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World Breakers!!  作者: 佐々木逸勢
第1章 ありふれた日常
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第13話 最低限の本気

「ーーーミンチにしてやるよぉぉぉッ!」



 そう発したAIのボディには、長方形の穴が開いていた。



「ぐぉぉぉぉぉお!」



「鉄くずの寄せ集めのくせに、痛覚があるなんて意味不明」



「クソッ...クソがぁ!」



「首を狙ったはずなんだけどなぁ...まあ、次で終わりだからいっか」


 おかしいと思いつつもとどめを刺そうとしたその時だった。


「ちょっ…ちょっと待てっ! 俺にはもう金がないんだっ! このボディがなくなったら、俺はもう後がねえんだッ!」


「急に命乞い…? さっきまで殺意をむき出しに襲ってきたくせに都合のいいやつね。それに金? お金が何の関係があんのよ」


 定規を手元に戻し、目の前にいるやつの首元にあてる。


「もういいわ、一刻を争う状態だから、あんたはこの世とお別れよ」


「まじかよっ! 待てッーーー!」


 ゴフッ


 気が付くと私は地面に手を突き、ボタボタと口から真っ赤な鮮血を垂れ流していた。


 吐き気なんてなかったのに、なんで…





「キヒッ! ようやく効いてきたきたかぁ…」



 目の前の男はヨロヨロと立ち上がる。


「時間稼ぎ成功だぜぇ…」


 ニヤニヤと笑いながら、思いっきり蹴っ飛ばされる。


「ぐッ…」


「立場逆転だなぁ、どうだぁ? 地を這う気分はぁ……メスガキィ」




 また失敗した。


 こんなことになるなら、最初から本気でやるべきだった。


 やつを1撃で倒せる、最低限の本気を。




 だんだんと私の世界から色がなくなっていく。


 口の中が血の味がする。


 耳鳴りがひどくなってきて、もうあいつが何を言っているかもわからない。


 手から力が抜けていき、するりと手から落ちていく感覚だけがわかった。


 足に力なんてもう入っていない。


 なんとか能力を使って立ってる状態を維持してる。


 そんなギリギリの状態。


 さっきまで無傷だったのにどうしてこうなったんだろう…


 負けることはないという慢心…でしょうね……


 ……さて、


 現状の確認と反省はここまで。


 絶対に目の前のやつを倒す。


 20%。


 今出せそうな出力は20%ってところか。


 もう物の輪郭すらもぼやけて、こちらの攻撃が当たるかわからない。


 当たるかわからないなら、広範囲に。


 立つために割いてるリソースを攻撃に割く。


 ドサッと倒れた音が脳内で響いたが、痛みはない。


 周囲にある瓦礫や石を浮かせて、放つ...!



 宙に浮いた石は弾丸のような速さで、シャワーのように無差別に放射され、目の前の敵を穴まみれにするのだった。


「ーーーーーッ!」


 何を言っているかわからない。


 でも、無音の世界の中、やつの断末魔が聞こえた気がした。



「ハチの巣の完成ね......」















 ドシャッ.........


 夕方、客が1人もいない平和な病院の中に不穏な音が響く。


 そこには、血まみれの2人が倒れていた。

最後まで読んでいただきありがとうございます.

第1章 完!

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