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天獄  作者: 尺
第一章 業火の章
7/7

少年は帰る

新人です。お手柔らかにお願いします。


2人の悪魔は壊れた存在を愛し、滅んだ。

狂った存在を愛し、敬愛し、親愛し、

少年の魂の糧となった。


「自分の魂じゃ無いのに、使い方がわかるみたいだ。」


少年は呼んだ。悪霊を、身に宿すパイモンの軍団を。


「コウキ、ごめん。今治してあげるから。」


癒しの悪霊を使った。コウキの足が生える。硬まった体がほぐれていく。青白い肌が血色を帯びていく。


「あぁ、コウキ、良かった」

「んぁ?俺、確か…っ!あいつらはどこだ!

あれ?足がある。」

「もう、コウキ。何言ってんの?急に転んだと思ったら、気失っちゃうんだもん。」

「え?は?悪魔は?」

「なに、悪魔って。俺ら人類の敵は神でしょ。」

「…夢か。」

「疲れてたんだよ。きっと。」

「そうだな。帰ろう。」

「ほら、袋持って!」

「(袋も破れてないしな。)」


少年は癒しの悪霊をパシリ、アイスを買いに行かせていた。


時間は深夜1時。この時間に起きている女子高生は少ないだろう。そう思い、コウキとミツキは家に戻る。


「もう!みっくん!兄貴!遅いんだけど!」

「お兄ちゃん何してたの?」

「あ、あぁ。ちょっとな。(まさか転んで気を失ってたなんて恥ずかしくて言えない)」

「コウキが転んで気失ってたんだよ。」

「…おい」


「ヤバイ、深夜のハーゲンダッ◯とか悪魔的なんだけど。」

「はい!みっくん!パピ◯半分あげる!」

「え、良いの?ありがとう!」

「俺のはねえのかよ」

「はぁ…はい、どうぞ」

フタを渡すアン

「クソガキが」

「俺のあげるよ!」

「ミツキは優しいなぁ!」

手渡されるのはフタ

「クソが!」


「んじゃそろそろ寝るか。学校のメールとか来てるか?」

「ここ1週間は休みだって!武道場とか体育館は空いてるみたい!」

「じゃあ明日は稽古だな」


そうして長い1日が終わる。

少年は眠りにつくと、人間の手でできた王座に座っていた。


「お疲れ様です。ミツキ様。」

「お疲れ。ミツキ様」


悪魔達が目の前に跪いていた。

悪霊はオーケストラを奏でている。


「なんか君たち、さっきはもっと人間らしい姿というか、そこまで人間離れした美しさはなかった気がするんだけど。」


「はい、ミツキ様。私たち悪魔は本当の姿を人間に見せてはいけません。人間は私たちを見ると、暗闇に目が奪われ、盲人となってしまうからです。」


「なんで俺は平気なの?」


「ミツキ様は、人間であり人間じゃねェっていうか、なんなんだろうなァ。俺様にもわからねェ。」

「私の見解と、ミツキ様の魂に触れた感想から、確信を持てました。ミツキ様は、アダムの魂を継いでいます。」

「アダムって、あの?」

「はい、あの、アダムです。」

「原初の罪人ってやつだなァ。そりゃア悪魔に愛されるわけだ。欲望に忠実な俺様たちからすりゃァ、アンタ様は最高の主人ってわけだァ。」


少年には疑問が残る。


「じゃあ、なんでコウキは君たちに愛されてたの?」

「恐らく、ですが。ミツキ様の魂に当てられて光っていたのかと。」

「なんだ、俺がアダムならコウキはイブかと思ったよ」

「ハッ!イブのアマはまだ地上を彷徨ってやがるよ。魂の形を変えてな。」

「じゃあイブの旦那さん?の魂を持つ俺は恨まれても文句言えないんじゃ無いの?」

「それは問題ありません。ミツキ様。イブの魂を持つ人間も貴方様同様に原初の記憶を失っております。戻ることもありません。」

「なら良かったよ。」


少年は話す。美しい悪魔達と、愛されているのと同時に、少年は魂ごと彼らを愛してしまった。それは、神への冒涜に他ならない。神はまだ知らない。少年の存在を。







お目汚し失礼いたしました。

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