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ルリユール村

優真「さて次はどうしましょうか」


服屋で服を買い終えた私達は整備されていない石の転がった道をとぼとぼ歩く。


こういう石って蹴りたくなるよね。



「…泊まる所はどうするの?分からないけど、夜遅くになるとまずいのではないかしら」


ほら、モンスターとかうじゃうじゃいる所で寝たくないし。



優真「宿屋…ってことですか?ここら辺にあるのかな…」



宿屋…完全にド○クエの世界だ…あの印象的な曲が頭から離れない。




「逆にこういう所で宿屋がない所ってあるのかしら?」








確かに、ドラク○の世界の都合が良すぎたのかもしれない。




なんと、この村には宿屋が無いらしい。



「え、本当に1件もないんですか?」


村人「そうねぇ、この村は小さいから旅人も来ないのよ」


近所の主婦的なおばさんは洗濯物の入ったたらいを持ちながら言う。



マジかよ…



優真「この周りに宿屋がある村はありますか?」


村人「えーと…あるにはあるんだけど…」


そういうとおばさんの顔は少し浮かない表情になる。


「あるにはあるんだけど…?」



村人「少し遠いのよねぇ…ここから歩くと3時間はかかるかしら」


「さ、3時間…?」


村人「定期的にやってくる馬車も今日はもう終わりなのよね」


優真「そんなのがあるんですか?」



おばさん曰くこの村の人はそれを定期馬車と呼び1日に5本やってくる馬車に乗り、城下町へ買い出しに行くらしい。



たくさんの山に囲まれたこの村、ルリユール村は料理や服飾の面では発達しているが、

都市の政治や行政などに関しての情報がほとんど入ってこず、

この国からほぼ孤立状態になっているらしい。



「そうなんですね…」



村人「ど田舎のこの街には旅人も若い人もやってこないから今の人口はピーク時の10分の1しかいないの。」


ルリユール村では少子高齢化が進み、年々小さい子達のはしゃぐ声は消えつつある。

せっかくこの村で育った若い人達も城下町へ働きに出てきて帰ってこない。


まさに日本の東京や大阪に人口が集中しているのと同じね。



「じゃ、じゃあ今日泊まる場所はどうしよう…」


優真「馬車も無いなら歩くしかないけど…」



村人「そうだわ!今夜はうちに泊まればいいわぁ!」


いきなり大きい声を出したおばさんは

ポカンとする私達をよそに、自分の自宅かどこかに走って行った。

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