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天獄  作者: 尺
第一章 業火の章
6/7

笑顔

新人です。お手柔らかにお願いします。


「おい、テメェ、なんでそんなに、」

「其方はやはり…」


「なんなんだ!なんなんだなんなんだ!母親も死んで!次は親友まで失うのか俺は!」


悪魔に怒鳴る少年


「テメェ、なんでニンゲンのフリなんかしてやがる。」

「私は、今畏怖している…」


ガタガタと震え出す悪魔達。


「なんだ!なんの話だ!」


「………テメェ、なんで笑ってやがる。」



「…………え?」ウツクシイ


少年は親友の溢れ続ける血に映る自分の顔を見た。


「あぁ、なんたる醜悪。なんたる美。なんたる薄汚さ。なんたる、愛おしさ。。。」

「俺様ァ、今、ナニと話してんだァ?」


少年は、笑っていた。人間とは思えない顔、あまりにも人間らしい顔。あまりにも、、おかしい。何故こんなに高揚している。


「ヤバイ。」最高だ。


少年は嘔吐した。自分の顔だと思えない。まるで紙粘土で固めた笑顔の面を顔に貼り付け、魚の臓物を口に詰め込まれたかの様な気持ち悪さ。しかし気分は爽快。


少年は神の失敗作だった。


少年は期待していた。


破滅を、


恐怖を、


軽蔑を、


愛していた。


「お前ら、俺を愛してるんだな?」


「はい、お慕いしております。」

「そうだ。」


悪魔の二人組は、跪いていた。


「そうか、だったら。コウキにはお前らを渡さない。」


「な、なにを!」

「なに、言ってやがるんだァ?」


「俺が使ってやる。」


「まさか、そんなことは!失礼を承知で申し上げますが、人間の体で悪魔2体を身に宿すとなると、人の身体は、耐えられません!」

「主が死ぬことは、許せねェ。」


「構わない。やってくれ。」


「あぁ、貴方様にやれと言われると。私たちは逆らえません。しかし、せっかく、ようやく見つけた貴方様が滅んでしまう。」


悪魔は、泣いていた。


「俺ァ、やるぜ」


悪魔は、決意していた。


「あぁ、やれ。」


その瞬間。少年の腹が開き、臓物が溢れ出す。


「あ?あぁぁぁあぁ?」


少年はわからない。何をされている?

腹の中を掻き回される。頭に蟲が入ってくる。


「あっははははは!

ぎゃははははは!」


誰が、笑っている?

俺を嘲笑っている?


「あはあはあはあひははははは

ぎゃははははははははははは」


違う。

笑っているのは






俺だ。






「あぁ、まさか」

「マジか。」


少年は身に二つの悪魔の魂を宿し

唯一の存在となった。


お目汚し失礼いたしました。

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