113 探索結果
「アキがおりませんね」
クレナイの言う通りアキがいない。
『何処かで昼寝でもしてるのかしらね?』
「ありえそうだよなあ…。なんだかんだ言ってここら辺の奴らに負けるほど弱くはないからな。そんなに心配はしてないが…幻狼みたいな二回進化した個体も出るようになったから少し心配だな。
そういえばお前たちはなにが見つけたか?あとどんな魔物を見たか教えてくれ」
『んーとねー。ゴブリンさんとオオカミさん、後はお猿さんー』
『私も一緒だわ。ただゴブリンは普通のゴブリンより倍くらい大きいのが居たわ。それに今までみたいに素手とか木の棒じゃなくて武器持ってたわ』
「強さはどうだった?後、武器は剣とか?」
にしても倍か…。普通のゴブリンは平均すると俺の胸辺りの背丈のやつが多い。腰くらいのやつも俺と頭ひとつ分も変わらない個体もいるが。その倍って言ったら三メートルくらいか?
『普通のやつよりは強かったけど…んー…アインス達くらいの強さかしら?それとご主人様が前に持ってたバットと、小屋にあったような鉄の棒よ』
アインス達と同じくらいって言うと二回進化した個体かね。
んで武器……鈍器はどこかにあったやつを拾ってきたって感じか。
「私の方はオーガと二足歩行の犬が多かったです。後は逃げたり隠れていたので戦ってはいませんがモモンガや赤蛇達、後は確認できてませんが小型の魔物が結構いました。それと川がありました」
クレナイは川見つけたのか。川を目指して移動してもいいかもな。それと犬、ね。コボルト…?
「私の方もオーガと二足歩行の犬がいました。後は
クレナイさんの方と同じで小型の魔物は結構いました。木の上までは確認してませんのでモモンガなど木の上を住処にしている魔物がいたかはわかりませんが、小さな蛇もいましたし、クー太さんやアインス君達と同じ種族もいましたよ。あ…多分"元"同じ種族ですね。弱かったですし尻尾は一本でしたので。後は私も川は見つけました」
ハクも見つけたものはクレナイとほぼ一緒か。
『だいたいクレナイとハクと同じ。川は見てない』
『ん…私はランと同じ感じ』
クロとフェリ…君らは本当口数少ないね?
「ワタシもオーガと二足歩行の犬見つけたの!あとは木の上は結構小型の魔物いたの。鳥も少しだけど見たの」
『私はだいたいクー太君やランちゃんと一緒!あとゴブリンの集落見つけたよ!』
え?
『私はずっと飛んでたから戦ってないけど、樹上は結構魔物いたよー。アキちゃんやフェリちゃんと似たような魔物とか鳥も少しだけどいたよ。後はオーガ?の集落かな?昨日のところと似たようなところがあったよ』
はい?
「キュッキュ!」
クシハも皆に合わせて報告でもしているのだろうか…?
「えーっと。だいたいこっち側にはゴブリン、森狼、大猿。反対側にはオーガ、二足歩行の犬、いろんな小型の魔物と川ね」
二足歩行の犬は…とりあえずコボルトって呼んでおくか。
まあコボルトらしき魔物以外は目新しくないな。いや…鳥の魔物か。鳥系の魔物は全然見ないからな。以前戦った巨大鳥の縄張りに全ての鳥系魔物が集まっているのかと思うくらい見かけなかった。まあ街にはカラスがいたから…ある程度巨大鳥の縄張りから離れると居るってことか。数は少ないようだが。
まあ今はテイムができないし、モモンガのクシハみたいに野生の状態で懐いてくれる可能性は高くないだろうし…まあ試しにやってみてもいいかな?くらいだな。
それと…ドライの見つけたゴブリンの集落とリーフの見つけたオーガの集落か…。
ゴブリンをテイムするか…?いやいや。何度考えても答えは一つ。テイムしない。オーガはまだ見た目に格好良さがあるからいいが、ゴブリンとオークはな…惹かれるとこがない。後ゾンビと大猿もか。
んー。どうするかね?ゴブリンって経験値低いし、人型だから少しやりづらいし。集落を殲滅するより狼とか猿狩ってた方が効率いいよな?
あ、でも街のゴブリンと森のゴブリンは経験値違うのかね?まあそんなには変わらないか。
オーガの集落は…テイムできるようになってから襲いに行くか。オーガの集落が点々とあるならその付近の魔物もテイムしてその集落に集めてから何処か一箇所に集める?それとも点々とさせたまま別荘…というか休憩ポイントとして利用する?
どちらもアリだな。まあそれは追々でいいか。とりあえず今はゴブリン、オーガ共に放置で。
「あれ?そうするとやることがない…?」
『どーしたのー?』
『ご主人様って一人で考え込んで結論出すわよね。相談してくれてもいいのに…』
「ゴブリンの集落に行かれますか?」
「キュー?」
「いや…わざわざ集落まで行ってもすぐ終わるだろうし、経験値もそんな多くないだろうしな。ならここら辺か、ここを拠点として少し離れたところまで行ってまた探索するか。あとは魔圧で鳥系魔物とか小型魔物を落としてクシハが懐いてくれたように、そいつらが懐いてついてきてくれるか試してみるか、だな」
「ご主人様?」
「なんだ?」
「フェリちゃんの共感、ではなく共鳴でしたか?そのスキルを使ってもらうのはどうです?」
………あー。そんなスキルあったな…。
「忘れてた。フェリ…やってみてくれるか?」
『ん…。でも、使い方よくわからない…』
「そうなのか?一度は使ったことあるだろ?」
『ん…。でも菓子パンとご主人様のこと考えて歩いてただけ。それで…いつの間にか…?野生?の子達が、自分達も菓子パンとご主人様のためにーって…ついてきてただけ』
………フェリらしいな。
確か共鳴スキルは洗脳っぽいって思った記憶があるんだよな。
詳細は強い想いを共感させる、Lv差があったり意思が弱いとそれが正しいことのように思わせるスキル…だったよな?
強く想うことが必要なだけなのだろうか?それとも一匹でいる必要がある?あとはLv差と意思が弱い以外にも魔物の性格とかもあるのだろうか?菓子パンのことを強く想っていると攻撃的な魔物は共鳴、共感しない、とかな。ありそうだ。
「じゃあ何処かで魔圧使って魔物を落とすから、フェリはそいつらの近くでいつもよりも菓子パンとか俺のことを考えるようにしてみてくれるか?」
『ん。任せて…』
「じゃあ池の反対側に行くか。そこで鳥系と小型系見つけたら今の方法を試してみよう」
『ご主人さまー』
「どうした?」
『アキはー?』
「…………すまん。素で忘れてた…」
『ご主人様…流石にそれは可哀想よ…』
「いや、あいつなら大丈夫そうだってのもあるからな?うむ。信頼ってやつだ」
「ものはいいようなの!」
「んじゃアキを探しに行くか。ステータスの使役魔獣の欄を見る限り死んでないのは確実だしな。アキは…右の方に向かったよな?匂いで追えるか?」
『追えるよー』
『私も匂いわかるわよ』
「私も狼に戻ればわかると思います」
「なら頼んだ。一応魔物に襲われてることも考えて全員戦闘形態で移動しよう」
なんでかアキは大丈夫だと思っちゃうんだよな…。というか主力メンバーが危なくなるような敵ってあの巨大鳥とかだろ?なら誰かしら巨大な魔力に反応するだろうし、ただ昼寝してるだけだと思うんだよなあ。
まあ忘れてた俺が言えることではないが、万が一の可能性もあるし、急ぐか…。
「フェリとラック、ドライはリーフかハクに乗ってくれ。クレナイは身体がでかいからな。木が密集してるとこであんま速度出せないようなら人化したままリーフに乗っても構わないぞ」
『ん…。もう乗ってる…』
『わかったの』
『わかった!』
「いえ、大丈夫です。もし遅れてたら置いていっていただいても大丈夫です」
「わかった。それとクシハは俺の腕の中だが…揺れるから気をつけてな」
「キュ!」
「よし。行くぞ」
○魔物特徴
クー太 妖狸(五尾) 最小体長10〜15cm
最大体長約400cm
茶色一部白
ラン 妖狸(五尾) 最小体長10〜15cm
最大体長約400cm
茶色一部白
クレナイ 七歩蛇 体長約1500cm
赤色
ハク ヴラウヴォルフ 体高約200cm
体長約400cm
白銀色
アキ 巨大森栗鼠 体長約15cm
赤茶色一部緑縞
クロ 大黒毒蛇 体長約150cm
黒色
フェリ 大森鼬鼠 体長10〜15cm
濃茶色
ラック 人妖精 体長約10cm
白色(髪色)
リーフ 鷲獅子 体長約500cm
体高約300cm
緑色一部白
ドライ 闇鼠 体調約15cm
黒色




