異世界婚約破棄奇譚（連載版）

80 ネックホールダ―男爵の友との和解（その4）

寄り親の貴族目線です

そう簡単に仲直りはできませんでした

簡単にいったら今頃世界は統一されて平和になってますからね

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伯爵（わたし）が

「きちんと仲直りしろ」

と男爵に言ったところ

「仲直りはしましたが？」

男爵がそう返事をしてきた

男爵は『何を言われているのか判りません』といった顔をしていた

違うだろうと思った

仲直りをしたと言っても『旅人（の葉）』を相変わらず売っていない

だから周りは一向に和解したと思わない

それどころか伯爵（よりおや）としての手腕さえ疑問に上がる始末

貴族なんてものは人の足を引っ張るのが仕事といっても過言ではない

おかげで寄り親としてのメンツが丸潰れだ

早々に対策をしないと伯爵（こちら）まで被害が及ぶ

いやすでに及んでいるから早急な火消しが必要だ

きちんと言ったはずなのだが男爵は全然判っていなかった

いや多分わざとだろう

子爵の方から仲を取り持って欲しいと申し出があった

それも当主ではなく伯父の方から、だ

あと叔父と従兄弟も、だな

当主からでないというのが気になって調べてみた

ガチで仲が悪かった

・・・いや貴族で仲が悪いなんてありふれているがな

それでも依り子の貴族からの願いだからやるしかない

幸いにも男爵と子爵だ

伯爵（じぶん）の地位と権力で簡単に解決するだろう

そう思った

しかし想像以上に怨みの根は深かったようだ

夜会で男爵を捕まえて話してみてそう思った

男爵の頑なさにため息が出そうだったが仲裁を再開することにした

・・・でもどうやったら仲を修復できるんだ？

本当に教えて欲しいものだ