笑顔
新人です。お手柔らかにお願いします。
「おい、テメェ、なんでそんなに、」
「其方はやはり…」
「なんなんだ!なんなんだなんなんだ!母親も死んで!次は親友まで失うのか俺は!」
悪魔に怒鳴る少年
「テメェ、なんでニンゲンのフリなんかしてやがる。」
「私は、今畏怖している…」
ガタガタと震え出す悪魔達。
「なんだ!なんの話だ!」
「………テメェ、なんで笑ってやがる。」
「…………え?」ウツクシイ
少年は親友の溢れ続ける血に映る自分の顔を見た。
「あぁ、なんたる醜悪。なんたる美。なんたる薄汚さ。なんたる、愛おしさ。。。」
「俺様ァ、今、ナニと話してんだァ?」
少年は、笑っていた。人間とは思えない顔、あまりにも人間らしい顔。あまりにも、、おかしい。何故こんなに高揚している。
「ヤバイ。」最高だ。
少年は嘔吐した。自分の顔だと思えない。まるで紙粘土で固めた笑顔の面を顔に貼り付け、魚の臓物を口に詰め込まれたかの様な気持ち悪さ。しかし気分は爽快。
少年は神の失敗作だった。
少年は期待していた。
破滅を、
恐怖を、
軽蔑を、
愛していた。
「お前ら、俺を愛してるんだな?」
「はい、お慕いしております。」
「そうだ。」
悪魔の二人組は、跪いていた。
「そうか、だったら。コウキにはお前らを渡さない。」
「な、なにを!」
「なに、言ってやがるんだァ?」
「俺が使ってやる。」
「まさか、そんなことは!失礼を承知で申し上げますが、人間の体で悪魔2体を身に宿すとなると、人の身体は、耐えられません!」
「主が死ぬことは、許せねェ。」
「構わない。やってくれ。」
「あぁ、貴方様にやれと言われると。私たちは逆らえません。しかし、せっかく、ようやく見つけた貴方様が滅んでしまう。」
悪魔は、泣いていた。
「俺ァ、やるぜ」
悪魔は、決意していた。
「あぁ、やれ。」
その瞬間。少年の腹が開き、臓物が溢れ出す。
「あ?あぁぁぁあぁ?」
少年はわからない。何をされている?
腹の中を掻き回される。頭に蟲が入ってくる。
「あっははははは!
ぎゃははははは!」
誰が、笑っている?
俺を嘲笑っている?
「あはあはあはあひははははは
ぎゃははははははははははは」
違う。
笑っているのは
俺だ。
「あぁ、まさか」
「マジか。」
少年は身に二つの悪魔の魂を宿し
唯一の存在となった。
お目汚し失礼いたしました。
作品が面白かった、まだ見たいという方は
ブックマーク、評価の方お願いいたします。