茜の想い 「俺は強くなんかねぇ」
短いです。
すみません。
あと、文が変かもしれないです。
side:茜
大牙は6年前から変わってなかった。
金の方、私たちのギルドに入ってくれることを選んでくれた。
あいつは昔から金には敏感で、頼まれ事は金が関わればほとんど断ることもなかった。逆にただでもらった時は恩返しとしてその人に役立つことをしていた。
だから、試してみた。大牙が変わっているかどうかを。一種の賭けにも近かったけど。
私は嬉しかった。大牙が変わってなくて。
幼い頃、大牙は私の道場で稽古をしていた。
大牙の父は剣や銃の使い手で大牙はその技を学んでいた。
だから、大牙が来る前まで道場内ではトップだったが、それも簡単に抜かされてしまった。
そしたら、今まで私に負けていた奴らがいじめてきたんだ。
きっと、私に悔しさや嫉妬をしていたのだろう。道場内で最強と私は言われてきたから自分たちでは敵わないだろうと思っていたが、大牙が勝ったお陰で自分たちでも敵うんじゃないのかと思ったんだろう。
案の定、私は何の抵抗もできずにいじめを受けた。
服をボロボロにされ、ぶたれて地面を転げまわり、ポニーテールにしていた髪も切られた。
そんな時、私を守るように背中を見せながら大牙は颯爽と現れた。
大牙はいじめていた奴らに殴る、蹴るの猛攻。
そして、いじめっ子が逃げた後、振り向いて私に言った。
「無事か?」
その時の大牙はとても凛々しく、優しさに満ちていた。
あの姿は今でも鮮明に覚えている。
私が、何故ここにいるのか、と大牙に聞いたら・・・
「10円やるから茜を探してきてくれ、ってお前の親に言われてきたから来た。」
何だ、それは。それじゃあお金を渡さなかったら、私のことを探さなかったというのか。
しかし、それでも、助けてくれたのは感謝したいと思う。
大牙はその後、切られた私の髪を悲しそうに見つめながら言った。
「悪ぃな。お前はポニーテールが似合っていたのによ」
私はちょっと嬉しかった。自分のいつもの髪が似合っているなんて言われたから。けど、もうあの長い髪は帰ってこない。だから、私は決意した。切られた時と同じくらいの長さにまで伸ばして、ポニーテール姿を真っ先に大牙に見せようとすることを。
次は私が聞いた。何でそこまで強いのかと。そしたら大牙は考えることもせず、即答した。
「俺は強くなんかねぇ。ただ、助けてほしいと差し伸べる手を掴んだだけだ」
そんな答えを聞いたのは初めてだった。
そして、私はその日以降、大牙のことが気に入った。
稽古をする時も一緒。ご飯を食べる時も一緒。遊ぶ時も一緒だった。
次第に私は大牙の魅力にひかれて、好きになった。
ある日、髪がのびてきたのでポニーテールに縛った。勿論、真っ先に大牙の元へ行った。
しかし、大牙は見つからなかった。
噂に聞くと大牙は翼人になったらしく、街を出てったらしい。
私は酷く悲しんだ。けど、いつか会えると信じていた。だから髪の手入れもしっかりやっていた。
月日が経ち、突然、私から翼が生えた。
人々から酷い扱いを受けながらも私はウィングハーツに辿り着き、入った。
それから1年かけて、大牙の情報を集めた。
そして、大牙を見つけた。
その時は涙があふれそうだった。愛する人を必死に探し、ようやく見つけたから。
私はいてもたってもいられず、すぐさま大牙の元へ向かった。
そして、冒頭に戻るわけだ。
私はこれからも大牙の隣にずっといる。もう離れ離れにはなりたくない。
前は大牙が護ってくれたが、今度は私が護る番だ。
そう心に決意した。