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プロローグ 豚から子豚へ

「頓田?おまえ…虐められてなんかいないよな?みんなちょ〜っといじってただけだよな?」


担任の先生が僕を生徒指導室に連れてきてそう聞いてきた。


「あの……僕は…その…」


言いたいことは山程ある。でも言葉を紡ごうとすると頭の中で文字がばらばらに散っていく。


「言いたいことがあれば言ってくれ?……大丈夫だな?な?」


先生は僕のこの特性を知っているからか、まくし立てるように聞いてくる。本当は伝えたい…虐められてます。酷いことされてます。


「何もないなら、もういいな。よし!おまえももっとシャキッとしろ!そんな弱気だからからかわれるんだぞ?」


かわかわれている…そういうことにしたいんだよね?イジメと確定したら自分も学校も面倒だから……


「はい……すみません」


僕にはそれしか言えない。言っても変わらない、味方なんていない。助けてくれる人なんて……いない……。

そうして指導室からでた僕は帰るために荷物を取りに教室へ向かう。

………なんか、教室が騒がしい……。


「みろよ!頓田の鞄に神坂の体操着が入ってたぞ!」


教室に着くと、僕をいじめているクラスメイト、武田が僕の鞄と誰かの体操着を持って叫んでた。そして、こっちをみて…


「お!頓田!てめぇ!神坂の体操着を盗むなんてな!」


わけがわからない…そんなことしてない…心がざわつく…身に覚えのないことで責められているのはわかる……なんとか弁明しないと。


「あ…ちが……。」


「おいおい!キモいのは見た目だけにしろよ!女子の体操着で何するつもりだったんだよ!」


武田が笑って僕を責めてくる。こんなのこいつが僕を貶めようとしてるだけ…みんな信じない、いつもいじめられてるところをみてるんだ…武田の自作自演だってわかるはず……

でも…みんなの僕を見る目はまるで、ゴミを見るよう…


「まって…ちが…」


ちがう!僕じゃない!信じて!


「頓田くん…最低。」


神坂さんが涙を流しながら睨んでくる。

違うよ!僕はそんなことしない!

でも…言葉が出ない…。文字がばらばらに散っていく。


「さいてー」「きもっ」「やっぱりアイツだ」


クラスメイト達が僕に罵声を浴びせてくる。

嫌だ!嫌だ!僕は何もしていない!

僕が後ずさると、背中に何かが当たる。振り返るとそこにはさっきの先生が…


「頓田……おまえ…」


ゴミをみる目で僕を見ていた。


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


僕は逃げ出した。まるで本当にやったかのように。でも、その場に残ったところで出来ることはない。誰も信じてくれない…助けてくれない。




気がつくと…学校の屋上にいた。………そういうことか…僕はもう…生きていたくない。

生まれてからずっといじめられてきた。親も僕を見捨てた。不細工な容姿、言葉を満足に話せないコミュ障、誰からも愛されたことなんてない。どうか…次は、次があるなら…


「愛されたい……」


そして虚空に身を投げ………僕はこの世から消えた。消えた。消え…………。











てない!?


目を覚ますと辺り一面木、木、木!森の中!?なんで!?ここどこ!?


「プキィ?」


え?何この声?不思議に思って身体を見回すと……


「ブ〜?」


あれ?ぼく……豚になってる?

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