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114 アキの発見

 

 アキの向かった方へ行く。


 クー太達がアキの匂いを追うがやっぱり栗鼠であるアキはほとんど木の上を移動しているようで匂いが薄いらしい。それでもなんとか匂いを辿り一時間ほど。道中はゴブリンが出てきただけで他の魔物とは合わなかった。というか巨大化してるクー太とラン。それと人化を解いたクレナイとハク。そして元から身体の大きいリーフと移動しているから普通の魔物は近寄ってこないのだろう。ゴブリンも偶然通り道に木の上いて、俺らに気付いていなかった、という感じだったし。


『ここら辺で匂いが途切れてるー』


『というかここら辺が一番匂いが強いし、上にいるんじゃないかしら?』


「やっぱ寝てるか…?」


『そう思うー』


『あの子ならありえるわよね』


 戦闘の跡はなさそうだし、アキの死体があるわけでもない。アレでも元のサイズは子供くらいあるからな。一口でペロリなんてできるのはクレナイくらいの大きさだろうし、そこら辺は心配していない。

 だとするとやっぱりアキの言う通り上にいるのだと思うんだが…。


「この辺りと言っても木が密集しているしどの木で寝てるかだな」


『お説教ですね…』


『そうですね。本当に寝ていたら後で少しキツく言っておかないといけませんね。心配させるなと。…ご主人様は心配されていなかったようですが…というか一瞬忘れていたみたいですが…』


「お説教なの!」


 クレナイ、ハク、ラックはお説教する気満々なようだ。


「ラック。クロ。上を見て来てくれるか?この木にいなくてもここら辺の五本くらいを見て来てくれ」


 ラックは小さいし飛べるから木の枝を避けながら上に行けるだろう。クロもまあ大きいと言ってもそれくらいは問題ないだろう。

 見つけるだけならラックだけでもいいが、もし本当にアキが寝ているなら起こしたくらいでは起きないだろうし、クロに咥えて連れて来てもらう必要があるしな。


「わかったの!」


『ん。アキ捕獲してくる』


 ラックが飛び、クロがスルスルっと木を登って行く。


『ぎゃーーー!!ってラックちゃんにクロ…さん!?何でそんな怖いお顔してるのです!というかなんで咥えてるのです!?わ、わたし食べられちゃうのです!?』


『美味しくなさそうだから、いらない』


『失礼なのです!わたし不味くないのですよ!って本当に食べないでくださいです!!冗談なのです!』


 一分程すると木の上からアキの声が聞こえて来た。念話みたいなものだから離れていてもしっかり聞こえるな。


「はぁぁ。やっぱ寝てたな。しかも一本目で当たりか」


 アキを咥えたクロとラックが降りてくる。


『いた』


「熟睡してたの!」


『クロさん!クロさん痛いのです!そんな強く噛まなくても自分で歩くのです!』


『お仕置き』


『な、なんのお仕置きです!?あっ!突然放り出さないでほしいです!』


 こいつはまったく…。


「アキうるさい」


『あれ?ご主人こんなところまで来てどうしたです?皆もどうしたです?』


「お前…合図出してもお前が来ないからだろう…」


『えっ。あ、気がつかなかったのです』


「はあ。まあいい。ちゃんと探索してたのか?」


『…あ!探索はしてたのです!』


「何だ今の間は…」


『探索はちゃんとしていたのです。ただ凄く強そうな奴がいて、木の上に逃げてそいつがいなくなるのを待っていたら寝てたのです』


「お前でも敵わない敵、か?」


『んー。わからないです。ただ強そうだったです!』


「んー、あてにならんな…。どんな魔物だ?」


『オーガなのです!ただ普通のオーガより倍くらい大きくて大きなツノが生えてたのです!」


 オーガの上位種?

 そういえばオーガって進化した個体なのだろうか?一段階目でその大きいオーガが二段階目ならそんな強くないだろうし…。まあアキはクレナイやハクみたいに魔力を感じて相手の力量を測るってのは苦手だろうし、見た目で強そうって判断した可能性もあるな。


「んじゃあそいつを探してみるか。アキ。匂いとか追えるか?」


『んー。難しいのです。ただあっちに行ったのです』


「ならそっちに行ってみよう。強いなら戦ってみたいし、弱いなら弱いで倒せばいいからな。魔圧して屈服するなら手なづけてもいいし。じゃあそっちに向かおうか」


 アキのお説教は後回しにし、そのオーガが向かった方へ移動する。


「魔物出ないな…。てかやっぱり全員で一緒に移動すると狩りの効率悪いよな。バラバラで移動してれば襲ってくる魔物もいるが、俺らがまとまって行動すると…な」


 三十分くらい歩くとオーガの集落らしきものが見えた。


「あれ、集落だよな…?」


『たぶんー』


「前に行った集落は上位種はいなかったが、ここは上位種が仕切ってるのかもしれないな」


「突撃しますか?」


 人化したクレナイが訪ねてくる。


「んー。とりあえず集落に入って魔圧してみるか。お前たちはここにいてくれるか?ドライとリーフはまだきついと思うし、クシハは下手したら気絶するだろうから」


「かしこまりました」


 そうと決まれば行ってみるか。テイムできないのが悔やまられるが、オーガは言葉が通じるからな。以前行った集落と同じように屈服してくれるかもしれんし。


 よし。行きますか。



○魔物特徴



クー太 妖狸(五尾) 最小体長10〜15cm

         最大体長約400cm

         茶色一部白


ラン 妖狸(五尾) 最小体長10〜15cm

        最大体長約400cm

        茶色一部白


クレナイ 七歩蛇 体長約1500cm

         赤色


ハク ヴラウヴォルフ 体高約200cm

           体長約400cm

           白銀色


アキ 巨大森栗鼠 体長約15cm

         赤茶色一部緑縞


クロ 大黒毒蛇 体長約150cm 

        黒色


フェリ 大森鼬鼠 体長10〜15cm

         濃茶色


ラック 人妖精 体長約10cm

        白色(髪色)


リーフ 鷲獅子 体長約500cm

       体高約300cm

       緑色一部白


ドライ 闇鼠 体調約15cm

       黒色



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