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絶体絶命お客様コールセンター

作者: Ken Ohnaka

トゥルルルル トゥルルルル トゥルルルル


「はい!絶対絶命お客様コールセンターお電話担当係の吉川恋太郎です!」


「あ〜…!どうか助けてください?めっちゃヤバイんです!」


「落ち着いてくださいますか?まずは、お名前と年齢お聞かせください!」


「はははぃ…!柏木修一33歳です!」


「次に4桁の絶対絶命登録ナンバーお願いします!」


「1969です…」


「はい!登録確認いたしました。お客様どうされましたのですか?」


「はははい…!つい1時間前からコスプレした亀仙人に尾行されているのです…」


「ええ…?」


「実は昨日…道でひっくり返った亀を助けようと思ったのですが、急ぎの仕事があったので見て見ぬ振りしました…」


「ええ…?」


「その時…亀が喋ったんです!」


「ほぉ〜!どのように?」


「なんじゃお前!わしを助けへんのんか!未来永劫祟ってやるからな!と…」


「あっは〜ん!それはそれは、かなりの絶対絶命ですね!亀の祟りは、とんでもない事になりますよ!で?今の状況は…?」


「はははぃ…少し離れた電柱の影から、異様に首を伸ばしてこちらを見ています…!」


「それはかなりの危険な状況になっています!」


「どうすればいいのですか…?」


「柏木様!相手の亀仙人は高齢ですね?」


「ええ…太って頭は禿げており顎髭が長く、冬なのにショートパンツにハワイアンです。歳は恐らく70歳位です…」


「了解です!ではこうしましょう!」


「はい…どのようにすればいいのですか?」


「はい!まず柏木様はドン・●ホーテに行って亀仙人のコスプレ衣装を購入していただきます!」


「えぇ〜!僕も亀仙人になるのですか…?」


「そうです!しかも女版の亀仙人になっていただきます!」


「えぇ〜…?女版亀仙人衣装って…?」


「はい!甲羅の亀甲柄がショッキングピンクのハートマークになっております!」


「そんな…?街歩いてたら捕まってしまいますよ!」


「柏木様!今日はハロウィンですよ。しかも、あなたがいる場所は亀有駅付近ですよね?」


「おぉ〜!そう言うことですか!その後、どうすればいいのでしょう?」


「はい!ドン・●ホーテのトイレでコスプレ衣装に着替えてください!よろしいですか?」


「分かりました…」


「では!後ほど…お電話お待ちしております!」


柏木は吉川から指示されたドン・●ホーテに行き女版亀仙人の衣装を購入すると、トイレに行って着替えた…。


「ほんま…?こんな衣装着て絶対絶命から逃れるんやろか…?俺は!」


渋々着替えた柏木がトイレの横にある椅子から吉川に電話をする。それを離れた柱に隠れて、首だけ異様に伸ばしているコスプレ亀仙人がいた…。


トゥルルルル トゥルルルル トゥルルルル


「はい!絶対絶命お客様コールセンターお電話担当係の吉川恋太郎です!」


「先程、お電話した柏木です…」


「これはこれは!柏木様!お待ちしておりました。ところで、女版亀仙人コスプレは完了でございますか?」


「えぇ…なんとか。でももの凄く気持ちいいです…どういう訳か!」


「さよでございますか?」


「で…?これから私は、どうすればいいのでしょうか…?」


「はい!尾行されている亀仙人に色目をしてください!」


「うそぉ〜ん…?本気で仰っているのですか…?」


「はい!本気です。柏木様!そうすれば柏木様は、絶対絶命から絶倫絶頂になりますよ!私!吉川が保証いたします!」


「そこまで言うのなら…。やってみます!」


こうして柏木は女版亀仙人コスプレで、尾行しているデブでハゲの亀仙人に色目使いするのであった…!


すると…?


デブでハゲの亀仙人が喜色満面の顔をしてコスプレしている柏木に近づいてきたのである。


「よろしかったら…?今から亀有ハロウィンフェスティバルの亀仙人コスプレ会場!ご一緒いただけませんか?ハァ〜!ハァ〜!ハァ〜!」


「えぇ…僕でよろしかったら!」


こうして二人は亀仙人コスプレ会場に手を繋いで向かった…。


すると会場には大勢の人が集まっており、全員が亀仙人のコスプレ姿を披露していたのであった!


コスプレ会場の中でも柏木のする女版亀仙人は羨望の的になり、亀クィーンと称賛される!


「やはり私が思っていた通りだ…!」


デブハゲ亀仙人が耳元で囁く。


その囁きを聞いた柏木は、

絶叫絶倫になってこう叫んだ!


「I'm KAME queen!」


その映像をモニターで観ていた吉川…!

その姿も亀仙人だったのである。


しかし…?

会場のエンディングで大問題が勃発する!


あまりの盛り上がりで騒音が激しくなり、近所の住民が警察に通報したのだ!数名の警察が会場に到着すると…?


「こらぁ〜!静かにしろ〜!」


すると亀仙人コスプレの全員が甲羅に手足を隠してひっくり返えったのである…!


「すべて俺のシナリオ通りなったな!」


モニターを監視していた吉川が意味深な笑みを浮かべる。そこに上司がやって来た!


「うらあ〜!またお前は亀仙人コスプレして、勝手にお客様を亀クィーンにしよったな!首や〜!首や〜!首!」


あせった吉川は受話器を取りコールした…!


トゥルルルル トゥルルルル トゥルルルル


「こちらは絶対絶命お客様コールセンターでございます。ただいま電話が大変混み合っております。そのままお待ちになるか、しばらくたっておかけ直しください!」


絶対絶命…?

それは突然あなたにもやって来る…!


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