81 ネックホールダ―男爵の友との和解（その5）
フランツ＝スカーフェイス子爵目線です
学生時代に友達にバカ言ったせいで復讐で『旅人（の葉）』を売って貰えません
おかげで親戚の小母様達から集中砲火を浴びています
ある意味ざまあ？
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「本当に手に入らないのよ？困ったものとは思わない？」
叔母が『私本当に困っているよの？』といった感じで話しかけてくる
「ええ本当ね、歳をとると太りやすくなるのよね、切実な問題だわ」
伯母がダメ押しをしてくる
「・・・大変申し訳ありません・・・」
そう答えるのが精いっぱい
誰か助けてくれ、と思うがこの場に子爵当主の味方は誰もいなかった
このお茶会がいつまで続くのだろうか・・・
事の起こりは母親から
「たまには別邸に来て顔をみせなさい」
という手紙が来たことだった
父から爵位を譲られた際、両親は別邸に引っ越した
早い話が隠居だ
もっとも家の仕事をしなくなっただけだ
それなりの財産があるので遊び暮らしている
芸術家を支援したり、お茶会や狩りに行ったりと日々忙しい
当主は領地の経営と派閥社交に忙しい
だからオレの手のまわらない分野をサポートをしてくれている、というわけだ
でも新年など機会があれば妻と子供を連れて挨拶に行くし、夜会とかでバッタリ会ったりする
だからわざわざ「会いに来い」と呼ばれることはなかった
何かね？
うちの子供の縁談でも舞い込んだのか？
そう思って安易に別邸に訪ねた
メイドに案内されさ先は魔女達、ではなく、うちの女性陣が待ち構えていた
席に着くように言われたので大人しく座った
かなりヤバい？
そう思ったな
大体、昔からこのメンツからは怒られたことしかない
こんな時に限って当たるから困ったものだ
叱られているのか叱られていないのかよくわからないが、良く考えると叱られているという地獄が待っていた
・・・真綿で首を絞められるように締められた
『旅人（の葉）』が手に入らないと愚痴られた
なんでも新しく売り出されたものはダイエットに良く効く（そうだ）
従来の旅人に何やら痩せるものが追加された（そうだ）
専用の器具で煙を吸うとス～ッとする（そうだ）
それがダイエットによく効く（そうだ）
だから貴族の女性はこぞって買い求めている（そうだ）
ところがある特定の貴族家と王族には売られない、いや売ってもその量が少ない（んだそうだ）
その特定の貴族の一つがウチとその親戚だった（そうだ）
困ったものね
ネチネチと愚痴を言われた
・・・いや知っていたけどさ
従来の男好みの『旅人』も手に入らないんだ
もちろん売主がアレ（過去に喧嘩別れした友）だから報復なのは言われなくても判っている
だから他の貴族から高値で買っている
男には譲れないものはある
いくら自分が悪いと判っていても、だ
・・・でも女性陣には判って貰えないだろうな
イヤミの嵐にどこまで耐えられるだろうか（涙）
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長くなったので次に続きます
1000文字を過ぎると読み返すのがつらくなるんですよ
新しい識字障害でしょうかね？
