115 オーガの行方
投稿ペースおちます。
すみませんm(_ _)m
集落に一人で行くと俺を見つけたオーガが声を上げ、どんどん集まってくる。
三十、四十くらいだろうか?アキの言う大きい個体は居ない。そして集まって来たやつから拳を振り上げ、また太い木の棒を振り上げ突っ込んでくる。
「んー。どうしようか」
とりあえず突っ込んできた奴らをいなしながら考える。魔圧するつもりで一人で出て来たけど…大きいオーガがいない上に、問答無用で攻撃してくるのなら倒してもいいんだよな。
とりあえず魔圧してみるか。
離れているとはいっても後ろにクシハがいるから軽めに。
魔圧。
バタバタバタ。
ぱっと見三割くらいが倒れ、残りが膝をついた。まあオーガはこんなもんだよなぁ…。さてさて大きい個体は出てくるかね?
………。
………。
うん。出てこないな。
「おい」
一番近くに居たオーガに話しかけるとビクッと反応したが返答はない。
「通じてるか?喋れるだろう?お前たちのリーダーは?」
「………リーダーイナイ」
「何故?」
「リーダーミンナト、チガクナッタ。オイダシタ」
なんか今まで出会ったどのオーガより聞き取りづらいな。リーダーが進化して自分たちと見た目が違くなったから追い出した。ってことでいいのか?
人型だからか、テイムされずともある程度の知能があるせいか人間臭いな。自分たちと違うからと追い出すとか。俺のオーガのイメージ…というか今まで見て来たオーガ達は自分たちと違っていても強者に従うって感じだったのだが…住む場所が変われば生態も変わる、か?
「不愉快だな…」
風刃を連発し殺して行く。
自身と、自分達と違う者を拒絶する。それは人間だけじゃなかったんだな。そんな奴らはテイムする気もないし、一度は攻撃してきたから温情も与えない。
抵抗する暇もなく全員を殺し、クー太達の元へ戻る。
『ご主人さま大丈夫ー?』
『どうしたの?』
「お前たちにも戦わせてやればよかったが…少し不愉快だったからな。多分アキが見かけた個体だろうが、そいつは元この集落のリーダーだったけど進化して他の奴らと見た目が変わったから、なんて理由で追い出したらしい。だからまあそんなことするようなやつらを仲間にするつもりもないし、気分が悪かったからつい?」
「自分達とは違う者を排斥する…それは私達の仲間になっても上手く行かないでしょうから主様の判断は間違い無いかと」
クレナイはそう慰めの言葉をかけてくれるが…やばいな。短気になっていると言うかこんな世界になったから倫理観がぶっ壊れてる気がする。気をつけないと人間相手でも不愉快だからなんて理由で殺してしまいそうだ。気をつけなきゃなぁ…。
「まあいい。とりあえず追い出された個体を探してみよう。さっきのオーガ達を見てやっぱりオーガを仲間にするのはやめようかと思ったが…追い出された個体だけは、話してみてまともなやつなら仲間に引き入れようか。まあただの同情と初のオーガの上位個体だからって理由だけどな」
生きる者がいなくなったオーガの集落を抜け先を進む。その個体がどっちに行ったかくらい聞いておけばよかったな。
「どの方角へ行ったかわからないから散開して探してくれ。俺はここから動かないで待ってるから見つけたらここに戻ってきてくれ。何もなくても三十分くらいしたら魔圧するからそしたら集まるように。てことでクシハは…ハクが連れて行ってくれるか?ここで爆炎なんてしたら辺り一面燃えそうだから魔圧で合図することになるけど、クシハがいたら魔圧はできないから任せた。戦闘に関しては…まあクシハは自衛出来るくらいの強さはあるから任せる」
『わかりました』
「クシハはハクについて行ってな」
そう言ってクシハをハクの背中にのっける。
「キュ!」
「あ。アキ。お前はクレナイと一緒に行け」
『なんでです?』
「また何処かで昼寝でもされたら面倒だ」
『そ、そんなことしないのです!今日はた、たまたまです!』
「それとクレナイにお説教してもらってこい」
『!?』
ガーン!?って効果音が出そうなくらい驚いているアキは…まあいいとして。
「クレナイ頼むな。それとアキと移動するなら人型のままの方がなにかと都合がいいだろう?わざわざ人化を解かなくてもいいぞ?」
「かしこまりました。お任せを」
『ほ、ほどほどにして欲しいのです!反省してるのです!』
アキがぎゃーぎゃー言っているが問答無用にクレナイに首根っこを掴まれ連れていかれる。
そして全員がそれに続き探索に向かった。
俺はオーガの集落に戻り先程倒したオーガから魔石を取る。人型は基本的に放置する方針だが…暇だしな。それに魔石の使い道が進化のためと魔物の食事、後は俺の食事だが。それだけしか使い道がないとは限りらないからな。
それしか使い道がないとテイマー以外にはほとんど不要な物になる。魔物には魔石があるってのはあの自称神様が決めて、そう作ったんだろうし他の使い道もきっとあるだろうしな。てことで人型を捌いて魔石を取り出すことにも慣れておいた方がいいだろう。
魔石を取り出し終わる。オーガは四十六匹いた。結構いたな。前の集落はどれくらいいたっけか?…忘れたからいいか。
三十分が経つまでもう少しあったのでオーガが作ったと思われる木の枝や草、元から生えている木を使って作った小屋と呼んでいいのかもわからない寝床を覗いてみる。
正直臭いがきつい。が、我慢する。
寝床の中は枯れ葉が敷かれているだけで特に何もなかった。本当に雨風を…凌げているかはわからないが、凌ぐために作っただけのようだ。
生き残りもいなかった。戦えない個体やオーガの子供とかが隠れてたりしないかね?って思ったが何も居ない。魔物って子供を作れるのだろうか?不思議だ。
「あ、三十分経ってるし。魔圧!」
とりあえず魔圧をして集落を出たところに戻る。
十五分ほどしたら皆が戻ってきた。
「おかえり。どんな魔物が居たかも教えてくれ」
『ただいまー。いなかったよー。でも変なのがいたのー』
「変なの?」
『動くキノコと動く草ー』
キノコと草?
『ただいま。オーガはいなかったわ。でも私も動く草とキノコは見たわ。あとは森狼ね』
ランもか。
「お待たせいたしました。発見できませんでした。見かけた魔物はクー太殿達と同じで動く草とキノコです」
クレナイも?
「ただいま戻りました。私の方も動くキノコと草がいましたよ。それ以外は居ませんでしたが」
ハクもか…。
『………ぐすん』
……アキ?
そんなにコッテリ絞られたのか…?
「アキおいで」
しゃがんでアキを呼ぶと、俯いたままとぼとぼと俺の前に来て俺の出した手の上に乗った。
「きつくお説教されたか?」
コクッ。
「反省したか?」
コクン。
「なら次は気をつけような」
コクン。
クレナイを見るとちょっとバツの悪そうな顔をしている。ちょっとキツく言い過ぎたのかね?
「ほら。元気出せ。反省したならもう怒らないから」
『ぐすん…。クレナイさん怖かったです…』
説教してもらってこいって言ったのは俺だからな。流石にクレナイを責めるわけにはいかないし、こいつが皆に心配かけさせたのが問題だからなぁ…。
とりあえず胸元に抱き寄せ撫でてやる。
「えーと。じゃあ次はクロから報告頼む」
『ん。オーガはいなかったけど、同族がいた。あとキノコも草も動いてた』
「同族?大黒毒蛇か?」
『そのはず』
んー、少しずつ上位個体が増えてるんだな…。早めに戦力強化しないと山に住んでるドラゴンや鷲獅子達も強くなってく、か…。それに新しい魔物も出てきてる?いや、ただ単に今までそいつらの生息域に俺が行かなかっただけか?ここら辺は山とは違って明確に魔物の縄張りが決まっているわけではなさそうだし…ただ見つけられなかったか、自称神様が新たに生み出したか…。まあいいか…。
「了解。フェリは?」
『…一緒。キノコと草。あと花。キノコと花は美味しかった。草不味い』
食べたのか…。しかも花も動いてたのか…。
「魔物だろうけど毒があるかもしれないんだから気をつけろよ?」
『…気をつける』
「よしよし。ラックはどうだった?」
「オーガは見なかったの。キノコと草はわからないの。大きいオーガって聞いてたから飛びながら探してたから多分、キノコには気が付かなかったんだと思うの。それと他の魔物は鳥が何羽か木の上にいたくらいなの」
ふむ。でも鳥はテイムしたいよなー。親父達との連絡要員にできるかもしれないし。伝書鳩的な感じで。山付近のドラゴンと鷲獅子は気をつけなきゃいけないだろうが、ここらで空を飛ぶ魔物ってあんまり見ないから地上を行くより速いし、安全だろうからな。
まあそれはそのうちだ。
ドライに視線を向ける。
『オーガいなかった。あと動くキノコと草と花は私も見たよ!あと木も動いてた!』
「木も?人面樹か?」
『人面樹…じゃないと思う。黒い木だった!』
『あ、ボクも黒い木はたくさん見たよー。動いてなかったけどー?』
『私の方にも黒い木はあったわ。普通の木の方が圧倒的に多いけど、黒い木も結構あったわ』
「主様私もです」
「私もです」
『すん…。わたしも見たです』
『そういえばあった』
『ん…あったね』
「ワタシの方にもあったの!動いてなかったから普通の木だと思ったの!」
「クレナイは魔石の反応でわからなかったか?」
「……お恥ずかしながらオーガの探索とアキへのお説教でそこまで見ておりませんでした。申し訳ございません」
「いや、責めてないから気にするな。というかお前が注意散漫になる程の説教って…。どんだけ怒ってたんだ」
「いえ、最初はあまり心配をかけたことと、主様の命を放棄して寝ていた事に対して説教をしたのです。そこまではまあアキも反省してるようなのですぐ終わりまして…」
「それで?なんでアキがこんなになってるんだ?」
「その…説教をしてすぐ動く草を見つけたのです。そしてアキが先程までの反省の欠片も見えない様子で動く葉っぱにちょっかいをかけにいきまして…」
「まあそれは怒る必要はあるだろう」
「そこまではいいのです。その後その動く草がウネウネと蔦を伸ばしアキを拘束しまして…お恥ずかしながら安易な行動で周りを心配させるなと説教をしてすぐだったので…私も少し大人気なかったとは思うのですが七歩蛇…蛇の姿になって【捕縛】してお仕置きしましたところ…」
「アキがこうなった、と?」
「はい」
「まあアキが悪いな。というか姿は大人だが…クレナイはアキよりもずっと後に生まれてるから生きてきた年月を考えれば圧倒的にアキの方が歳上だよな」
『うぅ…』
「よしよし。ちゃんと反省したんだよな?」
『はいです…』
「なら俺はなんも言わない。その代わりクレナイがやったことに関してもなんも言わないぞ?説教されてこいって言ったのは俺だからな」
「ありがとうございます」
『ごめんなさいです…』
「ならこの話はおしまいだ。リーフ待たせたな。報告頼む」
『私もオーガは見なかったよー。今回は飛ばないで地上を走ったけど…キノコと草は見てないかな。というかあんまり足元を気にしてなかったからもしかしたらいたかも?
それとオーガはいなかったけど木が抉られたような跡とか倒れた木とかはあったよ。血の匂いもしたし、多分戦闘があったんだと思うんだけど…。それでその跡を見つけたくらいでご主人様の魔力を感じたから戻ってきた!オーガかはわからないけど探した方が良かった?』
「いや、戻ってきてくれてよかった。そのオーガは多分一度だけ進化した個体だと思うが、実際どれくらい強いのかもわからないからな。戻ってくるのが正解だ」
『ならよかったー』
「んじゃとりあえずリーフが見た戦闘跡があるところまで行こうか」
○魔物特徴
クー太 妖狸(五尾) 最小体長10〜15cm
最大体長約400cm
茶色一部白
ラン 妖狸(五尾) 最小体長10〜15cm
最大体長約400cm
茶色一部白
クレナイ 七歩蛇 体長約1500cm
赤色
ハク ヴラウヴォルフ 体高約200cm
体長約400cm
白銀色
アキ 巨大森栗鼠 最小体長約15cm
最大体長約120cm
赤茶色一部緑縞
クロ 大黒毒蛇 体長約150cm
黒色
フェリ 大森鼬鼠 体長10〜15cm
濃茶色
ラック 人妖精 体長約10cm
白色(髪色)
リーフ 鷲獅子 体長約500cm
体高約300cm
緑色一部白
ドライ 闇鼠 体調約15cm
黒色




