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68 とある悪党の親玉の視察(その1)

主人公サラとその手下のお話です


御愁傷様?

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「とてもいい景色でなくて?」


悪魔サラが嬉しそうに問いかけてきた




「・・・そうですね」


イヤイヤながら返事した





確かに目の前に広がる麦畑は壮大だ


見渡す限りに金色の絨毯が広がっている


そしてそれを刈り取る農夫たち


実にのどかな風景だ


・・・オレの組織が使われた結果でなければなっ!









あれは悪魔サラによってオレの組織が制圧されてすぐのこと


一つの命令が下った


『クソを集めて指定の所まで運べ(要約)』





意味が判らなかった


いや嫌がらせかよ!って思ったな





人に嫌がることをさせて屈辱に耐えるのを見て喜ぶ鬼畜だと思った


もちろんやったがな


街中に落ちているクソを集めたぜ






言っておくが貴族の屋敷がある区画ならいざ知らず普通の街中にクソがあるのが普通だぞ?


貴族の馬車が通った跡なんて馬のクソが垂れ流しだ


道端の隅には各家から出たクソが捨てられている


クソを踏まずに歩くのなんて皆慣れたものだ






そんなあって当然なものを集めるんだ


こいつら何やっているんだ?


街中からそんな目で見られたな


おまけに手下からは口には出さないが不満顔だった





もちろんそんなのはまとめて無視だ


自分や子分の命の方が大事だ


・・・泣いてもいいか






街のクソを集めた


それを荷台に乗せて街から1時間ほどの村まで運んだ


そして穴の中に入れた





指示がそれで終わればよかった


いやそれだけでも十分に酷いんだがな





クソを投げ入れた穴のすぐ隣にはなぜかクソが目一杯溜った穴があった


その古くなったクソをくみ出して村の外の荒野に撒けというのだ






古くなったクソの匂いといったら凄かった


目に沁みた


鼻で息をしないようにしていても匂いがガツンときた


それを荒野に撒け?


全く判らん



お前らなんてクソがお似合いだという嫌がらせか?





臭いは


重いは


意味わからんわ


の3重苦で部下から思いっきり怨みがましい目でみられた




まあ、ボスであるオレの命令には従順だからやることはやっていたのだけが救いだ


これで反乱とかされたら目も当てられないからな




でもオレもただ立っていただけではないぞ


部下のやる気が日々下がっていったから悪魔サラに苦情を言ったさ


まさに命がけだったがな!


・・・死ななかったオレを褒めてやりたい






「嫌なの?死にたいの?」


そんな事を言って殺しにくると思っていた





ところが実際は


「何?


自分たちでやっているの?


バカなの?


スラムの人をつかなさいよ」


だった






クソっ!


オレ達の苦労を返せ!


と言いたいぜ


・・・ダジャレじゃないぞ






じゃなくって


使っていいんかいっ!


思わず突っ込んだ


・・・悪魔サラに突っ込みを入れて死ななかったのはオレだけだろうな

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