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World Breakers!!  作者: 佐々木逸勢
第3章 ーーー
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第20話 待つ側

 キャァァァァァッ!


 耳をつんざくような叫び声が、病院内に響き渡り、嫌な予感の的中を俺に突き付けた。


「さえさんッ…緊急ッ!」


「どうしたのッ!?」


 いつもはおっとりしているさえさんが、緊迫した表情で診察室から飛び出した。


 俺たちの元に駆け寄ると、帰ってきた2人の状態を確認する。


「血まみれじゃない......たえ君の出血がひどい、このままじゃ......」


「嘘だろ...」


 確かに、たえの反応がない。


 呼吸をしている様子はなく、脈もほぼ無い。


「診察室まで運んでッ!」


 風邪の影響で、フラフラの状態だったが、気合で診察室まで担いだ。


「た゛え゛は ...」


 金髪の少女は、苦しそうにぼそぼそと言っている。


 意識がないのに、彼女がここまで運んだんだろう。


「大丈夫だ......何とかなる......」


 自分に言い聞かせて、何か自分にできることがないか考える。


「シオン大丈夫? きっとあの2人は大丈夫だよ」


 頭真っ白な俺を励ますように話しかけてきたのは、さっき悲鳴を上げた張本人だった。


「私びっくりして腰抜けちゃったよ~」


「あ、ああ......」


「だッ大丈夫だから...」


 何も考えられない。


 考えたくない。


 自分の影が小刻みに震えているのが目に入る。


 2人とも死なないでほしい。


 助かってほしい。


 ......



「大丈夫っ...大丈夫だから...」


 ハッとした。


 彼女は、朦朧としている俺に身を寄せ、肩に手を置き必死に元気づけようとしていた。


「きっと何とかなるよっ」


 彼女の頭に乗った大きなリボンが、ぷるぷると震えている。


「なんでそこまで……」


「だって、友達じゃん」


 半泣き状態の彼女のおかげで、少しだけ安心することができた。


「こういう時って、となりに誰かいるだけで不安を分け合えるんだよ」


 大きなリボンがチャームポイントの彼女の名前は‟グミ”。


 派手な格好をしていて、JKギャルの見た目とは裏腹に良識の持ち主だ。


「泣かなくても……」


 平常心を取り戻したのも、束の間だった。




「ポップちゃん呼んでッ!」


 診察室の中から、焦った様子の声が聞こえた。


「私が呼ぶわ」


 そう言って、グミは携帯を取り出して、電話し始めた。




 それから、30分くらいたっただろうか。


 病院の入り口が勢いよく開き、ロリポップが姿を現した。


 そして、息を切らしながら診察室へ直行していった。






 しばらく時間がたち、日付が変わった。


 そして、あっという間に外は明るくなり始める。


 ガラガラッと扉が開き、医者が出てきた。


「できることは全部したわ。 あとは目が覚めるのを待つだけ」


 そう言う彼女は、能力をかなり使ったらしく、顔色がよくない。


「2階の病室まで運べる?」


 診察室に入ると、彼女の助手も貧血なのか、真っ青な状態で力尽きたように椅子に座っていた。

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