第9話 寝坊して日常
ピピピピピピ......トンッ
無意識のうちに目覚まし時計にチョップを入れていた。
「寝坊した......!」
時計を見ると、いつもならとっくに顔を洗って、歯を磨いて、朝ごはん食べて......家を出る時間だ。
慌てて部屋を飛び出し1階まで駆け降りると、シオンが今まさに通学を始めようとしていた。
「シッ...シオン!一緒っ、一緒に遅刻しない?」
2人で遅刻すれば、怒られるのも半分で済むだろうと淡い期待を抱いて問いかけるも、
「いやいや、バタフが何度も起こしに行ってたけど起きなかったお前が悪い」
と当たり前なことを言われてしまった...
「じゃあ、先行ってるから。ちゃんと学校には来いよ」
と言い残すと俺を置き去りに学校に行ってしまった。
「三位一体の誓いはどうした、誓いは...」
ため息交じりにつぶやくと、俺はあきらめた。
だってしょうがない、寝坊してしまったんだもの。
寝坊した原因はわかりきっている。
昨日寝すぎたことだ。
何なら一昨日から寝て起きたのが、昨日の15時くらい。
そう、ほぼ丸1日寝ていたのだ。
さすがに常日頃から睡魔と戦っている俺でも、20時間以上寝た後に、さらに寝るなんてことはできなかった。
そのため、昨晩は全く寝ることができずに、最後に時計を見たのは5:30頃だったと思う。
夜に寝れないというのは、なかなか辛いもので、寝ないといけないとわかっていても寝れない。
そのため、自然と瞑想状態に入る。
瞑想していると、この前の戦闘が頭をよぎり、己の弱さを嫌というほどに突き付けられるのだ。
思わずため息が出てしまう。
「はぁ~、寝るか」
夜は全く眠くなかったくせに、今となっては何時間でも寝れそうな気分だ。
あきらめて二度寝をすることにした俺は4階まで上がる。
自分の部屋に戻る間に、寝坊組がドタドタと1階に駆け降りていくのを見て、先ほどの自分を重ねて優越感に浸るのだった。
目覚めると11:30ピッタリ。
何とか昼前に起きれたので午後の授業は出ることにした。
優雅にブランチを決めて、学校に向かった。
学校に到着するまでの道のりは、なんの変哲もなく、襲われることもなかった。
学校に到着すると、授業が始まる10分前で、授業が始まるギリギリまでシオンに質問攻めされたが、
「そういう気分だった」
という一言で乗り切った。
午後の授業は、驚くほど短く感じ、特に問題もなく50分×2時間が終了した。
「さっさと帰ろうぜ」
と言い立ち上がるシオンに、
「誓いを忘れたのか?誓いを」
というと、シオンは渋そうな顔をしながら
「人を待つ時間って世界一無駄じゃない?」
と、驚きの一言を放つのだった。
確かに一理あると思ったが、ここで誓いを反故にしては、絶対に手か足、あるいはナイフなどの凶器が飛んできてもおかしくない。
「俺は待つからな」
と言って、席に座ったまま、彼女を待つという意思表示をすると、シオンも仕方なさそうに席に座るのだった。
ホームルームが始まると、テストが~とか、不審者が~とか言っていたが全く聞く気がなく、ぼんやりと外を眺めていた。
ポコンッという彼女が到着したという合図と共にホームルームが終わった。
校門に向かうと、制服姿の金髪少女がそこには立っており、
「迎えに来てあげたわよ」
と、恩着せがましく言うのだった。
時間は15:50、オレンジの混ざった青空の下、3人で同じ方向に歩き始めた。
最後まで読んでいただきありがとうございます.
ミアレシティへ旅に出ます...探さないでください.




