229 月の雫(その1)~予告編~
「月の雫」は「旅人の葉」の強化版です
主人公マジで国を亡ぼす気満々ですね
・・・そう簡単に国は無くならないはず(連載が終わるから)
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「いや~~~~っ」
とある朝、とある屋敷から絶叫が聞こえて来た
これが数多くの令嬢を絶望に叩き落したとされる一連の不幸のすべての始まりだった
話はごくありふれたものだった
とある男爵家が災害による不作が何年も続いたせいで貧乏になり借金まみれになったというどこにでもある話
一度落ちてしまうとなかなか這い上がれないのは不幸になった人間のアルアルである
借金が借金を呼び雪だるま式に膨れ上がっていくという悪循環
当然のことながら救いの手を差し伸べるのは高位の貴族
そしてスケベ爺というのがお約束の定番
家長である父親が苦渋の選択 ~領民か娘かのどちらを選ぶか~ をした結果娘に対して頭を下げるという事態となった
最初は嫌がっていた令嬢である
だが父親の説得 ~諾というまで延々と続く説得~ により自分よりも40歳も年上の伯爵の後妻となることに同意した
しかしいくら説得に応じて諾と言ったからとはいえ自分の父親よりも年上の評判の良くない人物に嫁ぐのだ
当然のことならが涙に明け暮れる日々が続いた
掛ける言葉がなく沈黙する父親
嘆き続ける令嬢
邸内の空気は最悪であった
それはそうである
瑞々しくて若い自分の身体を好きでもない人間に蹂躙されるのである
そして最後には純潔を奪われる
年若い令嬢に耐えられるものではない
そんな令嬢に対して母親が差し出した秘薬
初夜の前に飲みなさい
そんな言葉とともに
実際に令嬢は覚えることはなかった
母親だって自分を金で売り飛ばす側の人間であるのだから
所詮は他人事
お為ごかしに何を言っていやがりますのやら
そんな気分で一杯だった
嘆き悲しんでいても時は無情にも経過する
そして訪れる結婚式
そして初夜
嘆き悲しむ令嬢に対して実家からついてきた侍女が差し出す秘薬
侍女だかえは母親から渡された秘薬について覚えていた
媚薬か睡眠薬か毒薬か
侍女も知らされてはいなかったが雇い主の妻が言ったことなので覚えていた
そして言葉通り初夜の前に渡した
そのせいもあり無事に初夜は行われた
もっとも令嬢の方はよろしくなかった
薬のせいで自分から純潔を捨てることを喜んで求めていく記憶が残っているのだ
朝起きると薬の効果は消えていた
残ってるのは下腹部の鈍痛だけ
「いや~~~っ」
令嬢の絶叫が朝の館に響きわたることとなった
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以上予告編でした
次話から詳細が語られるとともに別の令嬢の話も投稿する予定です
薬犯はいいね
リリンの生んだ文化の極みだよ
一度やってみたいものですね(いやできないけど)
・・・そういえば「月の雫」の名前がどこにも出てきていないかったよ(汗)




