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38 とあるスパイによる喜劇

貴族派の元締め目線です


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「以上が、ナウウエルリバーミッドアイランド子爵夫人による暴露後の混乱の報告です」


王宮に侍女として放ったスパイが淡々と報告を終えた





「・・・」


あまりのことに呆れて声がでませんでしたわ





国王派の貴族のバカさ加減に呆れればよいのか


バカな貴族のたづなをとれない王妃を馬鹿にすればよいのか


こうも簡単に内情を探られる王宮の警護に呆れればよいのか


長ったらしい貴族名をことなげに何度もスラスラと言う間諜の侍女の有能さに驚けばよいのか




・・・私の脱力の原因はなにかしら?





わたくしの目の前で立っている間諜娘が指示を待っているけれど、あまりのことに考えがまとまらないわ


そりゃそうですわよね


昨日の国王派の夜会での出来事が翌日の昼前、つまり今ね、報告されてればね






貴族にとっては情報は命綱


自分に有利なところに伝えるし、不利な所へは伝わらないようにするものです


普通2~3日後になって初めて世間に噂として出てくるようなもの


それが昨日の今日で知ることになっていれば、驚くより、呆れるより、人間の形をした正体不明の生き物としか見えなくってよ?






まあ、何時間でも待たしておいても問題がないのだけど、弱みをみせるのも癪というもの


「あなたは優秀ね、王宮での年季が明けたなら、ぜひ私の娘のそばに仕えてもらえないかしら」


とりあえず時間かせいを兼ねて勧誘してみた





「恐縮です」


全然恐縮してない返事が返ってきたわ


あなた本当に10代の小娘?


中身に老婆が入ってなくて?





はじめて上がった王宮


はじめての下級侍女仕事


どこぞの(詳細は知っているけど)貴族家の4女という話




普通は王宮での侍女勤めに浮かれて、こちらが求める知りたいことについて考えもせずに自分の見たこと聞いたことを延々と垂れ流すだけ


ところが諸々の事情で ~人手が足りない等々よ?~ 他家での侍女仕事を覚えるという下済みをしていないばかりか、雑用専門の下級メイドとして送り込まれたにも関わらず10年も続けている者と同じかそれ以上の働きをしてきた




これはおバカな国王派の対応より優先する案件かしら?


有能な者は得難いものだし?





「あなたは命じられたら、わたくしのことも探るのかしら?」


そう言ってみたら


「私は只の道具です、そのような判断は分を超えますのでお答えできません」


と予想外の返事が返ってきたわ




普通は「そんなことはありません」よね?


・・・味方にすべきかしら?、それとも始末を命じるべきかしら?


悩むわね

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