107 可愛いは正義?
もう一話かけたので投稿!今日ラストです。
次話投稿は明日夜予定です。書く余裕があれば…ですが。
ユニーク50万超えてました。
いつも読んでくれてありがとうございます!
二匹が起きた。これは…威嚇されているのだろうか…?左手にモモンガ、右手にコウモリを掴んだままだが…俺の手から逃げずに鳴いている。そんな強く掴んでいないんだが…。
でも可愛いから許す。可愛いは正義だな。
「なあ。クー太達はテイムされる前から俺の言っていること理解できたか?」
『んー?なんとなくは…?』
『敵意がなかったのは覚えてるけどなんて言われたかは良く覚えてないわ。というかこんなにはっきりと思考できてなかったと思うし』
『わたしはなにが起こったのか理解する前にテイムされたのです!』
「ワタシはわかったの!」
ラックはまた別として…やっぱり野生だと言葉を理解させるのは難しいか。
モモンガとコウモリをソッと地面に下ろしてやる。逃げられたらそれはそれで仕方ないと思って離したが…。
コウモリとモモンガは俺を見て、クー太達を見て、また俺を見て…。
逃げないな…。
なら…。
「ほら。なにもしないから。これでも食べて落ち着け」
ポケットから魔石を二つ取り出し口元に持っていってやる。
くんくん。ちらっ。くんくん。ちらっ。
いや。食えよ。突っ込みたいのを我慢してそのまま手を動かさずに待つ。
くんくん…。ぺろっ。ぺろぺろぺろ。
いや、お前ら…飴じゃないんだから食べろよ…。可愛いけど…。
驚かして逃げられたら逃げられたで哀しいのでそのままの態勢で我慢する。
そのまま観察をする。モモンガは白ベースに黒の斑がある。コウモリは…身体や顔は真っ黒で首元だけ白…黄ばんだ感じで、マフラーをしているように見える。そして良く言われる豚鼻ではなくどちらかと言えばネズミ顔だな。ネズミに羽が生えている感じだ。意外と可愛らしい。二匹とも掌サイズだ。
『ただいまー』
『ご主人様ー!』
ビクンッ!
リーフとドライが戻って来た。それはいいが…それに驚いて二匹が舐めるのをやめてしまった。
「大丈夫。食べていいぞ。リーフとドライは少し待っててくれ」
指に掴む形で舐めさせていたが、それを今度は掌の上に持ってくる。
俺のことをじーっと見ているので頷いてやると二匹は近づき…パクッと魔石を口に咥えポリポリと食べ始めた。
もう一つ魔石を出し地面に置いておいてやる。
「おかえり。ハク、クレナイ。お前たちも出て来ていいぞ」
ハク達がいるのは木の影から見えたのでわかっていた。
「ただいま戻りました」
「戻りました」
『……ただいま』
フェリも一緒にいたのか。
「おかえり。こいつらがいたから気を使って出てこなかったのか?」
「はい。驚かしては悪いかと思いまして」
「リーフちゃん達が出て行っちゃったけど少し焦りましたが大丈夫そうでよかったです」
『私は…クレナイさんに止められたから二人と隠れてみてた…』
「そうか。ありがとうな。あと戻ってきてないのはクロだけか」
『私もいる』
!?
び、びっくりしたわ!
俺が驚いたことに気づいたのかモモンガとコウモリが食べるのをやめこちらを見ていた。
「大丈夫。食べてていいぞ」
言葉が伝わってるのか、俺の雰囲気やニュアンスで判別しているのかはわからないがまた食べ出した。
そして俺は振り返り、後ろの地面…影なのだろうが側から見たら地面から半身を出している蛇にしか見えない。
「おかえりクロ。びっくりするから後ろから声かけるのやめてくれ」
『ん。気をつける』
「いつ戻ってきたんだ?」
『その子達が魔石の匂いを嗅いでるときに』
「そうか…気を使ってくれたんだな。ありがとう」
撫でてやる。あんまり撫ですぎると他の子も自分も自分も。ってくるから少しだけにしておく。
「それで主様。その子達とそこで意識を失っている子達はどうするので?」
「テイムできないからな。放っておくつもりだ。ただ単にお前たちへの合図のために魔圧をしたら落ちてきて、暇だし可愛かったから触ったり魔石あげたりして遊んでただけだからな」
『ご主人様…遊んでるって言っちゃってるし』
「いや、今更誤魔化しても仕方ないかと」
『なら初めから素直に遊んでたって言えばいいと思うわ』
…ラン。そういうのは突っ込まなくていいんだぞ。
その後魔石を食べ終わった二匹は周りをキョロキョロと興味深そうにみる。少し怯えていたようだが。
他のコウモリ達はというと…。
「「「キィキィキィ!」」」
目が覚めるとすぐに飛び立ち木の上で鳴いている。
多分俺の前にいる子を呼んでいるかただ威嚇をしているかどちらかだろうが。
そして魔石をあげたコウモリもモモンガも逃げようとしないんだが、こいつらどうするのかね?
「そうだ。お前たち。どこか休める場所見つけたか?」
『どこも同じ景色ー』
『私の方もよ。黒っぽいゴブリンとオーク?豚っぽいやつね。それと知らない魔物を一種類みたけど』
「私も見つけられませんでした。申し訳ございません」
「私のほうも特に。魔物とは会いませんでしたが知らない匂いはありましたね。ランさんの言う知らない魔物かはわかりませんが。それにオークも私は知りませんし」
『わたしの向かった方にずっと行くと池があるらしいです!』
「らしい?アキ。なんで″らしい″なんだ?」
『栗鼠に聞いたです!』
「お前…そんなクリスマスカラーのくせに同族に仲間だと思ってもらえたのか…」
『し、失礼しちゃうです!皆綺麗って言ってくれたです!』
えー。うそくせぇ…。
「まあお手柄だ。今からそっちに向かうかはわからないが…ありがとうな」
『はいです!』
「クロ達はどうだ?」
『特になかった。ただ大きな蜘蛛とゾンビがいた』
『…何も見つからなかった。けど私も蜘蛛とゾンビはみた』
「人魂がいたの!青白く光ってるやつなの!」
『私は蛇しか見なかったよ…』
『私は青白く光ってふよふよしてるやつを見たけど…開けた場所とかは見なかったの』
「ドライ、リーフ。別に見つけられなくても落ち込むことはないからな。それと黒いゴブリンと人魂について教えてくれ」
黒いゴブリンはゾンビかね?人魂か。ゾンビとスケルトンらしきものもいるし人魂がいてもおかしくはないが…。
『戦ってないし教えられることないてほとんどないわよ?ただ三匹いて、全部黒かったってだけよ?』
「人魂は人魂なの!ふよふよーってしてて近づいたら暖かかったの!」
『私は何かわからなかったから触ってないよ』
んー。まあいいか。
なんか俺が出会ってないだけで結構な種類の魔物がいるんだな。オーガ、モモンガ、コウモリ、ゴブリン、オーク、蜘蛛、ゾンビ、人魂、知らない匂いのやつ、か。
「とにかく池は遠そうだし、仕方ないから今日は池の方面まである程度向かって、どこか途中で草木を刈り取って焚火して休もう。あと…モモンガとコウモリはどうするかな」
コウモリに視線を向けると仲間の方を見たり俺も見たり忙しない。
「行ってもいいぞ?」
「キィ…」
そう言うと伝わったのかバサバサと飛んでいく。まあテイムできないから仕方ないな…。
「お前はどうする?」
「シューシュー。キューッ」
「ごめん。何言ってるかわからん」
『付いて行きたいってー』
「え?クー太こいつの言ってることわかるのか?」
『んーなんとなくー?』
「そ、そうか。じゃあついてくるか?」
「キュッキュッ!」
手を伸ばすと大人しく抱えられにきた。
クー太の言ってること本当っぽいな。
「じゃあ行くぞー」




