63 ネックホールダ―男爵の舞台裏 ~主人公サラの悪だくみ2~
舞台裏がまだ続きます
主人公がヒドイ?
そりゃそうです
真面目に国を滅ぼす気満々ですからね
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「貴方達もイイアイデアがあれば言いなさい
(内容が)良ければ製品になるわよ?
そうすれば大金持ちよ?」
悪魔が意外なことを言ってきたのでポカンとした
それを見て悪魔が嗤って言った
「貴族というのは呼吸するように人や物を支配する存在よ?
長年、そのために品種改良されてきた種よ?
自分で考えて動くくらいは当然よ?
だから男爵の提案は予想していてよ?」
悪魔がそう言った
貴族なんて平民に寄生するだけの存在
先祖が偉いだけのただのクズ
そう思っていた自分を殴ってやりたい
・・・目の前に人外だということを証明する悪魔がいるだろう
「5人の貴族を使って、1人から提案があったからまずまずの出だしね」
そう言ってきた
いや5人に1人では少ないんじゃないか
そう思ったら顔に出たらしい
「あなたの所は数十人いるのに提案一つしてこないじゃない」
逆に責められた
「・・・申し訳ありません」
とりあえず謝ってみた
言葉一つ間違うとそこで人生が終わるんだから仕方がない
・・・早く帰ってくれないかな
そう思ったオレは悪くない
スラムの悪党でもここまで酷くないぞ
「男爵に全てをまかせるとして、実際の人手なんかはそう簡単に集まらないでしょうから、そこはアナタが手助けしてあげていただけて?」
お願いという名の命令が来た
好き勝手してよいと言っておきながら実際は現場の実権をしっかり握っておくつもりらしい
利益の半分を貰うとか言っていたが実質はもっとだろう
見えない所でしっかり儲けるつもりらしい
・・・守銭奴もここまで行くと感心するな
聞くこと聞いたから早く帰ってくれないかな
「しかし困ったわね
男爵からボトムアップが来たなら他の貴族からも提案がきそうね
用意していた『月の雫』をどうしようかしら?」
首を傾けて可愛く言ってきた
・・・所作は可愛いが、内容は最悪だった
どうやら男爵からの提案がなければ『月の雫』とやらで強制的に働かせるつもりだったらしい
ヘタな悪党よりも達が悪い
・・・もう帰ってくれないかな
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『月の雫』は媚薬です
貴族というのは血統が大事です
当然、子作りに励むわけです
でもすべての人間が相手に納得して結婚するわけではありません
家と家の関係で無理矢理嫁がせられる事の方が多いです
そんなニーズにこたえて媚薬を用意しました
媚薬の中身?
そこは御想像にお任せします




