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92 ネックホールダ―男爵の友との和解(その16)

ネックホールダ―男爵は逃げました


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「いえ私は今の男爵ちいで満足してますので辞退させていただきますです、はい」


伯爵様からの提案を丁寧に断った





子爵を潰してその後釜なんて地雷以外の何ものでもない


爵位に目がくらんで受けたら大変なことになるだろう


主に潰した子爵の家族とか親戚筋とかから





・・・本当に伯爵様はイイ性格をしている


いや十分に知っていたけどな





何せ


「夜会を開催するから手伝って」


と呼び出されてこき使われたことがあるんだ


その時に十分思い知ったね




仲の悪い貴族がかち合わないように手配したりとか


見くびられないように酒を買いだし ~男爵の地位をたてに無理矢理売らせたとも言う~  たり


料理の食材 ~主に香辛料~ を用意 ~持っていそうな貴族の家に突撃して脅迫まがいに分捕る~ したり


したからな





執事ができないダークなことを男爵と伯爵の名を使って好き放題した


いやさせられた




いままでその有能さは夜会やら派閥維持に向けられていたので寄り子の貴族おれには発揮されなかった


早い話、育ちが良いので身内には発揮されなかったわけだ




でも伯爵様がその気になれば寄り子にだって向けられることがある


たとえば何時までたっても和解しない子爵と男爵の仲違いとか、だな





どうやら伯爵様も今回の一件で一皮剥けた、というか成長したようだ


・・・けっしてあそこが剥けたわけではない





地位にふさわしいダークさが標準装備された伯爵様はまさに地位を盾にやりたい放題だ




声を荒げて怒鳴るわけでもなく


物に当たるでもなく


脅迫するでもなく


怒気を発するでもなく


ただ静かに淡々と諭すだけ




たとえるなら言葉責め?




伯爵様の中では結論がでているんだけどあえて聞く


愛想がいいし、相槌を打つけど結論は変わらない





顔は笑っているけど眼が笑ってないんだ


『こちらの言いたいことは察してね』


そういうこと




こちらは白旗をあげるのが最善手だ


下手に「でもちょっと」なんて言おうものならば酷いことになる


たとえば汗ダラダラの目の前の子爵みたいに




仕方がないし、結構子爵様も困ったようだからこの辺で許してやろう









































なわけないだろう


それはそれ、これはコレ、だ



伯爵様には敬意を払うし尊敬もする


だが子爵はたとえ本人が謝ろうとも絶対に許さん





思い出して怒れてきて眠れない日を何度過ごしたことか


日常でふと思い出してイラついたことがあっただろうか


それが頭を下げるだけでチャラとか絶対にないな



全力をもってイヤガラセをしてやろう


伯爵様の顔を立てながら














・・・なんか生きる気力が凄く湧いてきたぞ




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実は逃げませんでしたというオチ

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