123 移動手段
お待たせしました。
翌朝。
昨夜はテイムだけしてすぐ就寝した。
朝食はキノコパーティだ。朝っぱらから魚を調理する気になれず、魔石とキノコ、缶詰の食事だ。まあ魔石だけで問題ない身体としては十分豪勢だが…。
クー太とクレナイは昨日何していたか大体把握しているのでわざわざ話を聞かなくても良いだろう。フェリとクロは一緒にいたし。
後はラン、ハク、アキ、ラック、ドライ、リーフに昨日何していたか聞きたいが…先にサンクとシスのステータスを確認しようか。
他の面々は昨日の朝確認したし、今回は確認しなくてもいいかな。
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個体名【サンク】
種族【緑甲亀】
性別【オス】
状態:【 】
Lv【8】
基礎スキル:【硬質化lv2】【噛み付きlv2】
【水球lv3】【水砲lv1】
種族スキル:【水棲】
特殊スキル:—
称号:—
個体名【シス】
種族【緑甲亀】
性別【メス】
状態:【 】
Lv【5】
基礎スキル:【硬質化lv2】【噛み付きlv2】
【水球lv3】
種族スキル:【水棲】
特殊スキル:—
称号:—
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サンクの方が強いのか。【水棲】はツヴァイの【土棲】の水中版だ。【硬質化】はどこまで硬質化するのだろうか?甲羅だけ?中身も?
サンクに【硬質化】を使ってもらうと甲羅は元から硬いのでなんとも言えず、甲羅から出ている頭や手足、尻尾全て硬くなっていた。
【水砲】もやって貰ったが、サンクを捕まえた時にやられた水鉄砲だった。レベルが上がれば大砲のようになるのだろうか。
さてと…どうしようか。テイムできるようになったからオーガをテイムしにいく、か?
んんー。面倒だな…。帰りとかまたそのうち近くを通った時でいいか。
とりあえずこのまま進んで行って街を探そうか?
あっ。でもクシハは…小さいし飛べるからいいがエリンとサンク、シスが増えたからリーフに乗っていくにしても定員オーバーか…。サンクとシスだけなら問題ないが、それなりに大きいエリンが乗るスペースはないな…。無理すれば乗れるだろうが…不安定すぎるだろう。
「よし!今日は自由行動だ!」
『自由ー?』
『何しててもいいのかしら?』
「ああ。好きなことしていいぞ」
まあクー太もランも狩りに行くんだろうが。
「かしこまりました」
「自由、ですか…どうしましょう」
『自由です?寝ててもいいです?』
「まあ構わないが…少しは運動しろよ?」
『はいです!』
アキは返事は良いんだが、ずっと寝てそうだな…。
『わかった』
『…ん』
「ならここら辺探索してくるの!」
「探索とか狩りに行く時はできるだけ二匹で行動しろよ?」
『わかったの!』
『わかった!私も探索!』
『はーい。じゃあここら辺飛んでるね』
『僕も!リーフさんと飛びに行く!』
ドライはラックと一緒に行くのか。んでリーフとクシハは空の散歩ね。
そして新参者達は不思議そうにしている。エリンもサンクもシスも仲間になったばかりで勝手にしろ、って言われても困るわな。
「エリンもサンクもシスも単独行動は辞めて欲しいが、誰かについて行ってレベル上げするか?それとも他にやりたいことあるか?」
『僕は…レベル上げに行きたいです』
『俺も鍛えたい』
『わ、わたしも』
ならどうするか…。
「クー太とランも狩りにいくか?」
『行くー』
『もちろん行くわ』
「了解。クロとフェリは?」
『フェリと狩りに行く』
『…ん。クロと』
仲が良いな。クー太とランは一緒に行動させた方がいいだろう。無理にエリンと組ませてもストレスになりそうだし。特にランはレベル上げに熱心だからな。
アキは昼寝、クロとフェリは一緒に狩り。ラックとドライが一緒か?んでリーフとクシハ。
「了解した。クレナイとハクはどうする?」
「なら私がエリン殿達のレベル上げに付き合うということで」
「あ、それなら私付き合いますよ?」
「いいのか?」
「「はい」」
「ならクレナイとエリン、ハクとサンク、シスで別れて行動してくれるか?」
「かしこまりました」
「わかりました。陽が暮れる頃にここでよろしいですか?」
「それでいいよ。じゃあ聞いていたと思うがエリンはクレナイに、サンクとシスはハクに付き合って貰ってくれ」
『はい!』
『わ、わかりましたあ!』
『わかった。ハク…殿。よろしく頼む』
「ハクでいいわよ」
サンクはぶっきらぼうな感じだな。まあそのうち慣れるだろう。昨日ずっと一緒にいたエリンはまだしも、サンクとシスとは出来れば今日一緒に行動して親睦を深めたかったが、やる事が出来たからな。相手する暇はないだろう。
「よし!じゃあ解散!陽が暮れる頃には帰ってこいよー。別に途中で帰ってきて休んだっていいんだからな」
さーてと。俺は飛行の練習だ!そう。やる事とは飛行の練習だ。俺はテイムしている魔物達のスキルは割りかし覚えやすいようだし、俺が飛べれば、必然的に俺の鞄の中に入って移動するクー太達もリーフに乗らなくて済む。
リーフは俺に乗って欲しがりそうだが…我慢してもらおう。そうすればリーフにはハク、クレナイ、エリン、あとはハクとクレナイにサンク達を抱えて貰ったりすれば移動が楽になるだろう。
参考にするのはリーフとクシハの【高速飛行】や【飛行】。これは種族スキルだが、別に覚えられないってことはない、はずだ。
そしてまず練習するのはクシハの【重量軽減】とリーフの【引力軽減】。これを身につけて、風球とか打ち出せば推進力になるだろうし。俺の魔力量なら長時間飛べるだろうしこれが今日の目標だ。
だが重量…体重を軽減ってどうすればいいんだ?
脂肪を燃やす感じ?いやいや。それじゃあ飛ぶほど軽減できないよな。
重量は内部に働きかける?引力は外部に?ってとこか。まあ結果は似たようなもんだな。じゃあ自分を重力の楔から放つように。イメージはCGや映像だがテレビCMや映画、アニメなんでもいいが人が宇宙や月の映像とか。あとは風船とかもイメージしてみてるか?
まあとりあえず色々やってみるか。
そして数時間。昼寝していたアキが起きた頃やっと浮くことに成功した。
『ご主人おはよーです…あっ。なんで浮いてるです?』
「ちょっと待て」
まあ不安定だが地面から離れることは出来た。そしてゆっくりと、軽減した重力を少し増やしていき地面に降りる。
「よっし。できた!」
『ご主人も飛べるようになったです?』
「まだだけどな。少し浮けるようになっただけだ」
『すごいです。わたしも飛びたいのです!』
「いや、無理じゃないか?」
『そんなはっきり言われると悲しいのです!』
「なら寝てるだけじゃなくて訓練でもしておいで」
『うーん…わかったのです。木の実集めに行ってくるです!』
「はいよ。気をつけてな。後、お前だけで行動するならあんま遠くに行かないようにな」
『了解なのです!』
駆けて行くアキを見送る。……心配だなぁ。それにまた何処かで昼寝して探しに行くのもめんどうだし…。
霊狸召喚!
ポンッ。と一匹の霊狸が現れた。
「アキのこと見張ってくれ。陽が落ちても帰って来ないようなら連れて帰ってきてくれ。結構魔力込めたし夜までは消えないよな?」
『かしこまりました!!大丈夫です!』
「なら頼んだ」
『はい!』
よし、これで大丈夫だろう。もう昼時なので魔石で昼食を済ませ練習を再開する。
色々と試してみたが、ただ単に地表と自分自身を切り離して俺への重力を無くすイメージ。そして浮いてる自分をイメージすると浮けるようになった。
そしてそのまま移動するイメージをするとゆっくりだが移動できた。
速く移動するには【魔纏】を使い身体に魔力を纏う。纏った魔力は流動的に動いているからその魔力を後ろに流すようにするとそれなりの速度で移動できるようになった。要練習だろう。
もっと速く移動するには身体を地面と水平にし、足の裏から火球を連続で出す。これは初めはロケットをイメージ。そして火の出し方は火炎放射をイメージだ。
そんなこんなで陽が暮れ始めるまで練習を続けた結果、【重力操作】と【火炎放射】ってスキルが生えてた。
「目的のスキルとは違うが…結果オーライ?」
【重力操作】というからには自分自身に対してだけじゃなく敵を押し潰したりもできるのだろうか?そう思ってそこら辺の草を重力で押しつぶすイメージをしてみたが何も起こらなかった。まあレベルが上がれば出来るだろう。
そして【火炎放射】は手からも出すことができた。
「お、おおお…」
両手から火炎放射!そして雑草を燃やしていく。焚火とか雑草刈るのに便利なスキルゲット!
『ご主人さまただいまー』
『戻ったわよ。両手から火なんで出して何しているの?』
「新しいスキルを試していたんだ。面白くて遊んでたんだが…火事に気をつけなきゃな」
『ボクも出来るかなー?』
「んー、どうかな?ランは火の魔法が使えるから割と簡単にできそうだけど、クー太は風と雷に特化してる感じだしな」
『そっかぁー…』
「まあ別に出来なくたって充分強いだろ。それよりそろそろ皆戻ってくるだろうし夕食の準備するか」
『『魚!』』
あ、うん。魚ね。キノコと缶詰で済まそうとしてました…。
クー太とランの要望通り魚の準備をする。続々と帰ってきて一番不安だったアキもちゃんと霊狸を連れて帰ってきた。
「皆おかえり。夕食にしようか」
○魔物特徴
クー太 妖狸(五尾) 最小体長10〜15cm
最大体長約400cm
茶色一部白
ラン 妖狸(五尾) 最小体長10〜15cm
最大体長約400cm
茶色一部白
クレナイ 七歩蛇 体長約1500cm
赤色
ハク ヴラウヴォルフ 体高約200cm
体長約400cm
白銀色
アキ 巨大森栗鼠 体長約15cm
赤茶色一部緑縞
クロ 大黒毒蛇 体長約150cm
黒色
フェリ 大森鼬鼠 体長10〜15cm
濃茶色
ラック 人妖精 体長約10cm
髪:白色
リーフ 鷲獅子 体長約500cm
体高約300cm
緑色一部白
ドライ 闇鼠 体調約15cm
黒色
クシハ 翼刃鼯 体調約15cm
黒地に白斑
エリン 大茸(亜種) 体高約60cm
傘:黒地に白水球
サンク 緑甲亀 体長15cm
若草色
シス 緑甲亀 体長18センチ
若草色
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