろう。


『『ん??』』


「どうした?ってもう入ってるのか…」


『なんかぱちってしたよー?』


『なんか不快な感覚だわ。でも入っちゃえばそんなことないわね』


 そう言いながら二匹はゴロゴロ…ゴロゴロ…。

 畳が気に入ったのか?


「入れるのな。ほら、ゴロゴロしてないで出て来い」


『『はーい』』


「さて…お袋。俺が壊していいか?」


「いいわよ」


「んじゃ…お前達さっきのところまで離れておけ」


 念のため俺も親父達と一緒に離れる。


「【爆炎】」


 ボンッ!ドドドッ!


 火柱が立って小屋が燃えた。全てを燃やすつもりで魔力込めたから問題ないと思うが…。


 火が消えると燃えてガラス化した地面が…ってどんだけ火力強いんだ…。


「「マコト…」」


 両親は目を丸くしている。まあ地面がガラス化していたらビビるわな。


「お前がいれば何も問題ってのがわかった」


「うちの息子は頼りになるわね!」


 いや…俺でも勝てない相手はいるからな?


「んじゃ実験は終わったし俺が【拠点作成】使う」


 魔物達には待機を命じて小屋の荷物を回収しでおく。小屋は一応残す。お袋のような大きさってことはないと思うが…今ある小屋くらいならわざわざ壊す必要もないからな。


「じゃあ…【拠点作成】!」


 視線の先に光の玉が現れた。

 魔力がどんどん抜けていく感覚を覚え、半分減ったところで光の玉がどんどん大きくなっていく。


「ちょっ…!?逃げろ!」


 左右に親父とお袋を抱えて思い切り飛ぶ。


 光はまだ大きくなっており、文字通り飛んでいる俺に届きそうだ。

 害はない気がするが一応逃げる。


 最終的に半径30メートルはあるだろう小屋を中心とした広場は光に飲み込まれ、木々もどんどん飲み込んで行く。


「おいおい…どんだけ巨大になんだ…つかあいつらは…」


 なんとなく害がある光ではないと思う。けれど、お袋の拠点のように弾かれる可能性はある。少なくとも親父とお袋の魔物達は。


 そして暫くすると光は収まった。





両親に対しては少し言葉遣いが柔らかく…なってると思います(._.)



○魔物特徴



クー太 妖狸(ヨウリ)(六尾) 最小体長10センチ

         最大体長約4メートル

         茶色一部白


ラン 妖狸(ヨウリ)(六尾) 最小体長10センチ

        最大体長約4メートル

        茶色一部白


クレナイ 七歩蛇(シチホダ) 体長約17メートル

         赤色、四肢有り


ハク ヴラウヴォルフ 体高約2メートル

           体長約4メートル

           白銀色


アキ カーバンクル 体長約10センチ

         若草色


クロ 暗黒蛇(アンコクダ) 体長約150センチ

        黒色


フェリ 樹精(ジュセイ) 体長10センチ

         濃茶色


ラック 狸人(タヌキビト)(妖精種) 体長約10センチ

        髪:白色

        人型:170センチ、黒髪


リーフ 鷲獅子(ワシジシ) 体長約5メートル

       体高約3メートル

       緑色一部白


ドライ 闇鼠(ヤミネズミ) 体長約15センチ

       黒色


クシハ 飛鼯(ヒゴ) 体長約15センチ

        黒地に白斑


エリン 黒菌(クロダケ) 体高約60センチ

        傘:黒地に白水球(斑点)


サンク 翡翠亀(ヒスイガメ) 体長15センチ

        若草色


シス 翡翠亀(ヒスイガメ) 体長18センチ

        若草色


アルファ 風鷹(フウヨウ) 体長70センチ

        (広げた時の片翼約100センチ)

        背・翼黒、胸側白色


レイ 霊狸(レイリ) 体長10センチ

        白色


シドー 鬼将(キショウ) 体長3メートル

        二本角

        赤茶色


ベータ 蟒蛇(ウワバミ) 体長約15メートル

        暗緑色


グレイ 格闘狸(カクトウタヌキ) 体長約150センチ

        灰色


アメリ 化け猫 体長最小15センチ、最大約3メートル

        白と黒の縞々


ビャクヤ 影狼(カゲロウ) 体長約2メートル

        黒色




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