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219 エロ画家先生(その11)~手ブラ編(前編)~

「胸を剝き出しにした後、両手で隠せ」


・・・酷すぎて涙が出てきましたわ





いったいわたくしが何をしたというのでしょう?


攫ってきた上に、こんな所に閉じ込めたあげくに、この辱め


いっそのこと殺して頂きたいですわ




あまりのことに思わず項垂れましたのよ?


それなのにクズ、もとい目の前の画家はピクリとも反応しませんでしたわ




わたしくが従うのが当然だと思ってますわ


たとえ屈辱と羞恥に塗れていても、です


どうせ他の選択肢はない


安寧の生活と引き換えに屈辱を受け入れるしかない


そう思っているのがまざまざと分かってしまいますの





・・・いっそのこと憎しみで人が殺せたらと思いましたわ





「そこで止まれ」


声を荒げることもなく、大声を出すわけでもなく、普通の声で言われましたわ


ドレスを脱いでいる途中で




そう脱いでいる途中で、ですの




大体胸を出せというのなら着るのに時間がかかるドレスなんて着せなければいいのですわ


それなのに一体なぜ着せるのかしら?


そう思っていた少し前のわたくしを殴ってみたいですわ


そんなのわたくしを辱める以外にないではありませんか




侍女によってドレスの後ろのボタンと紐を外される


そんな風景を殿方は見る機会がありませんの


それをわざわざ絵に描く


・・・殿方というのは破廉恥ですわ




大体殿方というのは淑女のスカートの中に手を伸ばすことしか考えてませんのよ?


あるいは胸を揉む?



本当に最低ですわね





もっとも一番最低なのは目の前にいる画家ですわ


羞恥に頬を染めるわたくしを描き写していますのよ




そして出来上がった際にはわたくしに見せつけるのです


もしも他人にこの絵が見られたら


もしもそれが知り合いの貴族だったなら




そう思うだけで頭がクラクラしてきますわ




羞恥で死ねる


そう思いましたわ




いえもう吐きそうです


今日は勘弁してくださいまし・・・

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