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118 久々の霊狸

お待たせしました!


今月は忙しく、更新が遅れそうです。

すみません(>_<)


出来るだけ更新していきますのでこれからもよろしくお願い致します。


 

 移動を開始…しようと思ったがその前に亀がいるか少し確認してみることにした。


「なあクロ」


『なに?』


「潜影で魚影に潜ったりできるのか?」


『わからない。それとここの水、魚影がちゃんと見えるほど透き通ってない』


 確かに…。


「じゃあ浅瀬…池の端の方で動いていない魔石とか熱の反応はわかるか?」


『それなら………ここ』


 クロは少し移動して尻尾を使って場所を教えてくれた。ずいぶん近くにいたんだな…。流石にそんな浅瀬なら見えると思うんだが…よく見てみると泥が盛り上がっているところがある。これって泥の中で亀が固まっている、のか?

 これが亀で、動いていない理由が雷球でまだ痺れてたら良いんだが…。ただ動かないだけだと嫌だから規模を小さくして撃ち込むか。


「雷球」


 バチバチッではなくパチンッ。って感じでクロの指した亀らしき盛り上がりがある場所に撃ち込む。


「反応ないな」


 手を突っ込んで盛り上がっているところを掴む…。


「いつっ!」


 痛かった…というほどではないな。だがなんか尖ったものが当たったぞ?

 掌を見てみるが別に血が出ているというわけでもないが…。


「攻撃された…わけではないと思う。トゲでも生えているのか?」


 思いもよらずチクッとした感じがしたからびっくりしたが、別にこのまま触ってもチクチクした感触があるだけで刺さるような感じはしないが…。

 亀だとは思うが感触が想像と違う得体の知れないものだったし素手で触るのはやめておくか。亜空庫から軍手を出し手にはめた後に硬化させもう一度水の中に手を突っ込み盛り上がっているところを掴み持ち上げる。

 ………泥だらけのトゲトゲした物体。亀だと思うが見た目は饅頭だ。上から見ると楕円ではなく完全に球体に見える。

 饅頭で例えると、底部分はトゲが生えていないのでお腹で、トゲが生えているところが甲羅…だと思う。これが本当に亀ならば。

 トゲはウニのように細いトゲがたくさんあるのではなく太く短めの円錐状のトゲである。

 とりあえず泥を落とすか。


「水球」


 水で泥を洗い流すと泥がどんどん落ちていく。

 一度の水球じゃあ汚れが落ち切らないようなので大きめの水球を発動させ、その中に入れて汚れを落としていく。

 硬化させているおかげで全然トゲは刺さらないし、トゲも針のように細いわけではないから結構乱暴に洗っていく。


「おお…!」


 綺麗な緑色が見えて来た。

 そのまま洗い続けると綺麗な緑…若草色って言えばいいか?

 リーフよりも薄い緑色で水滴が反射してキラキラしていて綺麗だ。


「これ、亀、だよな?クロ。魔石の反応はこれからするか?」


『うん。それ魔物』


 穴があるので覗いてみるとちゃんと中身があるし、クロも魔石の反応が見えてるみたいなので亀なのだろう。ヤドカリとかの可能性もあるか…?殻に入っているだけで別の生き物の可能性は…ないとは言えないな。


 大きさは俺が手で鷲掴み出来る大きさなので別に大きくも小さくもない。先程は饅頭に例えたが…トゲの生えた硬式野球ボールを半分にした感じ…と言えば良いだろうか。


 とりあえずこれが目を覚ますまで掴んでいなきゃいけないよな。せっかく捕まえて綺麗にしたのに逃げられたら嫌だし。軽く魔圧したら起きてくれるだろうか?


「クロとフェリはクシハを見ていてくれ。少し離れてこいつに魔圧してみる。クシハここにいろよ?魔圧に耐えられないだろうし」


『わかった』


『…うん』


「キュ?」


『…ここにいるの』


『クシハ行っちゃダメ』


 俺に付いてこようとしたクシハをフェリが注意し、クロが絡め取り、クシハがジタバタする。

 まあ…クロに任せとけば大丈夫だろ。


 ある程度離れたところで手に持っている仮称亀に弱めの魔圧をする。


 …………お?顔が出てきた。後尻尾も。うむ…亀だな。


 !?!?


 亀は俺と目が合った瞬間首を引っ込めた。


「あらら。魔石食べるかー?」


 ヒュッ!

 パシャッ。


「えっ」


 今水が飛んできたんだけど…唾飛ばされた…?いや…水鉄砲?水魔法、か?

 まあ痛くないからいいか。

 とりあえずクロ達の下に戻りながら首が引っ込んだところに魔石をチラつかせてみる。


『どうだった?』


「ああ。亀だったぞ。ただ出てきてくれないが」


 とりあえず生簀の近くに【地操作】で虫籠のようなものを作り【硬化】し、亀を入れ、魔石とビーフジャーキーを一切れ入れておく。


「クロ。他にも近くにいるか?」


『まだ捕まえるの?』


 一匹じゃあ寂しいだろうしな。まあ別の個体を捕まえても友達同士ってわけではないだろうが、同族がもう一匹くらいいた方がいいだろう。


「もう一匹だけな」


『わかった。少し待って』


 尾にクシハを絡めた状態でクロが池の縁を移動する。

 水の中に入らなくても捕まえられる位置にいるやつを探してくれてるのか。足が着かないほど深いところは嫌だが、ある程度なら構わないんだがな。まあクロの気遣いを無駄にすることもないか。


『ご主人様っ。いた』


 少し離れたところで見つけたようだ。


「ありがとう。動いてるか?」


『動いてない』


 結構離れてるのに雷球の影響が届いているのだろうか?まあいいか。


「念のため…弱めの雷球っ」


 その後は先程と同じように捕まえ、水で洗い流し、綺麗になったところで土で作ったカゴの中にいれる。


「さっきの個体と色も形も大きさもほぼ一緒だな。こっちの方が気持ち小さい、か?」


 というか…本気でそろそろ共有解除かなー…。

 解除すればやることはたくさんあるんだが…こうやって新しい魔物を捕まえてもテイムできないと俺はどうしようもないし。


「じゃあそろそろ探索しに行くか」


『ん』


「キュ!」


「フェリ?」


 フェリからの反応がない。どうしたのだろうか。


『…待って。クー太…?』


 クー太?クー太が来るのか?耳と鼻に意識を向け音と匂いを探ると…。


「クー太とクレナイ、か?しかも音的にクー太もクレナイも身体を大きくして戦闘状態になってないか?」


『うん…。でも焦ってる感じはしないし、クー太達が敵わない敵の気配もない…』


 とりあえず待つことにする。とは言っても何分も待つことはないだろうが。

 そして一、二分でクー太が見えて来た。


『ご主人さまー!イノシシさんー!』


 …イノシシさん?


「クー太…?クレナイもどうしたんだ?」


『イノシシさんだよー』


『ただいま戻りました。イノシシを倒したので主様にお渡ししようと思って戻ってきました』


 クレナイが補足してくれ、イノシシを見せてきた。


「お、おお。でかくね…?…いや、ありがとう。そこに置いておいてくれ」


 二メートルはあるだろう。クレナイが持ってるせいで大きさの比較が難しいがかなり大きい。

 ……後で血抜きしておくか。いや…風刃でバラバラにして【亜空庫(小)】にいれておけば劣化しないしそうするか。空いた時間にやっておこう。


『はい』


『あとキノコもー』


「ありがとう。これはしまっておくな」


『あとねーこの鞄だとすぐ一杯になっちゃうからどうしようー?』


「あー…やっぱり小さかったか。どうするかなー…」


 やっぱり小さいよな…詰めても二、三十…いや、そんなはいらないか?入れ物があればいいがないしな。土で籠を作ってもいいが重たくなるし、結局そんなたくさん籠は持てないだろうし…焼け石に水だな。まあないよりはマシか。全員纏めて移動させたほうがよかっただろうか?人手…魔物手が多ければその分地操作で作った籠も持てるし…人手か…霊狸はどうだろうか。能力的に土で作った籠を持たせるのは難しいだろうがたくさん召喚して、それぞれが数個程度キノコを抱えてここに持って来てまた戻る、ってやればいける、か?

 よし。


「霊狸をお前達につけるからそれを連れて行って、キノコを運ばせたらどうだ?あんまり能力は高くないが集団で移動させれば大丈夫だろ」


『わかったー』


 わかったと言いつつも首を傾げているクー太。多分霊狸が何かわかってないのだろう。一度話しただけだしな。

 とりあえず前髪…は嫌なので上の方の毛先を切ってスキルを使いながら魔力を多めに込めて毛を放り投げる。


 ポポポポポポポンッ。


 久々に使ったがこんな毛先だけでこんなに使い魔が作れるって便利だよな。


「クー太とクレナイについて行って陽が暮れるまで運搬作業をしてくれ。陽が暮れるまで顕現してられるか?」


『『『『『『『無理です!』』』』』』』


 無理なのね。


「……どこのくらい顕現してられる?」


『『『『『『『お昼くらいまでだと思います!』』』』』』』


「ならそれまで頼んだ」


『『『『『『『はい!』』』』』』』


『よろしくー!』


『よろしくお願いしますね』


『『『『『『『はい!』』』』』』』


「じゃあ行っておいで。お昼くらいに俺もここで待ってるからそいつらが消えたら新しく出すよ」


『はーい。頑張ってキノコ取ってくるよー』


「それでは失礼します」


 クー太とクレナイが挨拶をして移動…せずクー太が色々質問をし始めた。クー太が名前はー?と聞き霊狸達から一斉にないです!言われ、また次の質問を。といった感やりとりを。

 クレナイはそれ見た後こちらに向き直り声をかけてきた。


「そういえば主様。動く草も見つけたのですが取って来た方がよろしいでしょうか?」


 草…か。俺が探索に行けないなら持って来てもらうが、探索には行くしな。それに滅多に出会えない魔物ってわけでもないようだし別に必要はないだろう。


「いや、いいよ。俺も後で探索しに行くから」


「かしこまりました」


「あと別にキノコ狩りに一日使わなくていいからな?狩りしたり休んだり、好きに過ごしていいぞ」


「かしこまりました。ありがとうございます」


 真面目なクレナイは俺のために時間を全て使いそうだから一応言っておく。まあ好きでやっていることなんだろうが俺的には申し訳なくなってくる。


「クレナイ達も行ったし俺らも…いやその前にせっかく霊狸のことを思い出したし霊狸を召喚して魚や亀を守らせておくか」


 さっきよりも多めに髪を切りばら撒くが…。結構魔力を使ってる今日は魔法での戦闘は控えめにしないとな…。


「さて、お前達はここで魚達が逃げない様に、あとは他の魔物が魚達を盗まない様に見ててくれ。

 後はラン達がここに戻って来たら荷物持ちとして半数程ついて行ってくれ」


『『『『『『『はい!』』』』』』』


 クー太達が運搬に困ったということはハクたちもだろうからな。あいつらがここに戻ったら手助けするよう言っておけばいいだろう。後いくつかの伝言を任せて移動を開始する。






○魔物特徴



クー太 妖狸(五尾) 最小体長10〜15cm

         最大体長約400cm

         茶色一部白


ラン 妖狸(五尾) 最小体長10〜15cm

        最大体長約400cm

        茶色一部白


クレナイ 七歩蛇 体長約1500cm

         赤色


ハク ヴラウヴォルフ 体高約200cm

           体長約400cm

           白銀色


アキ 巨大森栗鼠 体長約15cm

         赤茶色一部緑縞


クロ 大黒毒蛇 体長約150cm 

        黒色


フェリ 大森鼬鼠 体長10〜15cm

         濃茶色


ラック 人妖精 体長約10cm

        白色(髪色)


リーフ 鷲獅子 体長約500cm

       体高約300cm

       緑色一部白


ドライ 闇鼠 体調約15cm

       黒色







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