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秩序

各武将の戦功を確認して感謝状や反物を勘助が亡くなっても信玄は続けている。

典厩や勘助が亡くなった重大さはこの戦いで善光寺の支配権を掴んだとしても大きすぎさすがの穴山や小山田も沈黙しており、

「皆の者良くやった、典厩や勘助の死を無駄にせぬぞ」

そう言う信玄が一番落胆しており海津城を任せると躑躅ヶ崎へと帰還をする。

「一人にしてくれ」

典厩の遺骸を安置した部屋で信玄が言うのを頷き閉めきると廊下に座り誰も近づけないようにする。

しばらくすると圧し殺した声で泣いているのがわかり典厩は特別といって言い兄弟であり副将であり、生きていれば武田も崩壊しなかったのかと思いながらどんより曇った空を見上げため息をついた。


典厩と勘助の葬儀が行われたが大広間に信玄の姿はなく重臣や家臣達は不安な顔で話をしており小山田が私に、

「御館様はどうされるのかこれから」

そう聞くのを感情を圧し殺し、

「両腕をもがれたのだ、どうしたいのだ小山田は」

逆に聞くと穴山や譜代の武将達と顔を会わせたあと、

「このままいけば武田は崩壊しますぞ、立ち直ってもらわなければ」

それを聞いて私は目だけを小山田や穴山そして譜代の武将に順番に向け、

「それでは聞くが、その方達は武田をどうするつもりだ」

聞き返すと小山田は、

「どうするとは御館様が決められ私達は従うと言うことです」

「従うとは命令を受けたときは異論なくもし従わなければ反意ありと見られても良いと言うことかな」

小山田は穴山や譜代の武将と押し黙ってしまうので、

「庭にいるからどうしたいか決めたら話をしてくれ」

それだけ言うと大広間から出て廊下を歩いて庭に出て遠くに見える富士山を見つめた。


「信龍殿お呼びでございます」

近習が呼んだので大広間に戻り今は亡き筆頭である典厩が座っていた場所にあえて座る。

「結論は」

そう言うと小山田と穴山そして譜代の武将はこちらを見て、

「御館様の命に従います。今後は異論を申さず武田のために戦います」

「わかりました。無論今まで通り功に報奨を、違反には罰をあてさせてもらいます」

私は立ち上がると信玄の元へむかう、これで信玄を中心とした家臣が一つに繋がったと思うのをほっとしながらも、

「生きている間だけか」

そう呟きながらふすまの前に座ると、

「家臣一同今にも増して御館様に仕え武田を支えるともうしております」

しばらくするとふすまが開き疲れた顔だが目だけは鋭い信玄が頷くと大広間へと向かう、家臣達は安堵の顔を浮かべながらもすぐに顔を引き締め頭を下げる。


「今回多くの者が亡くなったが北信濃は押さえることができた」

静かに話始め皆は黙ってきている。

「これからも上杉とは戦うことになるが目指すのは西上であり先ずは駿河をと考えている」

事実上の甲相駿三国同盟の終わりを宣言したと信玄は宣言をして皆は驚くが言葉には出さない、

「今川の家臣団の切り崩しと北条との戦いになるだろう」

当主である今川氏真の正室は氏康の娘であり武田が攻めれば今川に援軍を送るのが当たり前であり武田は上杉と北条を相手に戦わなければならず家臣の一層の団結をと伝える。

「信廉よ典厩が亡きあと息子の後見人として一族筆頭として頼むぞ」

気弱な三男である信廉はそう問われて後がないと思ったのか素直に頷き、

「信龍、その方は今川に対しての工作をすすめろ。信君(穴山)は信龍の支援を頼むぞ」

私は無言で頭を下げた、

今回の損害はあまりにも大きいため積極的には動かず回復させていくと言い筆頭となった信廉が、

「御館様の思う通りに我々も御旗と共に」

そう言うと家臣全員が復唱して頭を下げた。


上杉に寝返った家臣の領地の加増を受けて内政を行う、相変わらず私の領地が実りがよいのをただ妬むのは変わらない譜代の老人達だが嫌がらせは徐々にであるが収まっていった。

小太郎には今川の武将の様子を調べさせ、同時に川中島の戦いの死傷者を聞き取りで行うと驚くべき数字がわかり報告をした。

「死傷者が四千人、多いとはわかっていたがこれほどとは」

皆それぞれの所でも農民兵が死傷したので食糧の減産を重税で賄おうとしているようで今更ながらにため息しか出ず、自分のところも専門の兵の被害もだが農民も動員したので被害が出ており悩まされた。

「頭いたいな、北条と上杉の戦いで漁夫の利を得るか」

上杉は関東での北条の頭を押さえていて氏康が松山城を奪回するのを聞いて兵を出したと聞いていたので兄上である信玄からも援軍を送ることを伝えられており勝敗云々よりも人的資源をと最近そればかり考えている自分にへっこんでいると箕輪城主長野業正が亡くなったと知らせが来たので報告に向かった。


「これで上野への道筋が開いたぞ、丁度良い信龍は与力を率いて北条の援軍に向かえ」

信玄は目の上のたんこぶであった業正が亡くなったと聞き喜んだが景虎がまだ関東に居座っているのでそれを押し込めないとと思いながら三千の兵を率いて向かうことになった。


甲州街道を抜け八王子から北に向かい途中で氏康の軍勢に合流する。

「信龍殿ようこられた、景虎との戦い聞いている大変であったろう」

氏康の気の使いように感謝しながら松山城に到着すると早速城を包囲する。

「景虎は直ぐに来るかな」

自ら来ればまた上野などの豪族が活性化して兵力が増えてしまうと武蔵まで押し返されてしまうので北条としては気が気でないので警戒に当たっている。

「先ずは我らだけで力攻めをしましょう」

こないだの川中島での損害を聞いてか私達は予備にまわされており攻城をながめながらゆっくりとしていると早馬が到着した。


「上杉勢一万二千が沼田を抜けこちらに向かっていると言うことです」

兵数は半分だが動きは早く慌てながら一部包囲を解いて待ち構える。

我々は右側に陣形を構えると上杉勢は突撃してきて激突して激しく戦い始め本陣を見て、

「景虎は未だみたいだな」

毘沙門天の旗が見えずに氏康も北条勢も安堵しているだろうと思っていたが、

「北条勢退却を始めております」

私達の前にいる松田勢が倍近いのに押されて早々に崩れて退却を始めた。

それに釣られて中央の綱成勢が支えきれずに徐々にであるが下がり始め松田が本格的に崩れて退却を始める。

逃げていく北条勢の中で武田の先鋒である昌景(飯富)が踏みとどまり迎えうつ、本庄勢が襲いかかるが受け流しながら昌景は押し返し始めたので私も続く、

「綱成、この程度で崩れるか北条は」

大声で言うとこちらを見て少しだけ笑ったかと思うと自らが突撃をはじめ押し返す。

こうなると数では倍以上なので上杉勢は引きはじめ、追い討ちをと思ったが北条勢の損害が意外なほど多かったらしく氏康は追撃をやめさせた。


「敵がこちらの半数に満たないと侮り申し訳ありません」

綱成もだが松田等の武将も氏康に謝罪をして兵の点検をすると氏康は松山城の包囲をあきらめ撤退をすると、

「景虎も出てくると言うことで無理に損害を増やすのはまずい、信龍殿には悪いが今年はこれで終え来年と言うことにする」

私も景虎と無理に戦う愚策をおかさない氏康に同意して躑躅ヶ崎へと戻った。


「我らに落ち度がありましょうか」

帰ってくるなり直属の部下である平野と井伊が顔を出す、他が使えないと言うのもあって内政を重点的に見て貰っているので兵を率いてと言うのはこないだの川中島で農兵を率いらせた以外はなので言われて当然なので、

「二人が有能だからこそ、見ての通り領地は隣同士もいさかいが多いし代官も農民から勝手に搾り取るから、任せてしまっていた」

謝罪をするとあわてて二人は、

「いえ、十分いただいているので逆に申し訳なく思いましたので」

お互い笑いながら酒をのみ交わし私は、

「河原で長老から紹介されてよかったと思っている。これからは上杉だけでない戦いがあり足軽だけでない農兵も動員しなければならないと思う、色々疑問もあるだろうが最後まで頼むぞ」

これからは上杉に加え今川に北条そして織田と戦う相手が増えるのでなりふり構ってもいられないし、いずれはと思いながら風間の忍を使い自分の領内の事でさえ調べていくと言う気の滅入ることを考えながら飲み明かした。


関東では景虎が越後に戻らずに越冬して関東を攻めまわりここまで来ると迷惑といって言いが、

「流民を保護して連れてまいりました」

毎日でもないが上野と武蔵から戦火と新たに入ってきた領主の課す重税に逃げてきた民を受け入れて川中島での人的被害を補う努力を行い足軽となる根無しの男達を雇う。

他の領地では働き手が亡くなるか怪我で体が不自由な農兵の農家が重税をかされてと悪循環に逃げ出したりと言うことが頻繁になり、見せしめで殺してしまうと言う更なる悪循環と寒冷で不作と言うのも続いた。


そして更なる問題が、

「黒川等の金山からの産出が減ってきている」

重臣の集まる評定で話が出る。武田の戦費を賄う重要な金山であり秘密な事なのだがここ2年で産出も前年を割ったらしく話になったと、

「皆の者なにか良い案はないか」

兄上が聞くと、

「送り込む奴隷を増やせば」

「新たに掘ればよろしいかと」

「代官にもっと監視をすべきかと」

と口々に言うがすでに行っている事なので今更と言うことで信玄が私に聞いてくるので、

「バテレンの技術の中に金を鉱石から多く取れる方法が有ると聞いて調べております」

すでに自分の金山では導入している技術なのだがそれを出せば今までの金の産出量に疑いがかけられかねないので調べてみますと報告をする。

「さすがは信龍殿、我らが知らない情報を知っておられるとは」

情報の重要性なんかこれっぽっちも気にしない年寄りに誉められても思いながらも信玄から、

「頼むぞ」

そう言われて返事をした。来年も積極的には動かず川中島での国力の低下を回復するようにという話になり領地へ戻ると、

「大久保長安ってたしか大蔵十兵衛て言う名前でいたはずだけど何処かな」

調べさせると河原出身の自由な民で、私が雇った中に父親と共におり17才と言うことだった。


「大蔵十兵衛と申します。一条様に会うことができまして嬉しく思います」

利発と言うか切れ者の青年がおり私に呼ばれると挨拶をしてくる。

「呼び立ててすまないな、すまないが河原の長老にこれを渡して言うとおりにしてくれ」

書状には長安を金山につれていき精錬の仕方を教える事を書いてあり、長安は余計な事を聞かずに頭を下げると河原へと向かった。

「若い時から切れ者だな、出は何となくはわかっていたけど自分の家臣にいたとは、どれだけこの家の事が無関心やら」

自分の言葉に苦笑しながら、

「自分の子でもない息子は不敏だが滅びどう受け止めるかだな、しかし一致団結なんて未だに無いものな武田は」

川中島の後の一件もあるが未だ全然だなと今までの事を思い出す。


まだ父信虎がいた頃の信玄は理想に燃えて民の為にと考えていたが、信虎を疎ましく思った重臣達が信玄を煽り担ぎ上げて追放したのがそもそもの間違いであり、うるさいのが居なくなり重臣はやりたい放題で失敗が多かった。

山本勘助が配下に加わり重臣をどう扱うかと言う事が決まり目の前に人参をぶる下げて気を引いて勝利をおさめていく、しかし川中島では本来八千の別動隊のはずが一万二千まで重臣の希望で増やされその四千がいれば典厩も勘助も死なずにこれからの武田も滅亡と言う最悪も回避できたと思う。

信長が攻めてきたとき早々に降伏したあと頭でも丸めるか名前を変えて生きるかとも考えながら翌年は景虎が越中に攻めこみ、氏康は鬼の居ぬ間にと関東を取り返すため出兵して武田にも援軍の依頼が来て私に信玄からの命が下り与力を率いて出撃する。


四千を率いて武蔵の国に入り合流をする。

すでに景虎(上杉)が不在と知らされていた各城の城主は寝返り呆気無い程に武蔵の国を取り返して上野をも取り替えそうと進めた。

「しかし景虎は越中にと頼まれれば何処にでも神出鬼没ですな」

今回は氏邦(北条)と兵を進め鉢形城に入り上野をうかがう、上杉勢は越後も出払っており北条勢も安心しきっている。

私は単独で北上をして降伏した豪族を取り込んでいると抵抗する豪族もいる。

「平野、開城せよと伝えよ」

降伏するように伝えたが降伏しない、

降伏した豪族にとも思ったが与力である武田の将に略奪をさせろと言われて稼がなければならないかと思い任せることにした。

大井や西諏訪衆が大きくない山城を攻め表門もだが虎口も同時に打ち破ると突入を開始した。

「一条殿お願いにございます娘を嫁に行っている娘をお助けください」

すぐ近くの豪族が婚姻関係を結んでいるのか悲痛な顔でお願いに来たので自分でも驚くほどの冷たさで、

「なら何故に降伏をするようにと伝えなかった。あきらめろ」

そう言いはなつと苦渋の顔で火が出た山城を見つめ掛け声と共に城が落ちたとわかった。


「こんな小城だと駄目だな実入りが良いのがないぞ」

与力が帰陣してくるなり不満そうに言うのに呆れながらも降伏しないのもあるだろうとなだめながら上野を平井から箕輪に進もうとしているときに、

「景虎が越後経由で沼田に現れたそうです」

もう戻ってきたのかと驚きながら氏邦と連絡をとり撤退を準備すると与力が騒ぎはじめ、

「撤退をするのが早い、上杉勢もそうそう越中から戻るわけもないし、戻ったとしても北条勢等がいくつもわかれて攻撃しているから時間はかかる」

大井信舜が代表で申し入れてくる。

「私が北条援軍の大将であります。従うように」

過去何度も同じ様な事が続いており信玄には従うがそれ以外はと言うのが多く、少しでもと言うのが彼らの本音なのだが、

「これでは信龍殿に従ってられぬわ」

そう言って立とうとするので紙を取り出し自分自身の意思で抜けること、戦利品は切り取りしだい、そして損害には責任を問うと言うと喜んで名前を書き血判までして笑いながら北上を開始する。

「信龍様よろしいのでしょうか」

井伊が心配そうにしているのを感情を押さえて頷いて自分と従う与力二千を率いて鉢形城へと戻った。


「氏邦殿申し訳ない、援軍で来た身でありながら」

到着して広間に顔を出すと直ぐに謝ると氏邦は、

「信龍殿も大変ですな」

許すとも気にせずにとも言わずに私を見て答え、北条の武将も援軍ではなく略奪に来ているのかと言い氏邦からたしなめられた。

景虎は将軍義輝から一字を頂き輝虎と名前を変えたが、未だ将軍が生きているのかとくそじじいの久秀を思い出しながら入ってくる景虎の移動速度に驚く、

次々と上野の国を走り抜け下総まで進むと不意に方向を転じて忍城を通り鉢形をかすめるように進んで武田勢を追い散らして北条が半年で占領した領地を1ヶ月で降して唐沢山城を囲んだと知らせを受けた。

知らせを受け1ヶ月が経過したが城も落ちない代わりに景虎も下野におり北条の緊張は疲労にかわり苛ついて揉め事が起きる。

酒を禁止されているのにも関わらず飲んで北条と武田の間で喧嘩が起こり城内での問題をこれ以上と言う話を氏邦と行うと躑躅ヶ崎へと戻った。


「わかった」

信玄に報告と大井達の署名した書類を提出する。

大井達は景虎の奇襲を受け損害を出して散り散りとなり甲斐へと戻って信玄を驚かせて言い訳と私を誹謗中傷していたのだが、書状を前に青い顔をしていた。

「これによると大将である信龍に異議を唱え損害にも責任をおうと言うことだが相違無いか」

信玄が問うと何時ものように言い訳を始める。小山田や穴山も仕方の無いことだと口添えをしており何時ものように終わるかと思って呆れながら見ていると、

「軍令違反とそれに起因する損害に目をつぶるわけにはいかない、この場合の罰は何だ」

思いもよらぬ信玄の言葉に私も含めて驚き昌景が、

「戦場での軍令違反は死罪かと」

そう言われて大井も含めて顔色は真っ白になり震えており、あわてて信君が、

「それはいくらなんでも死罪とは」

そう言うと信玄が、

「信龍はわしの代理として赴いた、その命に従わないと言うならわしに刃向かったと言うことだが信君もそうなのか」

そう聞かれあわてて否定をする。その後は誰も発言をしないので私に何かあるかと聞くので、

「彼らのおかした罪は許されない物と存じます。しかし私が強固に止めていないのも事実ですしその場で軍令違反をとがめて首を跳ねなかったのも私の罪です」

そう言うと信玄は頷く、

「なれば今回は罪を減じていただければ次回は必ずやこの様なことが無いようにします」

そう言うと、

「わかった、死罪であるが大井は謹慎と二郡を召しあげ、その他の者は信龍の家臣とする」

死罪は免れたが信舜は謹慎と領地を召しあげられ、小さい豪族は独立した領主ではなく私の家臣として組み込まれてしまい呆然として評定が終わった。


「お見事でした」

私は信玄に頭を下げて言う、

「これで小山田も穴山もだが譜代の重臣も表立っては逆らわないだろう」

私がとりなして死罪でなくなったと言う事が今までのようにはいかないぞと言う牽制になったと思いながら信玄も頷く、

「もう一年程我慢してから箕輪城を攻めましょうか」

未だ川中島の被害は回復してないが駿河を攻める前に関東を安定させたいと言うのが今の武田の優先事項でありその事を聞く、

「そうだな、業正が亡くなった今がと言うのだが来年の秋に攻める事とする」

典厩や勘助が亡くなりまがりなりにも信玄の元、統一した行動が取れる算段が出来たことを喜びながら久しぶりに酒を酌み交わして館へと戻った。


「井伊よ家臣に三日後に集まるように知らせてくれ」

新しく私に組み込まれた豪族を集めて話をしようと思い新旧の家臣を呼び出す。

三日後、

「新たに家臣となった者の半分が来ておりません」

予想はしていたが半数かと思いながら上座に座ると、

「皆の者急な呼び立てに来てくれて感謝する。新しくわが配下となった者達とも話をしてみようかと思い集まってもらった」

古い旧臣は何時もの事なので頷き新しい者は不満と何を言われるかと不安に思っている。

「一つは領地のこと、私の領地では決まった税のみそれ以上の重税は追放とする。そして私の配下ではその方の取り分である3割を現物支給としているがどうか」

そう言うと不平はでるので不作だろうが減らさず決まった量を渡せるが領地持ちなら減った分で分けられるので生活は苦しくなることを言うと古参の連中もその方が良いと賛同してくれる。

「農兵では出ずに金を支払った足軽を主体とした編成で戦う」

生産性を維持するやめにと言う説明と蚕を飼っていて絹を作らせそれを税として別に納めさせている事を話した。

足軽はすぐに逃げ出すのではと言われて負ければ命が惜しいと言うことだと言うと呆れた顔で頷く、

「命令はわかってはいるだろうが絶対だ、今回理由もなく来なかった者は罰する事になる」

そう言うと来たものはお互いほっとして頷き私が手を叩くと普段とてもお目にかかれないような食事や酒が出されて家臣は驚きながら食べると、

「こんなの始めてだ美味しいぞ」

酒も程々に食事のおかわりを争って始め古参の家臣は笑いながら酒をついでおり酒が回ると、

「一条様、この透き通った酒といいこの香ばしい食べ物、噂では聞いておりましたが家臣になれて幸せですぞ」

胃袋を握った事により不満だった新しい家臣達は喜び、翌朝に来てなかった者を連れてくるようにとそれぞれに言うと喜んでそれぞれの所へと新旧が交ざり向かっていった。


「その方達の所領は没収、足軽としてか奴隷になるかを選べ」

私に従うのを良しとしない豪族が次々と引き立てられてきて庭に座らされていく、馬鹿にしてどうにでもなると思っていた者は驚きあるものは足軽に同意して館に隣接する長屋に移り住むことを承知してある者は、

「弱い主を持ちたくはないわ」

と言い放つので冷たく、

「わかった。一族共々奴隷として扱う全て連れてこい」

そう言うとあわてて従うと言うが聞き耳持たずに家族を捕らえさせ金山で働かせる奴隷として信玄に売り渡す事となり、当然この一件は知れ渡り恐怖させた。


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