52 とある悪党の親玉のおかしな日常
貧民街に巣食う悪党の親玉の話です
アイルビーバック、ですね
ネタ振り回です
主人公の復讐は少しづつではありますが進んでいます
最後にはぴったりはまる予定です
・・・しかし人を陥れる策謀は楽しいですね
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「うさぎを数匹用意していただけるかしら?」
小娘が言ってきた
いやまて『旅人(の葉)』はどうなった
ツッコミを入れた
この世界、輸送はすべて馬車だ
街から街へと数日かけて荷物を運ぶ
それが次から次へと繰り返されることで遠くまで荷物が届く
その際に問題になるのが夜の見張りだ
野犬から盗賊、あるいは同業他社からの襲撃と夜はイベントが盛りだくさんだ
少しの気の緩みでうたた寝をするとそれでおしまい
全滅なんてことは珍しくない
そんな時に必要なのが『旅人』と呼ばれる木の葉だ
噛んでいだけで眠気が覚める
南の方で獲れるという貴重品
それが手に入るとなれば手を出さないという話はない
高値で売れるからな
たとえ胡散臭くても、問題がない
悪魔とだって取引をするぞ
だから話を持っくるのを待っていた
だが毎朝、訪ねてきて世間話をしてお茶を飲んで帰っていくだけ
嫌がらせか?
こっちが嫌がらせをしたから仕返しか?
なぜだか部屋に一緒にいるだけで気分が悪くなるんだ
別に触ったりしないし、近づいたりもしない
変なモノを飲まされたりもしない
・・・どちらかというとこちらの用意した紅茶を毒味もせずに平気で飲んでいる
3日で音をあげて逃げ出した
不気味すぎる
旅人はただの口実で実際には殺りに来たと言われた方が納得だ
タネも仕掛けも判らないがな
そうしたら残った手下全員が潰された
ちょっと遅くアジトに着いたら全員が床に倒れていた
・・・死んではいないから警告だろうと思うがな
しかし、毒か?
新型の毒なのか?
適当な口実で近づいて効果を確かめているのか?
そのために近づいたのか?!
問い詰めたい
いやしないけどな
この稼業、弱みを見せた方が負けだ
多少の部下の犠牲には目を瞑っておくべきか
それともキッパリ手を着るべきか?
切り出すきっかけを探っていた
そしたらさらなる要求が来た
「おとなして綺麗なウサギが欲しいわ」
いや『うさぎ』という隠語が出てくる所がオカシイ
見目麗しくて従順な汚れていない生娘を集めてどうするつもりだ?
いや聞きたくないけどな
小娘オレ達よりも悪党だぜ・・・




