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135 肉球

誤字報告ありがとうございます!




 

 ————————————————————

 個体名【ビャクヤ】

 種族【影狼】

 性別【メス】

 状態:【 】

 Lv【20】

 ・基礎スキル:【噛み付きLv4】【体当たりLv3】

 【影転移Lv2】【隠密Lv2】

 【暗殺Lv1】


 ・種族スキル:【夜闇適応】【潜影】

 ・特殊スキル:—

 ・称号:【変異体】

 ————————————————————


 ビャクヤのステータスを確認してみるとnewや UPの表示がなかった。何故か…思い当たるのは【共有】したことくらいだが…まあいいか。

 とりあえずレベルも結構上がっているし、【噛み付き】と【体当たり】しか覚えていなかったビャクヤが新たに三つスキルを覚えている。それは良いことだ。良いことだが…。


「お前なんで暗殺者向きのスキルばかり…」


『??あんしゃつしゃ…暗殺?』


「【影転移】と【隠密】、【暗殺】の三つのスキルを覚えてたからな…」


 どんなスキルか説明してやると…。


『最近魔物に気づかれにくくなって、倒しやすくなったのは【隠密】と【暗殺】が原因だったんですね』


 へぇー。って感じで小首を傾げるビャクヤ。


「とりあえず降りてくれるか?」


 前より少し大きくなったな…。


『あっ。ごめんなさい!』


『『ビャクヤー!』』


 クー太とランの声が聞こえ周りを見ると単騎で狩りをしていた面々が集まってきた。


『ビャクヤちゃん久しぶり!』


「うおおおっ!ちょっ…ドライ!?お前なんで肩にいるんだ!」


『ご主人様の影に転移したら髪の毛の影だったから?』


 …身体が小さいから肩に出来た髪と頭の影から出入りしても問題はないな。というかドライって【影転移】使えなかったよな…?


『昨日使えるようになったよ!』


 …らしいです。俺何も言ってないけど察しがいいことで。


 周りを見るとクー太にラン、フェリにラック、リーフがいた。


『も、もしかして…ラックさん!?』


「なの!」


 胸を張るラック。

 ………妖精の時は胸の膨らみなんてほぼなかったんだが…【存在昇華】どうなってんだろうな。

 だいぶ立派になった胸は…まあいいか。髪の色も耳や尻尾の色が変わるんだから胸が大きくなってもおかしくはないな。


「とりあえず…移動しよう。俺がここでずっと止まっていたらこの状況を把握できないやつらが困惑するだろ」


 とりあえずビャクヤと集まってきた面々、少し後ろにここ数日でテイムした面々を引き連れ歩く。


「んで…ビャクヤはどうしてここにいるんだ?」


『??ご主人様の匂いがしたから…』


「それは聞いた。じゃなくて…近くにいた理由だな。もう拠点は近いのか?」


『近いよー』


 ビャクヤに聞いたらリーフが答えた。というかリーフはちゃんと把握しているんだったな。


『はい。歩いても日が暮れる前には問題なく着きますし、走ればお昼までかからないですよ?』


 走って二、三時間程度か?


「つまり…ここら辺はもうお前たちの狩り場か?」


『はい!拠点が結構広がってますし、拠点に魔物が増えたので…。拠点周りだけだと野生の魔物の数が足りないので結構遠出してます!』


 …はい?拠点に?魔物が?増えた…と?

 ………グレイか。帰ってから確認すればいい…それより…。


「あんま単騎で遠出は控えろよ?場所の問題か魔物が現れて経過した時間の問題かわからんが二回進化した個体も出るようになってきてるし。ビャクヤも強くなったとはいえ…俺より強い魔物だっているんだからな?」


 巨大鳥みたいな…。


『三匹で行動してますよ!少し離れてですけどいつでも応援行ける距離に…そういえば来ませんね?』


「誰と行動してたんだ?」


『グレイさんと、アメリさんです!』


 ……リーダー格全員で狩りに出てんのかよ。


「それなら、俺らも広がって狩りしてたし他のグループに合流してんじゃないか?」


 呼ぶか……呼ぶときの合図決めてなかったな。日が暮れたら集まるように言っただけな気がする。


「クー太、ラン、ドライ。呼んできてもらえるか?」


『わかったー左側〜』


『行ってくるわ!なら私右ね!』


『じゃあ私は転移使って一番離れたとこのグループに行ってくるよ!』


「頼んだ」


「ご主人様ワタシは行かなくてもいいの?」


「ラックは…というかフェリもリーフも。皆で行っても仕方ないしな。それにうちのメンバーじゃクー太とラン、後はハクが一番速いだろうしな」


 つかハクが圧倒的だと思う。最近戦っているところをちゃんとみてないのでなんとも言えないが…【群狼】があるしな。


 そしてビャクヤが俺の後ろから追いついてきた狼二十七匹と挨拶をしているのを眺めなていると続々と集まってきた。

 クレナイとアキ、アルファと共にいるのはグレイだな。そしてアメリはハク、シス、サンク、レイと共にやってきた。

 アメリが俺を視界捉えると駆け寄ってきた。


『久しぶりにゃ!!』


「おう。元気にしてたか?」


『もちろんにゃ。たくさん狩りをしたにゃ!』


 ゴロゴロとすり寄ってくるアメリ。巨大だが…やっぱり猫だな。そして前より甘えてくる気がする。


『旦那おかえりっす』


 後ろから近づいてきたグレイが挨拶をしてきた。


「ただいま。少し会わないうちに旦那呼びに戻ったか」


『あー、ご主人…初めに旦那って呼んだせいか旦那の方が呼びやすいっす…』


「…まあいいか」


 少し会わないだけで呼び方が戻るってことはそれだけ言いやすい…というか心の中ではご主人じゃなく旦那って呼んでるんだろう。あの時はなんとなく嫌だったが…なんか今はあんまり気にならないな。


『いいっすか?なら有り難く旦那って呼ばせてもらうっす!自分も結構レベル上げたんで後で確認してくださいっす』


「おう。後で見るよ。とりあえず…ビャクヤに聞いたんだが、ここら辺はもう狩り場ってことは魔物狩り尽くした感じか?」


『はいっす。とは言ってもそんな多くはないですし、強いのはいないっすね。

 猿がいたエリアの方行けば結構な数がいるっすけど…集団で襲われたら結構キツいんでこっち来てるっす』


 え?


「ちょっと待ってろ」


 ————————————————————


 個体名【グレイ】

 種族【格闘狸】

 性別【オス】

 状態【エネルギー過剰】

 Lv【29】

 ・基礎スキル:【噛み付きLv4】【気配察知Lv5】

 【拳術Lv6】【共鳴Lv3】

 【蹴術Lv3】【加速Lv1】

 【指導Lv1】


 ・種族スキル: 【幻術】【魔纏】

 ・特殊スキル:【制限解除】

 ・称号:【進化・使役魔獣】


 ————————————————————


 個体名【アメリ】

 種族【化け猫】

 性別【メス】

 状態:【エネルギー過剰】

 Lv【26】

 ・基礎スキル:【噛み付きLv5】【体当たりLv3】

 【伸爪Lv3】【睡眠回復Lv2】

 【飛斬Lv1】【加速Lv2】

 【肉球パンチLv2】


 ・種族スキル:【縄張り作成】【変化】

 ・特殊スキル:—

 ・称号:—


 ————————————————————



 レベルが29と26。

 グレイが新しく覚えたのは…【加速】と【指導】。上がったスキルは【拳術】と【蹴術】、【共鳴】…か?多分あっているはず…主力メンバーのステータスはちゃんと覚えている。………はずだ。


 そしてアメリ……………。


「アメリさん?【肉球パンチ】ってなんすか…」


『にゃ?見せてやるにゃ』


 ブォン!


 ドンッ!!


 アメリが手を正面へ突き出すと物凄い風切り音と同時に木の幹に肉球の形の凹みが…。


「…………」


『むっ。もう一度やるにゃ?』


「あ、いやいい。威力もどういうスキルかもわかったから。ただネーミングが、な…。まあ…強くなったようで何よりだ」


 可愛らしい名前なのに…えっぐいな。肉球の形に凹んだぞ。抉れてるって言った方がいいくらいだぞ。魔物を倒したことのない人間に使ったら胴体に肉球型の穴が空くんじゃないか…?


 とりあえず俺自身も冷静になるためにアメリを撫でてやるとゴロゴロし始めた。


 さて…アメリが新しく覚えたのは【飛斬】、【加速】、【肉球パンチ】か。今までの流れなら肉球拳とが…それも変だな。そして詳細は…。


 ————————————————————


【飛斬】

 ・斬撃を飛ばすことが可能。

 ・威力・飛距離はスキルレベルに依存する。


【肉球パンチ】

 ・肉球の形に衝撃を飛ばす。

 ・肉球を持つ魔物のみ習得可能。

 ・威力・飛距離はスキルレベルに依存する。


 ————————————————————


 とりあえずこの二つを見て思ったのは、アメリは敵に近づくのが面倒で飛ばすスキルを覚えたのだろうか?と思ってしまった。


 というか…肉球を持つ魔物のみ習得可能ってなんだよ。習得できる種族が限定されてる基礎スキルとか初めて見たわ。


 おっと…。肉球に気を取られていたがステータスを今確認した理由そうじゃない。


「お前たち…そのレベルで猿たちに苦戦するのか…?」


『あいつら前より強くなってるっすよ。凄くでかいやつもたくさんいるっす』


『腕が四本生えてるやつもいたにゃ!倒せるけど群れてるから厄介にゃ』


 進化個体が増えているのか。前に俺が行った時より全体的にレベルが上がってるのかもな」


『私は一度アメリさん達と行っただけなので詳しくはわからないです…』


「なんでだ?」


『四本腕本当強いにゃ。それに遠目ではっきりと見たわけじゃないけどもっとやばそうなのも居たにゃ』


『そうなんすよ。遠目でも勝てない。って思うくらいっす。その時ビャクヤを連れて行ったんすけど、それ以来ビャクヤも他の連中も自分達もあっちには近寄らないようにしてるっす』


 ……グレイとアメリでも勝てないと思う相手…?やばいな…。


『ご主人さまー?』


『ニヤニヤしてるわよ』


「目元だけ見ると凄く真剣に考えているように見えるけど…口角は上がっているの」


『戦闘狂です?』


「アキ」


 アキを窘めるクレナイの声で今考えても仕方ないとアメリ達に意識を戻した。


「了解した。けど、それなら拠点の護りは大丈夫か?」


『最近は午前と午後で半分に分けているっす。なので今は自分達と狼系と犬系のメンバーが外に出ているっすね。

 そのかわりにフィーア、フンフ、ゼクス、コクイチ達、狼系と犬系以外のリーダー格は全員拠点にいるっす』


「そうか…昼に交代する感じか」


『そうっすね』


「親父達は?」


『セイジ達は大抵拠点から離れすぎないところにいるか、拠点でなんか色々してるにゃ』


 ふむ…。あと魔物が増えたこととかも聞きたいが…見てからの方が話が早いし、後で聞くか。


「じゃあ昼までに戻りたいな…」


 周りを見渡すと全ての魔物が俺を見ていた。


「走るか」


「「「「「「はっ!」」」」」」


「ご主人様…もっと何かこう…」


「ハクちゃんの言う通りなの!なんでそんな適当なの!」


「……あれ?お前ハクのことちゃん付けで呼んでたっけ?」


「生まれた時期はそう変わらないから気軽に呼ぶことにしたの!……じゃなくて!なの!」


「そうか…まあいいじゃないか。全員話は聞いてたみたいだし。おしっ。お前たちこれから走って移動するからなー。ついてこいよー」


 足が遅いシスとサンクはハクが抱えてるし、エリンはクレナイが。クシハとレイが少し心配だな…。


「クシハ、レイ。もし付いてくるのが大変だったらちゃんと言えよ?抱えてやるから」


『わかった!』


『はーい?……肩に乗ってもいいです』


「いいぞ。クー太達が乗ってない時だけだが」


 クー太もランも拗ねるからなあ…自分の席だと言って。


「後は…ドライ、クロ」


『なにー?』


『ん?』


 ドライはいつの間にか消えていたのだが呼びかけると肩に現れた。そしてクロも足元から出てきた。


「ドライは分身して後ろで遅れたやつがいないか見ておいてくれ。クロは分身して戦闘力が落ちるドライの補助でドライの影で待機。頼めるか?」


『了解!!』


『問題ない。ドライといるのは落ち着く』


『私も!クロさんよろしくね』


 性格的にそんな合うとは思えないが…闇とか影とか共通するものが多いからだろうか。まあ問題ないならいい。


 そして総勢百三十三匹で走ることになった。





○魔物特徴



クー太 妖狸(ヨウリ)(六尾) 最小体長10センチ

         最大体長約4メートル

         茶色一部白


ラン 妖狸(ヨウリ)(六尾) 最小体長10センチ

        最大体長約4メートル

        茶色一部白


クレナイ 七歩蛇(シチホダ) 体長約17メートル

         赤色、四肢有り


ハク ヴラウヴォルフ 体高約2メートル

           体長約4メートル

           白銀色


アキ カーバンクル 体長約10センチ

         若草色


クロ 暗黒蛇(アンコクダ) 体長約150センチ

        黒色


フェリ 樹精(ジュセイ) 体長10センチ

         濃茶色


ラック 狸人(タヌキビト)(妖精種) 体長約10センチ

        髪:白色

        人型:170センチ、黒髪


リーフ 鷲獅子(ワシジシ) 体長約5メートル

       体高約3メートル

       緑色一部白


ドライ 闇鼠(ヤミネズミ) 体長約15センチ

       黒色


クシハ 飛鼯(ヒゴ) 体長約15センチ

        黒地に白斑


エリン 黒菌(クロダケ) 体高約60センチ

        傘:黒地に白水球(斑点)


サンク 翡翠亀(ヒスイガメ) 体長15センチ

        若草色


シス 翡翠亀(ヒスイガメ) 体長18センチ

        若草色


アルファ 風鷹(フウヨウ) 体長70センチ

        (広げた時の片翼約100センチ)

        背・翼黒、胸側白色


レイ 霊狸(レイリ) 体長10センチ

        白色


シドー 鬼将(キショウ) 体長3メートル

        二本角

        赤茶色


ベータ 蟒蛇(ウワバミ) 体長約15メートル

        暗緑色


グレイ 格闘狸(カクトウタヌキ) 体長約150センチ

        灰色


アメリ 化け猫 体長最小15センチ、最大約3メートル

        白と黒の縞々


ビャクヤ 影狼(カゲロウ) 体長約2メートル

        黒色



(上記以外//魔狼二匹、森狼二十七匹、オーガ八十二匹)





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