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World Breakers!!  作者: 佐々木逸勢
第1章 ありふれた日常
7/20

第7話 看病

 シャリッ......シャリッッ


 あまり聞き慣れない音を聞き、意識が覚醒する。


 シャリシャリ...


 目を開くとそこにはいつもの白い天井があった。


 寝すぎたか?と思い時計に目をやると、デジタル時計には15:41の表示。


 あきらめの2度寝をかまそうと目を閉じると、違和感に気付く。


 そう、いつもの天井にいつも通りの自分の部屋、そこに自分以外の気配があるのだ。


 それも、シャリシャリと音を出しながら。


 何か果物でも食べているのか?と思いながら音の鳴る方を見ると、そこには包丁を持った金髪の少女が椅子に座っていた。


「物騒な物もって人の部屋で何してんだ...」


「...ッ!?」


 少女は驚いた表情でこちらを見る。


「...ぅぐッ」


 もぐもぐと口を動かし、飲み込むと


「見ればわかるでしょ、りんごよりんご!剥いてるの!りんごの皮を!」


 そういいながら、新しいりんごを手に取り、皮をくるくると剥き始める。


「なんで俺の部屋で?」


「看病してあげてるんじゃない」


「看病?」


「まだ寝ぼけてるわけ?昨日、放課後に無茶して戦ったらしいじゃない」


 思い出した。あのAIとの戦いを。


「昨日?ってことはほぼ丸1日寝てたってことか?」


「そうよ、だから私がこうして看病してあげてるの」


ムッとしながら彼女は答える。


「うーん、昨日自分で歩いて帰ってきた覚えがないんだけど…」


「アレスが担いできたわ、このりんごもアレスからよ」


「ところで質問なんだが、いったいりんごは何個もらったんだ?」


「3個...」


「で、今剥いてるりんごが残りの1個、ってことは2個も一人で食ったのか?」


「うう」


「そんなに腹へってるなら、なんか食ってこいよ」


「しょッ…しょうがないでしょ!あんたが全然起きなくて心配だったし、私がご飯食べてる間に何かあったら大変じゃない!だからりんご2個を私が食べるのは当然の権利で~す」


 こんなに本気で心配されたんじゃあ何も言うことはできまい。


「それに...あんたは心臓が悪かったんだから...」


 うつむきながらボソッと言う。


「わかったから、りんごはウサギカットにして」


「はいはい」


 そういうと、器用にりんごをカットしてお皿に盛りつけてくれた。


「ていうか、今日学校だよな?」


「私は看病のため欠席、さっきも言ったけどチームメイトに何かあったら困るんだから!」


 そんな会話をしながら、りんごを食べようとすると、右腕には包帯がぐるぐる巻きにされているのに気が付いた。


「なんだこりゃ」


「あぁ、それね、ポップちゃんがおまじないにって」


「あのロリか」


「昨日のけがはさえさんが直してくれたみたいだから、お礼言っときなさいよ」


「はいはい」


 母親か、なんて思いながら口には出さない。


 そんなこんなでウサギのりんごをすべて食べ、そろそろベットから出るかなんて思っていると、彼女は真剣な顔をして問い詰めてきた。


「で、なんで昨日は2人で帰ったの?」


 唐突な真剣モードにひるんでしまって答えられない。


「前にアレスに言われたよね、放課後は3人で帰れって」


「う、うん...」


「約束したよね?迎えに行くから待っててって」


「うぅ...」


「なんで先に帰ったわけ?」


「すみません...」


「チームメイトに無茶させたくないっていう私の気持ち...分かる?」


「はい...」


「じゃあ誓いなさい、今後は2人で勝手に無茶しないと」


「誓います...お嬢...」


 流されて誓ってしまったが、彼女の言うことは間違っていない。


 こんな正論で殴られては何も言えないではないか。


「その呼び方はやめて」


「す、すみません」


「もういいわ、シオン迎えに言ってくる。あの中二病にも誓わせなきゃ意味がないからね」


 彼女はそう言って、部屋を出ていった。



最後まで読んでいただきありがとうございます.




大変励みになるので感想などがあれば教えてください!

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