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過酷な現実 「・・・悔しくないのかよ・・・」

今回は前回と比べてシリアス

ひとまず、この世界について説明しよう。

この世界には主に人間とモンスターがいる。

人は魔力を有しており、魔力を使って生活している。そして3つの国に分かれており、モンスターは国の外に多く住みついている。


さて、この世には2種類の人間がいる。

翼を持つものと翼を持たぬもの。翼を持つもの・・・通称、翼人(よくじん)と呼ばれており、元は人だった。しかし、突然、何の前触れもなくいきなり翼が生えるのだ。呪いや突然変異、ウィルス等の説がでているが、原因は不明である。


そして人は翼人を毛嫌いする。

人は魔力を持っていても魔術を発動することはできない。しかし、翼人はなぜかそれを可能にしてしまう。魔術は人の憧れである。なのに、いきなり翼が生えた人がいとも簡単に魔術を使われたら、悔しさや嫉妬から始まり、最終的には化け物扱いするのだ。それは家族や友人でも例外ではない。


そんな居場所がなくなった翼人に居場所となっているのがこのギルド:ウィング・ハーツである。

ウィング・ハーツは国の外にあり、モンスターが比較的少ない場所にある。更に結界を張っているため、簡単にはモンスターや人からは発見されない。一般人がウィング・ハーツのことを知らないのはこのためである。


しかし、欠点もある。

それは経費の問題だ。

ウィング・ハーツのことを知っているのは所属している翼人の他に、人の中で上に立っているごく一部の者位だ。経費は国からだされるのだが、一部の人しか知らないため、その金額は比較的に少ない。

だから、ウィング・ハーツは質素で地味な建物なのだ。外も中も家具も部屋も全て木材で出来ており、特に外側はボロボロで整備が行ってないことがわかる。廊下にはロウソクを、部屋には電球1つしか置いてない。広間等では電球とロウソクを使ってはいるが、それでも数は少なく、薄暗い。

一応ギルドというわけだから、依頼があるのだが、人間側のギルドと比べると圧倒的に少ない。なぜなら、依頼するのは人である。もし、翼人に依頼をポンポン渡していたらパニックになるのは必須。だからギルドは手をつけない依頼、あまりやらない依頼などのあまった依頼を翼人が住むウィング・ハーツに渡しているのだ。

依頼が少ない分、ギルドに入る金は少ない。だからこのギルドは毎日、ギリギリの生活を送っているのだ。




side:大牙


「おいおい・・・嘘だろ?」


俺は茜からこの世の現実を聞かされた。

あまりにも理不尽じゃないか!

俺たちにだって心がある。なのにそれを無視したかのように差別するなんてあんまりじゃねーか!


「嘘ではない。本当のことだ。ただ、お前が目にしなかっただけで」


茜はとっくに頬の赤みは消え、俺の問いに答える。


「おかしいだろ!ただ翼が生えただけでずっと築きあげてきた関係を壊すなんて!」


「人というものは残酷だ。自分たちとは大きく違った点を見つけてしまうと、いとも簡単に変わるものだ」


「話し合えばなんとかなるんじゃねーのか?話し合えば俺たちのことをきっとわかってくれるはずだろ」


「これを見てもそれが言えるのか?」


茜は羽織っていたマントをとる。そこには翼が生えていた。ただ・・・


「っ!!!」


その翼は俺のような光輝く白銀のようなものではなく、毛も羽もボロボロで汚れが酷く、古傷がいたる所にあった。

痛々しく、俺は見ていられなかった。


「これは私の翼が生えた直後、負ったものだ。・・・これで分かっただろう。あいつらは私たちの話すことなんか耳を貸さない」


俺はショックを受けた。

人ってそこまで酷い奴だったのか。今までパフォーマンスをしていて、そんなことは微塵も感じなかった。見た後の人たちは希望に満ち、笑顔を輝かせていた。けど、それはちがっていたのか・・・?


「・・・お前みたいな境遇を受けた奴がたくさんいるのかよ。ここには」


「全ての翼人が私みたいな扱いを受けたわけじゃないが・・・まぁ、少なくはないだろうな」


「・・・悔しくないのかよ。こんな酷いことをされてよ・・・」


「・・・悔しいさ・・・多分、このギルドにいる半数以上はそう思っているはずだ」


「だったら何でなにもしねぇ!人々に自分たちを見返すほどのことをすればいいじゃねぇかよ!それなら話し合いができなくても、人間たちに分からせられるだろ!例えば、依頼をどんどんこなしていくとかさ」


そうだ。何もしなかったら変わらない。何かすることで変えることができるんだ!

そう言い放ったら、茜は口の両端をあげた。


「それだ。それが私が大牙をここに連れてきた理由だ」


「え?」


どういうことだ?ギルドを変えることが俺を連れてきた理由?


「私はここのギルド見たが、ギルドにいる翼人たちは皆、無気力だ。依頼も金がなくなったらやる位で全然、積極的に活動しない。それでは何も変わることができないし、人間たちを見返すことができない」


「あぁ、確かにそうだ。けど、それと俺にどういう関係が?」


「まぁ、待て。話は最後まで聞け。しかし、私はここに入ったばかりで地位は低い方だ。私が何を言った所でギルドの皆には心に届かない。依頼をこなしていくにしても限界があるし、時間がかかる。そこで!」


ビシッ!という効果音が聞こえてくるように茜は俺に指を指した。

人に指を指してはいけないんだよ。後で言っとくか。


「大牙の強さを皆に見せつければいい!生憎、お前は私よりも強いと思う。そうすれば皆立ち上がるだろう!お前の力なら、このギルド、ウィング・ハーツを変えることができる!」


「はぁ!?いきなり何言ってんだよ!第一、力をみせつけるってどうすればいいんだよ?」


今までは人に見せていたからいいが、相手が翼人となると意味がないと思う。同じ翼をもっているんだ。感動とかは無いと思う。


「普通に闘って相手をわからせる」


「随分と古風的なわからせ方だな!?てか、そもそも、無気力とか言ってなかったか?それなら闘ってくれる人なんて・・・」


「あぁ、無気力なのは仕事面でのこと。闘いは娯楽の一種だから、大丈夫。流石に娯楽にも無気力なんて奴、いないから。」


「それでも、闘いの経験がなぁ・・・」


「その点も大丈夫だ。私がお前と会った時、剣をまじ合わせただろう。あの位の反応、剣技があれば大丈夫だ」


あの時のあれはそういう意味だったのか・・・物騒な奴だ。

しかし、八方塞がりだな。

俺、そういうガラじゃないし、どうしたらいいんだろうか・・・

仕方ない、あまり言いたくないけど、言うか。


「俺のメリットは?何もないただ働きだったら嫌だぜ」


「メリット・・・何が欲しいのだ?」


「金だな。それ相応の金があれば」


「・・・・・・」


「・・・無いようだな。だったら俺を帰らせてくれ。あの土地はそこそこ好きなんだよ」


過酷な現実を聞いた後だから帰った後がツラいだろうなぁ。多分、人を見る目が変わると思う。けど、翼人を見つけたらすぐに助けよう。これは俺の人生だ。人に決められることじゃない。

そう思っていたら茜はトランクをだした。

・・・どこからだした?そのトランク?周りには何もなかったはずだぞ。


「ここには50万ある。これでどうだ?」


「へ?」


俺は目が点になる。

・・・50万?・・・今こいつ50万あるといったよな?・・・50・・ま・ん


「まぁ、お前の好きなように選べ。この機械を使えばあの場所に戻せるしな。・・・さぁ、光陰 大牙、お前はどちらを選ぶ?」


「・・・・・・」


茜は俺の前にトランクと黒くて丸い球を置く。

・・・そんなの、決めれるだろ!




俺が選んだのは・・・


本文での人と翼人の違いで、人に対しては人々、人間。

翼人に対しては翼人、ギルドの皆等々・・・


読みにくかったらすみません。

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