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98 閑話~魔女と使い魔とその下僕~

主人公サラと、男爵様の私設執事兼主人公からのスパイと、スラムのボスの話です


目線はクソを使った肥料で農業をやらされているスラムのボスです



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「・・・というわけで新型の媚薬の『月の雫』はヘッドアッシュ伯爵に販売をまかせるのが良いかと思います」


ネックホールダ―男爵の私設執事がアマン商会会頭のサラに報告していた




オレはスラムにあるタダのゴロツキ集団の三代目だ


それなのになぜオレの目の前で密談が行われているんだろう?


不思議だよな


盛大に文句を言ってもいいよな?


いや絶対に言っても許されるよな?




まあ実際には言えないんだけどな


魔女サラによるせん滅がまっているからな






こんなことになったのもアマン商会に手をだしてせいなんだけどな


そして会頭サラに手下ともどもボコボコにされた


命を助ける代わりに下僕になった





自業自得?


ああその通りだ


そんなことは判っている




だが元貴族の小娘が大勢の大人をまとめて倒すとかありえないだろうと言いたい


まあ貴族というのは魔法を使えるから貴族なわけで、それを忘れていたオレが悪いんだがな




もっとも貴族の魔法は戦争に使うものだ


いわば戦略兵器


そんなのをスラムのゴロツキの頭のオレが知っているわけがない


話には聞いていたが見たことがないんだから判断を誤るのも当然だ


まあそうでも言わないとやってられないんだがな(涙)




大体、スラムの人間を従わせるならば普通剣で脅すだろうと言いたい


あと賄賂か貴族の名前を使って脅すとか、だな


わざわざ魔法を使って100人切りをするなと言いたい


まあ所詮は負け犬の遠吠えなんだがな





負けたおかげでクソにまみれる日々だ


勝者サラの言うがままにクソを集めて近くの村に運ぶ


そして畑にまいている




完全な罰ゲームだ


ちょっとくらい文句を言ってもいいだろうと思う




一応言っておくがボスのオレがクソにまみれるわけではない


なにせゴロツキどものトップだからな


一番臭くて汚れる仕事はスラムの人間にやらせている


オレの部下はその監督


そしてオレはさらにその監督


正確にはクソにまみれではいない





だが部下からは


「臭くて食事を食べた気がしない」


だの


「身体に臭いが付いて女遊びが出来なくて困る」


だのとの報告がくる


クソにまみれなくてもクソに振り回されてる日々だ






おまけに魔女からの


「部下はいたわってあげてね(ニコッ)」


とか言ってくるからスラムの中に風呂を作ったりと大変だ




だからある意味クソに振りまわされているとも言える





おまけにオレ達のことを信用していないから


時には魔女本人が直接畑を訪ねて


時には畑の近くを通る商人をスパイとして送り込み


時には働いているスラムの人間を手なずけて逆監視をし


「不届き物が居ますわね」とクソを肥料にする技術を売ろうとした手くせの悪い部下のことを逆にチクってくる


不届き物を半殺しにする仕事までついてくるといったように目の回るような日々だ




順調に作物が育って儲かっているから無碍にもできない


いやどんな場合でも「No」と言った時点で地獄行きだ


死んだ方がマシな状態になるはずだ


確かめはしていないがな





働いた分食えるからスラムの人間からは感謝されている


その分親玉オレと手下どもが魔女サラの相手をして悲惨なんだがな




ある日突然ささいな理由で


「アイツを処分しなさい」


なんて宣告が魔女から来るから皆がビクビクだ







そんな忙しい上に命の危険にさらされるという波乱に満ちた生活を送っていたら、悪魔サラが場所を貸せと言ってきた


こちらの都合とか関係なく問題無用だ




当日、いきなり男爵の執事が尋ねて来た時は全員がパニックになったな


なにせ礼儀正しくにこやかに笑っているが目が全然笑っていない


魔女と同じ側の人間だ


たぶんオレ達が目の前で殺されても眉一つ動かさないだろう


実際オレの手下達が大勢いる中を平然と歩きやがりましたとも





「あ、オレ仕事があるのを忘れていました」


とか言って部下達は逃げた


あぶない人間から逃げるのは当然だがオレは逃げれない


ボスだからな


魔女サラの居る密談場所 ~つまりオレの書類仕事部屋~ まで案内した




そして始める魔女とその手下の密談




新型の媚薬?


伯爵?


儲かる?


そんな危険な話をスラムの人間オレに聞かせるなと言いたい

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 主人公の扱い 概念だけでなく、実体が久っっっっっっっっっしぶりに登場したのと思ったら、それが閑話である“主人公”の立場。 この作品は某お婿さんな男爵とスラムのボスがW主人公だな。 と…
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