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29 ワンブリッジ家バトラーの災難

学園でサラをいじめていたホークマスター子爵家令嬢の元婚約者(ワンブリッジ家)の執事バトラーの話です


って長っ!


・・・この分なら、ジュゲムになる日も近いですね


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「大変申し訳ありませんが、私では貴族派の皆さまをどうすることもできませんので・・・」


商会長のサラが申し訳なさそうに頭を下げてきた





一見、殊勝な態度だがオレは知っている


コイツ(サラ)は学園でいじめていたホークマスター子爵家令嬢に復讐するために元婚約者の実家であるワンブリッジ家 ~オレが仕えている家~ へ渡る香水を止めていることを!




もともとは国王派への嫌がらせのために貴族派にできた香水を全品納品していた


そして、貴族派が王族から国王派の貴族の末端に至るまで頭を下げさせた上に、恩を売りまくっていたわけだ




香水は貴族の女性が楽しむためのもので、人の生き死ににつながるものではない


せいぜいが高価な嗜好品


貴族としては容易に拳を振り上げることなどできはしない


自分の家と爵位の品位にかかわるから






たかが香水


その程度であることをイイことに貴族派による国王派への嫌がらせが常態化したところで4年前の学園でのイジメへの報復をはじめた


具体的には下級貴族への配分を決める中級貴族へサラが働きかけた


・・・王族派への嫌がらせが安定したところでイジメた者への嫌がらせを始めたところがミソである




香水の大半の行方は上級貴族が占める


大半を貴族派へ


そして残りを国王派へ




だからといって貴族派の配分を上級貴族がすべて決めるわけではない


ピラミッド型であることから下級貴族の数は膨大である


上級貴族から見れば有象無象の輩への配分は配下の中級貴族にまかせる


まあ簡単に言うとどのように配分しても上級貴族派口出しをしない、である


そうやってアメを与えることで忠誠心を植え付けるわけである





そこに目を付けたサラはいじめていた令嬢の家ではなく、その婚約者、つまりウチ(ワンブリッジ家)とその一族への香水の割り当てを0にした





直接ならば誤魔化すことができたであろう


だが婚約者とはいえ別の家である


当然のことながら差し止めがあった翌日には早耳の貴族連中が知ることになった




貴族を舐めてはいけない


人の不幸は自分の利益


配分されなかった分の獲得へと殺到した





得た利益(香水)は手放さない


おまけに既得権で次からは割り当てが増える


だれからも文句は出なかった





特に獲得できなかった家々は絶対に文句を言わなかった


なにせいじめを行った令嬢の家はいくつもあるのだ


今後の利益のため、誰もが口をつぐんだ





損したのは我が家だけ


そこでワンブリッジ家のバトラーであるオレがサラへと使わされたわけである


早い話が、なんとかしろと丸投げされたわけである


さっそく商会におとずれてサラに面会した


そして冒頭のシーンになった






さすが貴族崩れの商会長


自分でやっておきながら平気な顔をして無関係を主張していた




このクソ女!

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