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じゅっなっなわめ:ハクの素顔

此方でも連絡を。

これから忙しくなりそうで、投稿頻度が更に落ちそうです。ほんと、たまにで良いので覗いて見てください。

※副題更新

 ハクは昨日と同じように、魔法を駆使して食器を用意した。お皿にフォーク、そしてカップを2人分机に出すと、魔法でカップに水を注ぐ。


「......コーヒー?」

「うん。頼むよ」


 確認を取り、それから水をコーヒーに変える。ハクの分は勿論紅茶にだ。


 ここまでの出来事にレオガイアも驚かなくなった。


「......ケーキ」

「あぁ、ごめん。今日は店員さんのオススメを買ってきたんだ」

「......わぁ......フルーツタルト」


 紙箱から現れたケーキを見てハクは目を輝かせた。ふわふわのスポンジケーキも好きだが、タルトも好きなようだ。


 レオガイアがそれぞれの皿に1切れずつタルトを盛り付ける。様々な果実が乗ったフルーツ多分のタルトを目の当たりにしてハクのテンションは高まった。


 昨日もこんな表情をしていたのか、とレオガイアは勿体なく思う。フードを被っていても喜びは伝わったのだが、やはり素顔の表情は格別だった。こんなにも良い顔で喜んでくれるのなら、この先幾ら奢っても損は無い、と。


「......いただきます」


 フォークで1口分を割いて、口へと運んだ。小さな口をもきゅもきゅと動かし咀嚼する。


「......おいしい......!」

「そう、良かったよ」


 口いっぱいに広がる果実の甘み、酸味。タルトのサクサク加減がまた良い。ハクの脆弱な顎でも十分に噛める程だ。


 昨日のショートケーキとはまた違う幸福感をハクは楽しむ。


 そこでふと、あれ、妙にすんなりと食べれたな、と不思議に思った。食べる時はフードの下から口に運ばなければならない。それはやはり面倒くさく、不便を感じるものではあった。


 そんな違和感を覚えながらも次の1口を準備する。フルーツタルトは1口1口で違う果実を食べる事で変化を楽しめるから美味しいよね、と呑気に。


 音を出さないレオガイアに視線を移した。何故だか昨日よりも良い笑顔だ。じっとハクを見つめ、ニコニコと笑っている。


 その視線に気まずくなり、フードを更に下げようと左手を動かした。


 空を切る左手。もう少し上かと動かすも空を切る。ある筈のフードが存在しない。ぺたぺたと頬まで手が届いた。


 そして気付いた。


「......あっ......!」


 現在、自分はフードを被っておらず、素顔を晒しているということを。


 取り落としたフォークがカランカランと音を立てて皿の上に落ちる。


 ハクは両腕で顔を覆い隠した。フードを被り直さないのは慌てていた為であろう。咄嗟の判断が鈍ってしまったようだ。


「......見ないで......!」

「ごめん、そればっかりは無理かな」

「......うぅっ......!」


 両腕では完全に顔を隠す事が出来ない。ハクの細い腕では尚更だ。


 やるなと言われてやりたくなるように、見るなと言われてもむしろ見たくなるのが人間の性。


 そういう意味でも、普段隠しているハクの素顔は一段と魅力があった。恥ずかしがって隠す仕草もまた相まって、レオガイアがハクから視線を逸らすことは無かった。


 再度視線が合った2人。ハクは遂に限界を感じ、椅子から降りて駆け足で部屋から出て行った。


「ハク!?」

「......来ないで......!」


 慌てて追いかけたレオガイアだが、ハクの声で立ち止まった。ハクは部屋のすぐ横で止まっている。逃げたい、と言うよりも視界から消えたかったらしい。


 もぞもぞとハクは動いている。フードを被り直しているのか、それとも何かを取り出しているのか。少なくとも嫌われ、逃げられた訳じゃないのかとレオガイアは胸を撫で下ろす。


 それから数分後、ハクが部屋の中に戻ってくる。フードは被っていなかった。


「......見ないで」


 やはりじっと見てくるレオガイアに対し、ハクは頬を膨らませて呟いた。


 外見、特に変わったところは見られない。先程何をしていたのか、レオガイアはさっぱり分からなかった。ただ、1つだけ差異を挙げるとするならば、瞳が紫色に変わっていた。

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