69 とある悪党の親玉の視察(その2)
前の話の続きです
悪党のボスの苦労話です
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「スラムの人間を使いなさいよ」
そう言われた
頭が真っ白になった悪党首領
いや本当に頭の中が真っ白になるんだよ
大人になって初めて知ったぜ!
・・・悪魔とは絶対に判りあえないな
だって組織の部下数十人が街のクソを集めたんだぞ?
いままで培った威厳とか権威ってものが台無しだ
泣く泣くクソを集めてた苦労を返せ!、と言いたい
いや言わないがな
言った途端
「だったら楽にしてあげるわ」
とか言ってきそうだからな
言うだけでなく本当に二度と苦労も食べることも楽しむこともできなくなるんだからタチが悪い
まあそんなわけでスラムの人間を集めて仕事をさせた
クソ集めだがな
あ、あとクソ撒きもか
もちろん組織の部下は見張りだ
・・・クソ集めから解放された部下のオレに対する忠誠心が上がったが全然嬉しくない
あ?
スラムの人間がなんで喜んでクソを集めたのか?、だ
野菜が大量で肉がちょっぴりなスープだが腹一杯食べさせるんだから当然だ
言っておくが悪党頭領じゃないぞ
悪魔が言い出したんだ
クソ撒きが終わって近くの川で身体を洗ったら楽しい食事の時間だ
(この頃は暖かくて川に入っても問題なかったんだよ!)
クソ撒きする近くの村にスープがあるから受け取って好きなだけ食べろ
男も女も子供も関係なく腹一杯食え
人が集まらないわけがない
いやスラムの大半が集まったな
子供でもOKだというのだ
来ないはずがない
もちろんその費用は悪党組織持ちだった
この悪魔っ!




