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World Breakers!!  作者: 佐々木逸勢
第2章 あの日の記憶
18/20

第18話 結末

 どのくらい時間がたっただろうか、先ほどの男が戻ってきた。


 呼吸は少し乱れ、変わったデザインの服は所々破れたりしていたが、大きなけがはなさそうだった。


「うまくいったみたいだな」


 彼女の傷口を見て男はやさしく微笑み、こちらに目線を合わせるようにして、180度宙返りをして天井に足をつけた。


 この男には、反重力の影響がないのか、髪が地面に向かって垂れている。


「さっきのやつは?」


「俺が倒してきたからもう大丈夫だ。少年、名前はなんて言うんだ?」


「たえ......」


 その男は、一瞬ピタッと動きを止めた。


「たえ...か。そうか、君が......」


 何かを思い返すかのように、頭のてっぺんから足のつま先に至るまで、男はまじまじと見つめてくる。


「えっと......」


 どこかで会ったことがあるのだろうか? この病院に生涯囚われていた俺には、ありえないことだが質問しないといけない気がした。


 そして、口を開こうとすると男はフッと笑って言う。


「いい名前だ。それにいい仕事だ。グッジョブ」


 仕事? 何のことか一瞬分からなかったが、すぐに彼女のことを思い出す。


「看護師さんッ…たッ助けて!」


「分かってる」


 男は一気に深刻な顔になり、彼女の状態を確認する。


「傷は塞がっているが、かなりの出血だな。俺は彼女を治療できるところまで連れていく。それに、他の場所でも襲われてる人がいるかもしれない」


 ポケットからボタン付きのデバイスを取り出し、渡される。


「たえ、君たちはここで救助を待つんだ。それでもし、さっきみたいに襲われそうになったら、このボタンを押すんだ、いいね?」


 問いかけに首を縦に振ると、男は彼女を抱き上げ早々に立ち去ってしまうのだった。


「また会おう、たえ」




 取り残された俺は、何とか立ち上がってシオンたちのいる所へよろよろと戻り、気絶するように眠りについていた。


 ここから1週間ほど、この病院で救助を待ったが、ここからの記憶は、ほぼ無い。




 そんな俺とは逆に、男は様々な場所で姿を現し、ボロボロになりながらも人々を襲うAIを撃退。


 その雄姿に人々は尊敬と感謝を以て彼を‟英雄”と呼んだ。


 男は、科学にも精通しており、最先端の技術を凌駕した技術力で、人体に作用する反重力を打ち消すデバイスを開発・量産・販売。


 その資金を元手に、World Breaker Coを立ち上げ、英雄・社長・ヒーローなど様々な称号を手にしたのだった。

第2章 完


次から3章に入りますが、ストックがだいぶ前からありません:(

週2回くらいの頻度で更新しますので、付き合ってくれたらなと思います!ではまた~

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