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25 とある失踪令嬢のおかあさま・・・の侍女

あの失踪令嬢の母親付きの侍女の話です


なんで母親ではないのか?


だって書きにくk、ではなく、こっちの方が面白かったから


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「ええいっ、サラのせいで恥をかいたわっ!」


そう言いつつ閉じた扇を両手でギリギリと締め上げる夫人




<グシャ>


とうとう扇が耐えられなくなって折れた





<ベシャ、ゲシゲシゲシ>


床に壊れた扇を叩きつけた後、踏みまくる




とても貴族とは思えない態度であった





それを見て私(夫人付き筆頭侍女)は内心でほくそ笑んだ





いい気味だ


そう思った





<ドスン>


汗まみれになった夫人がソファーに倒れ込んだ


精神的、肉体的に疲れ果てたようだった





それはそうでしょう


愛娘を守るために一番厳しい修道院に送る、と見せかけて身代わりを送り


娘を別の修道院に匿おうとしたら攫われて行方不明になったのですから










いつまでたっても修道院についたとの知らせがこないし、送った馬車と御者も帰ってこない


不審に思って人を送ると空になった馬車だけが残されていた




その時の婦人の顔といったら見ものでした





最初は御当主様がひそかに探せようとしました


貴族にとってはささいなことでも足を引っ張るのが日常ですからね





しかし人が動けば、かならずバレます


数百年に渡って足の引っ張り合いをしてきたのですから当然です





下働きとして潜り込ませられているスパイ


出入りの業者


買収された侍女や執事


下男が下町の酒場でする噂話


穴はいくらでもあります





必死の捜索でも見つかりませんでした


ところが属国の一つから家紋を入れた指輪をした娘を保護しているとの報告がありました




ご丁寧に外務を担当している貴族経由です


これで御嬢様の失踪が明るみにでました





同時に御嬢様の悲惨な状態も、です



明らかに男どもに身を汚されたとしか考えられない状態だったそうです


体中からケダモノの匂いがしたとか




あと、着ていた服はボロボロだったとか


汚れ放題の上、破れて肌が見えている所があったとか




だれだか知らないけれどイイ仕事しましたね






夫人はサラという元貴族令嬢が黒幕と思っているようです


しかし、御当主様が調べさせても御嬢様の行方は分かりませんでした


とても一商会の小娘ができることではありません


たとえ商国の商人がバックについていたとしてもです





明らかに貴族が関わっていますね


それも高位のモノが





敵対する貴族派でしょうか


はたまた同じ国王派の不仲な貴族でしょうか


それもと、王族?






まだまだ続きがありそうです


楽しみですね


この家が不幸になり、没落するのが見えるのですから




本当ならば私がこの手で絶望に叩き込みたかったですが、代わりにやってくれるというならそれはそれでかまいません




特等席で見物させていただきましょうか

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