夢うつつ
こんにちわ。作者の鳥川銃海です。
(何度も主張しますが)初投稿です。
生温い目で見ていただければ光栄です。
異世界モノに挑戦してみたかったので、頑張ります。
いつもと変わらない日々。
変わり映えのしない日常。
何の変哲もない事務作業。
私が生きる意味って何なんだろう。
毎日繰り返す問いに、答えなんか無い。
疲れた身体をベッドに倒すといつの間にか眠っていた。
???「起きて、起きてよ」
誰だろう
聞き覚えのない声が耳に響く。
???「起きてってば!!」
次の瞬間、頬に衝撃が走る。
勢いで身体を起こすと、
「……いったぁ!?」
???「あ、起きたんだね!おはよう♡」
いや、いきなり過ぎでしょ
目の前に居たのは、自分よりいくつか年下に見える童顔の男。
何処かで見たことあるような、無いような、
どこにでもいそうな人。
「あんた誰…」
???「えっと……」
男は言葉を濁し、俯く。
ふと、前の彼氏を思い出した。たしかあいつもこんな奴だったな。優柔不断っていうか、自己主張が無いっていうか、自分の意見をしっかり言えない人。
って、今こんなこと思い出してどうする。
男の答えを待つ間に、色んな情報が目に入ってきた。
…此処どこだよ
周囲をぐるりと見回す。
私さっきまで自分の部屋で寝ていた筈じゃ。
私と男がいるのは、何かよく分からないド○クエに出てきそうなダンジョンの部屋。
石畳の床は冷たい。
周りはほのかな灯りに包まれ、炎がグラグラと揺れている。
訳わかんない。
まさかあの男がここまで連れてきたの?
いや、そんな訳ないか。
普通の脳みそじゃ処理しきれなくなってきた。
すると、男が
???「あ、あの…俺、自分が誰だか覚えてないんです」
次の瞬間私の脳は理解することを諦めた。
・・・
「あ、あれ夢じゃないの…」
さっきの衝撃で私は後ろにガクンと倒れ、頭を打った。
そしたら、夢から覚めるかなって。
違った。
夢じゃなかったわ。
???「良かった…起きたんですね」
男はニコニコ座ってるし。
もう意味分かんない。
本当誰だお前。
「ごめん、私気失ってたんだよね?」
???「はい、そうですね」
「ここが何処か分かる?」
???「…いいえ、俺も目が覚めたら此処にいたんで…」
「チッ…」
???「え?」
「いや、なんでもない」
危ない危ない。私の本心がバレる所だった。
「此処が何処か調べる前に私の簡単な自己紹介だけしとく。
私は戸山 紗希。君は…名前分からないんだっけ?」
???「は、はい…記憶が無くて…」
男は頭を掻き、へへへと笑う。
笑い事じゃねーわ
普通だったら大惨事だわ。
この状況の方が大惨事すぎて記憶喪失の大変さが霞んどるっっっ
「名前が無いと呼ぶの不便だし、名前こっちで決めていい?」
???「は、はい!」
「うーん、じゃあ………優真で。」
優真「ありがとうございます!…紗希さん」
優真君は、満面の笑みで笑う。
…元彼の名前ってことは内緒にしておこう。
優真君はおっとりしてそうな雰囲気で、中身も何かフワフワしてる。
若い人は何て言うんだっけ、こういう男の子。
草食系男子??
いやよく分かんないけどとにかくそんな感じ。
軽くコミュニケーションを取った後、部屋の中の詮索を始めた。
中は私たちしかおらず、だだっ広い部屋の中を2人でペタペタ歩く。
なんか、怖いなぁ。
ドラ○エだったらこん棒持ったトロールが出てきそう。
淡い炎のお陰で道が照らされているが、いつ消えるか分からない。
優真「ここって何なんでしょうかね」
「さぁ…そもそも日本なのかしら。」
そんな妄想もしちゃうくらい、
異世界な感じが醸し出されているこの空間。
ただただ広いだけで、出口があるかも分からない。
もしかしたら、一生このまま歩き続ける?
そう考えたら寒気がした。
数十分歩いただろうか。
視界の先に、少しの明かりが見えた。
「ねぇ、優真君。」
優真「さ、紗希さんあれって…」
「恐らく出口よ!早く行きましょう!」
優真「はいっ!」
私たちは走って明かりに向かった。
眩しい光に思わず目が眩む。
目を擦ると、その先には。
「…こ、これは…街…?」
優真「なんだ…ここは…」
ガヤガヤと沢山の人が賑わう街に、私たちは出てきた。
思わず後ろを振り返ると、私たちの歩いて来た道は消えていた。
「どういうこと?」
すれ違う人たちの服装は、現代の日本では見ないデザイン、質感の服ばかり。
…有り得ない。
まさか、本当に、
私たちは異世界へ飛ばされて来たの?