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決闘後日とレイフォン家の真実 「アリア様を救ってください」

大分 お待たせいたしました。


10話目投稿です。


side:大牙


アリアとの決闘した翌日、俺は自室で治療を行っていた。


「いってぇぇぇーーー!!!」


「全く、覚醒した技を受けるなんて無茶をするからだ」


俺は只今、包帯グルグル巻きのミイラみたいな状態になっていた。

というのは嘘で、身体や腕に包帯を巻かれているだけだ。決してミイラになっている訳ではない。


「あんな大技、避けれるかよ。とっさの判断で翼を盾にしてここまで抑えたんだ。むしろ誉めてもらいたい位だね」


「ふむ、それもそうだな。だが、結局は無茶をしているんだ。誉めてやらん」


「・・・手厳しいな。それがあの時心配していた人が言う言葉かよ」


「なっ!心配などしてない!」


「嘘つけ。こ〜んな顔して心配していたじゃないか」


俺は茜の顔真似をする。

多分、変な顔で全然似ていないだろう。


「いてててててっ!わ、悪かったって!」


茜がムカついたのか巻いていた包帯を強く引っ張った。


「私はそんな変な顔はしていない」


「そうだよね!そうですよね!すいませんでした!」


「分かればいい」


そしたら包帯を緩め、いつも通りに優しく、丁寧に巻いてくれた。


俺達が楽しく(?)談笑していたら扉のノックが聞こえた。


「大牙くん、いますか?」


「はい、います。入っても構いませんよ」


声の主はマドリョワさんだった。

マドリョワさんは部屋の扉を開け、ゆっくりと入ってきた。


「失礼しますね。あら?茜ちゃんもいたの?」


「はい、治療のお手伝いのため」


「フフ、献身的ね。・・・それにしても」


マドリョワさんは俺と茜を交互に見る。


「あなたたち、なんだか夫婦みたいね」


「「なっ!?」」


何を言い出すのかと思えば・・・

相変わらずだな。


茜は動揺して顔を真っ赤にしている。

対照的に俺は冷静だ。


「なっ、なな、何を言ってるんですか!!/// か、からかわないでください!!/////」


「そうですよ。俺がこいつと釣り合う訳ないじゃないですか」


茜はこんなでもけっこう美少女だから。俺はそこまでかっこよくないと思っている。釣り合う訳がない。


「そう?2人ともお似合いよ。おしどり夫婦みたい」


「ちょっ、ちょっとマドリョワさん!/////」


「俺の奥さんはこんなんじゃなくてもっとおしとやかな人がいいですよ」


「・・・・・・」


茜が急に黙った。


「そうなの?どんな人?」


「そうですね・・・マドリョワさんみたいな人ですかね」


「フフフ、それは素直に嬉しいわね」


「ハハハ」


「ふん!」


「いって!何すんだよ、茜!」


茜が持っていた包帯を俺に投げつけてきた。


「ふんっ!」


そのまま踵を返し、部屋を出ていく。扉を思い切り強く閉めながら。


「一体、何だ?」


「フフ、大牙くんは女心をもっと勉強する必要があるわね」


「はぁ?どういう意味です?」


「女の子は複雑って意味よ」


「???」


女心?よく分からん。


マドリョワさんは茜が投げた包帯を拾い、巻く続きをしてくれた。


「そういえば、あの後アリアはどうなっていますか?」


「アリアちゃん?あの子、あなたに負けたのがショックなのか部屋に塞ぎこんじゃっているの。私が問いかけても気の抜けた返事しか返ってこなくて」


「立ち直りますかね?」


「大丈夫よ。アリアちゃんは強い子だもの。ただ、今はそっとしておいた方がいいのよ」


「そうですよね。信じます」


「フフ、そっとしておくのも悪いことじゃないわ。はい、これでお終い」


「ありがとうございます」


俺は立ち上がり、部屋を出ていこうとした。


「あっ、待って。あなたに渡すものがあるの」


マドリョワさんは懐から手紙を出して、俺に渡した。


「誰からです?俺宛に出す人なんていないんですけど」


「それがね差出人が書かれていないの。速達で来たからすぐに渡そうと思って」


俺は封を開け、手紙を読む。


     あなたに話したいことがある。


     喫茶店ミーティアで待つ。


                      アリア様の執事セバスチャンより


「・・・・・・」


「どうしたの?」


「すいません。急用ができたのでギルドから外出します」


「・・・そう、いいですよ。いってらっしゃい」


俺は扉を開け、部屋を出ていこうとする。

出てく直前、マドリョワさんが呟いた。


「何かは知らないけど、あなたがすべきことなら何も口出ししないわ。がんばってね」


「はい、ありがとうございます」


俺は部屋を出ていく。


なんだかんだ言ってもやっぱりマドリョワさんはいい人だ。


俺は知らなかったがあの後、茜が戻ってきたらしい。


「大牙、いるか?」


「大牙くんならもう出て行ったわよ。急用ができたんだって」


「なに!?私に何も言わずに行くなんて!どこに行きましたか」


「さぁ?私は知らないわよ」


「うーむ、大牙の行く場所・・・はっ、まさか!」


「?」


「あいつ、アリアの所に行ったのか!?ダメだぞ!私もすぐに行くからな!」


「ちょ、ちょっと!待ちなさい!」


「大牙〜!あんな女に出し抜かれるな〜!」


「待ちなさ〜い!」


と、まぁ、追いかけっこしていたらしい。

俺には関係ないことだけどな。








喫茶店ミーティアはウィング・ハーツに最寄りの喫茶店だ。

最寄りと言ってもそこそこ時間はかかるけど。

林の中で営業しており、一見、空き家のように見える。

しかし、そこで出すコーヒーや料理は絶品でわざわざ遠くから来店する客も少なくない。

また、食物を採取しにくる人の休憩所にも使われ、なかなか繁盛しているらしい。


「・・・ここか」


俺はミーティアに着き、店の中に入る。


カランカラン


「いらっしゃい」


黒髭を携えたマスターがカップを拭きながら答えた。


俺は辺りを見渡す。どうやらこの時間帯は客が少ないようだ。

そんな中、店の片隅に老人が座っているのが見えた。


俺はそこに向かう。


「あなたがセバスチャンですか?」


「はい。そうですよ。待っておりました光陰大牙様。かけてください」


「はい」


セバスチャンは微笑みながら答えた。


白髭、白髪で厳格そうな風格だが、その眼は穏やかでとても優しそうに見えた。


俺は椅子に座る。


「それで話とは」


「まぁ、そう焦らずに。注文が先です」


「あ、そうですね」

俺は適当になにかしら注文しようとした。


「すいません。コーヒー、お願いします」


「かしこまりました」


カウンターにいるマスターに注文した。

そして、数分後、注文したコーヒーがきた。


「どうぞ、コーヒーでございます」


「ありがとう」


「いえ、失礼します」


マスターは俺達の席から下がり、カウンターでカップを拭き始めた。


「さて、自己紹介がまだだったね。私の名はセバスチャン。アリア様の執事でございます」


「俺は光陰大牙。アリアとは・・・その・・・」


「大丈夫ですよ。あなたのことは知っております。あの決闘のことも」


「そうですか。それを聞いて安心しました。それで執事のあなたが俺に話したいことって?」


「実は大牙様にアリア様を救ってほしいのです」


やはりアリアは苦しんでいたのか。

けど、アリアの1番近くにいるセバスチャンでも手が付けられないものって一体?


「何かアリアにあったのか?」


「はい。まずはアリア様の近況を教えましょう。

アリア様はレイフォン家の看板背負っているのです。ですから負けることは許せず、勝つことだけを教えていました。学業、経済、運動、そして戦闘、などあらゆる分野でトップクラスを教えていました」


「すごいな、それは」


「しかし、一見、凄そうに見えますが何事にも穴はあります。アリア様は様々な人に勝ちすぎて妬みや嫉妬の目を向けられ、仲間や友人が1人もいませんでした」


「そうだったのか・・・しかし、それでよく心が折れなかったな」


「それはアリア様の父上様、ガリア・レイフォン様に対する忠誠心があったからでしょう。

アリア様は昔、孤児でした」


「えっ・・・」


「アリア様の生みの親はアリア様を産んだ直後に他界しております。母親も父親も病死しております。」


「アリアは養子だったのか・・・」


「そうです。ガリア様は女に恵まれておらず、5回、離婚しております」


「5回も!?」


「そこで跡取りを探していた時に孤児院でアリア様を見つけ、気に入ったらしく、引き取ったのです」


「よかったじゃないか。確かに仲間がいないのはツラいけど」


「・・・ガリア様はアリア様を娘だと思っていません」


「・・・は?」


「ガリア様はアリア様を企業の売り上げを上げる広告のようなもの、道具としか思っておりません。翼人だと分かった時はさらにその行動が悪化しました」


「そんな!?アリアは人だぞ!道具なんかじゃない!孤児だったのを救ってくれた恩で頑張っているのに利用するなんて!」


「・・・私も心が苦しいです。何度、ガリア様の首を取ろうか思いました。しかし、アリア様の頑張りを見ているとその殺意も消えてしまいます」


「セバスチャンが何を言ってもダメなのか?」


「私は所詮、執事。世話をするものです。私が何を言っても権力に押しつぶされて無駄です。それに、アリア様はガリア様に忠誠心があります。アリア様にも何言っても無駄です」


「じゃあどうするんだよ。俺のような第三者が言ったってダメじゃないか」


「・・・ここからが本題です。最近、手に入った情報なのですが・・・少し耳を貸してください」


俺はセバスチャンに耳を傾ける。


「―――、―――――」


「え、嘘だろ!?アリアの父親はそこまで・・・」


「信じられないかと思いますが事実です」


「自分の娘だぞ!?そんなことをやるのか!?」


「先程申した通り、ガリア様はアリア様を娘だと思っていません。ですから、お願いします。アリア様を救ってください」


セバスチャンは俺に深々と頭を下げた。


歳が遥かに上の人に頭を下げられたら断れるわけないじゃないか。


「・・・分かった。そんなことを聞いたら阻止しなくちゃいけない。でもどうするんだ?俺にそんな力も権力もないぞ」


「大丈夫です。私に作戦があります。作戦通りに大牙様が動いてくればいいのです」


「聞かせてくれ。その作戦とやらを」





俺はセバスチャンがたてた作戦を聞いた。


「なるほど・・・それだったらイケるかもしれないな」


「これはガリア様の計画を阻止し、尚且つアリア様の心を変えるが目的です。それには私のようにレイフォン家に所属している人でも他の人でもいけません。アリア様に唯一勝てた大牙様しかできないことなのです」


「了解した。けど、それだとレイフォン家が窮地に落ち、下手したらセバスチャンの身を滅ぼすかもしれないぞ」


「心配ありません。元より私はアリア様に生涯を捧げております。レイフォン家がどうなろうと構いません」


「わかった。なら、あとは報酬だ」


「?」


「俺はこのことを依頼の一種だととらえている。それには相応の報酬が必要だ」


「・・・わかりました。私の全財産を報酬にしましょう」


「いいだろう。交渉成立だ。それでいつ作戦を実行する?」


「急で申し訳ないんですが、明日に決行します」


「あ、明日ぁ!?」


「はい、明日の昼頃にガリア様がアリア様を呼びつけたらしいです。計画はその時行われるかと」


「よし、いいだろう。明日、レイフォン家のビルだな」


「はい。準備はお任せください」


「ぬかるなよ」


「お任せを。大牙様、こんな無茶なことを引き受けて感謝します」


「感謝するのはまだ早い。アリアが助かって全てが終わった時にしてくれ」


「そうですね。しかし、これだけは言わせてください。ありがとうございます」


「いいって。じゃあまた明日」


「はい、また明日」


俺は店を出る。


明日はレイフォン家に殴り込み、アリアを救う。もう苦しい思いはさせない。させてたまるか!


俺はウィング・ハーツに帰った。





あ、コーヒーの代金払ってないや・・・

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