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98 重力

 


 …おっと。

 帰る前にステータス見ておかないとな。それに皆のことを起こさないと。


「気絶してる奴を起こしておいてくれ」


 クー太達に頼み、俺はステータスを確認だ。

 リーフのステータス表示。


 ————————————————————


 個体名【リーフ】

 種族【鷲獅子(亜種)】

 性別【メス】

 状態【 】

 Lv【5】

 ・基礎スキル:【暴風lv3】【加速lv2】

       【気配察知lv1】【引力軽減lv2】

       【引力結界lv2】【風繭lv1】


 ・種族スキル: 【高速飛行】【自然同化】


 ・特殊スキル:—


 ・称号:【変異体】


 ————————————————————



 やっぱり亜種、か。レベルはあまり高くないがスキルは多いな。それに暴風と引力軽減、引力結界か。初めて見るスキルだが強そうだ。

 にしてもこれで生まれて間もない、か。いやまあ山にいる魔化した魔物以外は大抵産まれて間もないのだろうが。

 んでスキルの確認だな。



 ————————————————————


【暴風】

 ・風属性の魔法。指定した範囲内に暴風を発生させる。威力、範囲は使用魔力とスキルLvに依存。


【引力軽減】

 ・重力属性の魔法。指定した対象の引力を変化できる。

 威力は使用魔力とスキルLvに依存。自身より魔力が多いものには効果が無い。


【引力結界】

 ・重力属性の魔法。指定した範囲内の物体、生物の引力を変化させることができる。

 威力は使用魔力とスキルLvに依存。自身より魔力が多いものには効果が無い。


【高速飛行】

 ・翼や魔法で飛行する際、飛行速度や飛行技術が上昇する。


【自然同化】

 ・植物と同化が出来る。同化している間は能力が大幅に下がるが、体力・魔力・異常状態・外傷が急速に回復する。


 ————————————————————



 引力操る魔法とかチートだろう。こんなスキルを使える種族がたくさんいる山って…この山を支配するとか無理じゃね?住処変えた方が早い気がするが…まあそれをするには仲間が増えすぎたな。

 …重力属性か。引力結界があるなら斥力結界とかもあるのだろうか。それとも引力を操作すれば反発させる事もできるのだろうか?

 俺もそのうち練習してみよう。

 あとな飛行だな。空飛べるなら乗せてもらいたい。この大きさならハクとクレナイも人化すれば全員で乗れそうだし。

 それと…自然同化か。俺が回帰使わなくても草花に同化すればすぐ回復したのか?というか怪我した時点で使えばいいと思うんだが…。


「リーフ。怪我したとき【自然同化】のスキルを使えばよかったんじゃないか?なんで使わなかったんだ?」


『自然同化?なに?それ?』


 知らない、のか?魔物ってステータス確認とか出来ないけど、自分の持っているスキルは野生の勘かなにかで大抵自分がどんなことができるのか理解しているもんだと思うんだが…生まれたばかりだからか…?

 【自然同化】について詳細で確認したことをそのまま教えてやる。


『知らなかった…。やってみるね!』


「あ、おいっ」


リーフは早速、とばかりにスキルを発動したようでどんどん身体が透けていき消えた。クレナイの透明になるときに似ているな。


「リーフ?どこだ?」


『ご主人様!下だよ!』


 声が聞こえたので足元見ると生茂っている草の中から花が顔を出し手を振っていた。いや…手は無いからな。左右についた葉っぱを全身を使って振っている。これが一面草が生茂る森の中でなければ風で変な揺れ方してると思うだろうが…声聞こえるし明らかに変な動きだしリーフだろう。

指で突いてみる。


「これか?」


『そう!』


「引っこ抜いても大丈夫そうか?」


『た、多分…?』


 ぷちっ。


『キャー!!?なんか変な感覚がしたよ!ご主人様!なんかゾワゾワって!』


 ふむ。引っこ抜いても痛みがあるわけでも死ぬわけでも無さそうだな。これを使えばこいつも外に連れて行けるかもな。


「なんとも無いか?」


『ゾワゾワした!』


「それで?」


『えっ…?そ、それだけ…』


「なら良かった。戻っていいぞ」


『ご主人様…やっぱり怖い….?』


「すまんすまん。まあ大丈夫そうでよかったよ。これならその大きさだと連れて行けないとこも連れて行けるな」


『連れて行ってくれるの?なら許してあげる!』


 ちょろいな…。

 さてと。一旦リーフのことは置いておいて、俺もあいつら起こす手伝いをするか。もう一度魔圧したら起きないかね?今度は弱めで、起きろ。って念じながら。


『『『『『『『!?!?』』』』』』』


 て事でやってみました。

 皆目が覚めたようでよかったよかった。


『『ご主人様!』』


「どうした?ランもラックも」


『驚くじゃない!一言言ってよ!』


『そうなの!心臓に悪いの!』


「いや…さっきと比べたらかなり弱めにしたつもりだったんだが強かったか?」


『弱くても強くてもご主人様からそんな魔力を感じたら驚くの!』


 なんかラン達や起きたやつらも一緒になって頷いている。


「わかったよ。気をつける」


『ボクはもう慣れたよー?』


 クー太そんな気を遣わなくても…きょとんとして本気で慣れたようだ。とりあえず撫でてやろう。


『あ!クー太だけずるいわ!なんで撫でてもらってるのよ!』


『わたしも構ってほしいのです!』


『私とも…あそぼう…?』


『ワタシもなの!』


『わ、私も…!』


 ビャクヤ…こいつらの真似しなくても…。


『私も!』


 リーフお前もか。皆と仲良くできそうで何よりだ。


「はいはい。おいで」


 その後皆を撫でて俺も満足だ。正直この暖かいもふもふに囲まれたまま寝てしまいたい。けどフィーアやフンフ達が手持ち無沙汰にしているのでそろそろ帰らんとな。


「待たせてすまんな。動けないほど怪我をしている奴はいるか?」


『主様それに関しては大丈夫そうです』


「そうなのか?リーフの周りに結構倒れている奴らがいたが」


『あ、あれは魔法で押さえつけてただけだから怪我なんてさせてないよ!』


「ん?別に責めてないぞ?戦ってたんだから怪我させてても責める気はない。誰か死んでたらお前のこと殺してたかもしれんが」


『!?』


『ご主人様リーフが怖がってるわよ?』


「そうならなかったんだからいいじゃないか。にしても使っていたのは引力結界か?怪我させず押さえつけられるって便利だな。テイムがしやすくなりそうだ。

 まあ問題ないならいい。全員小屋に戻ってゆっくり休め。フィーア。これに魔石が入ってるから戻ったら皆で食べてくれ」


 そう言ってフィーアの枝に引っ掛ける。


『ハイ!』


 こいつって「ハイ」しか言わないよな。


「なあフィーア。お前はあんま会話しないがなんでだ?」


 ガサガサ。

 悩んでる、のか?枝を揺らして返事をしないので少し待ってみると。


『アマリハナスのトクイじゃないデス』


 物凄くカタコトだった。


「んーそうか。気にすることはないが少しずつ練習してみるといい」


『ハイ!』


「さて、気をつけて戻れよー。俺は少しやることがあるから後から行くから」


『ご主人さまー。ボク達はー?』


「お前達も少し残ってくれ」


 フィーア達が小屋の方へ戻っていき、この場にクー太、ラン、クレナイ、ハク、アキ、フェリ、ラック、クロ、ビャクヤ、リーフの十匹が残る。


「ハクとクレナイは服とか持ってきてないか?」


『そういえば…急いで飛び出したので服を脱がずに人化を解いてしまいました。申し訳ございません』


『私もです。後でお母様に謝らないといけませんね』


「服は持ってきてないか。んー、人化したら服着た状態に戻ったりしないかね?」


『やってみますか?』


「そうだな。とりあえずクレナイが試してもらえるか?」


『はい』


 人化する時の光が収まるとちゃんと服を着たクレナイが現れた。


『どうでしょうか』


「お!服着た状態になってるじゃないか!本当、そうだったらいいな、くらいの気持ちで人化してもらったが服を着た状態になったな。服を着た状態で人化を解いても破れたりしないんだな?さすが魔法。不思議だな」


『なら私も…』


 ハクも人化すると服を着た状態になっていた。


『せっかく頂いた服が駄目にならず良かったです』


「よし。なら問題解決だ。リーフ背中に皆を乗せてもらえるか?空飛んでみたい」


『いいよ!』



「クー太、ラン、フェリは俺が抱えてのるか。肩や頭に乗って振り落とされたら困るからな。アキは胸ポケットな。ラックは…お前は飛べるからな。好きにしていいぞ。

 クロとビャクヤは悪いが影の中だな。振り落とされないように捕まるのは大変だろうし。人化した状態ならハクとクレナイは普通に乗れるだろう?」


 乗りやすいように伏せてくれたリーフに全員で乗る。

 俺とハクが頭と翼の間の首辺りだ。三人は厳しかったのでクレナイは翼の動きの邪魔にならない少し後ろに。

 これ三人乗りはきつかったか?まあハクとクレナイなら落ちることはないだろう。というか落ちても大丈夫そうだし。


「できるだけゆっくり頼むな」


『うん!』


 そう言うとリーフは軽く駆け出し飛び上がった。


本日最後の投稿です。

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