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衝撃的☆お昼ごはん

頭の中で情報を整理している間に私たちは人混みに飲まれてしまった。


優真「さ、紗希さんっあんまり遠くに行かないで下さい!」


優真君はガシッと私の手を掴む。


現代の子って積極的だなぁ…



何とか2人で人混みを抜け出し、路地裏のような所へ入る。


「はぁ…はぁ…本当、ここって何なのかしら。訳が分からないんだけど」


優真「…俺もです」


どうしよう。

これじゃお先真っ暗じゃないの。



あれやこれやと考えていると、



ぐうぅぅぅ


「え?」


思わず間抜けな声が出る。


優真「はっ!すみません!」


優真君のお腹が鳴ったらしい。そりゃそうか。

あれから何時間か経った頃だし。


そう考えると私もお腹が空いてきた。


「お腹、空いたね」


優真君と目を合わせる。


残念ながら私は無一文だ。

優真君もそうだろう。どうすることも出来ない。

餓死コース決定だ。


優真「俺、お金少し持ってるんで、食堂か何かに行きましょう」


……え?


何でお金持ってるの?


大量のはてなが浮かんだ所で答えは出ないので、黙って優真君に着いて行くことにした。


人の流れに沿って歩くと、大衆食堂のような場所に着いた。


大きい木の扉を開けると、中はガヤガヤと賑わっていて、

美味しい匂いが広がった。


「うわぁ、凄い…」

優真「ここで食事が出来そうですね。何か頼みましょう。」


さっきまでの優柔不断とか自己主張無いとかいう偏見撤回。

やっぱ頼れるわ。



手のひらを思いっきり返した所で、正面のおばさんがいる所まで歩く。


おばさん「おやおやいらっしゃい。ご注文は?」


田舎にいそうな優しそうなおばさんで安心。

東京はたまに凄い形相で睨んでくるおばさんが居るから怖いんだよね。


おばさんに差し出されたメニューを見ると、


”ゴブリン肉の燻製―特製ソース付き―”とか

”スライムのネバネバコラーゲンスープ”とか

”マンドラゴラのサラダ”とか。


いや想像通りだけどなんか違う。


もっとグロテスクな奴を想像してて、拍子抜け。

”芋のグリル”とか”厚切りベーコンパスタ”とか普通のもあるし。


横にあるイラストはめちゃくちゃ美味しそうに描かれていて、食欲をそそられる。



何を食べようか迷っていると、ふと疑問が頭に浮かぶ。



何でこのメニュー日本語なんだろう。


というかおばさんも普通に日本語喋ってるし。


どういうこと?


此処が異世界ならよく分かんない言語で会話するんじゃないの?

なんか、ドワーフ語みたいな。


優真「紗希さん何食べる?」


「あっ、じゃあこの”キノコ鍋定食”で。」


一瞬でその疑問は頭から消えた。


異世界にいる時点でなんかもう色々おかしいし、そこにつっこんだら負けな気がした。


優真「俺はこのミミックパンケーキで。」


いやミミックパンケーキって何。


おばさん「キノコ鍋定食とミミックパンケーキね。1240Gだよ」


優真「はい、これで足りますか?」


優真君はゴソゴソとポケットから出した大きい金貨をおばさんに渡す。


おばさん「……!これはまさか…あんた、もしかして…」


…?もしかして?


優真「?これじゃ足りませんか?」


おばさん「いやいや!ほらお釣りだよ」


そう言ったおばさんの手には沢山の金貨が入った袋が。


この状況に着いていけないんだけど?



優真「あれ、こんなお釣り貰えるの?やったぁ」



おばさんの顔が蒼白としている中、彼はニコニコと金貨を眺めていた。


優真君って何者?


指名手配犯?



私の心配をよそに、食事が席に運ばれてきた。


私の頼んだキノコ鍋定食は、


茸と野菜と鶏肉が入った鍋とパンとサラダのセット。

鍋は湯気がたちこめていた。


優真君の頼んでいた謎のミミックパンケーキは、その名の通りミミックの形をしたパンケーキみたい。

細かい所までデザインが凝っていて、クオリティ高過ぎ。


優真君は何の躊躇いも無くミミックにナイフを突き刺すと口に運んだ。

怖い!!




彼の一面に驚かされた昼間だった。

想像で出した、ミミックパンケーキ。

ちょっと食べてみたいなと思いました。

普通に考えたらあんな難しい形を表現するのは難しいと思うんですけどね。

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