22 王子様の困惑
目の前には少しの野菜と肉が入ったスープとパン一個
「おいっ!これは何だ!」
給仕しているメイドを怒ったらトンデモない返事が返ってきた
「もちろんオオジサマの御食事ですよ?」
メイドに代わって、オレ(王子)専属の執事から返事がきた
顔が笑っているけど目が笑っていない
・・・結構ヤバイ?
ちなみに執事は、オレの幼馴染であったりする
なにせ毒殺が日常茶飯事の貴族世界
少しでも味方は多い方がよいわけである
どうするか?
幼少のころから一緒にいることで ~例えば学友、お花畑当番、その他いろいろ~ 絆を繋いでおいたりする
執事もその一人
オレよりも7歳ほど年上の貴族の3男
いわゆる部屋住みのごく潰し
だから小さいころは遊び友達、大きくなってからは執事見習いという立場で王宮に出仕している
小さい頃から一緒の分、容赦がなかったりする
これはオレがサラを勝手に婚約破棄した後と同じ対応
つまり説教コース、だな
いやいやいや、オレは最近何もしていない(はず)
だから怒られることはない(はず)
だよな?
恐る恐る聞いてみた
なんと、客室にいるマーガレットのせいだった!
王族並みの食事を要求する
他の令嬢が着ていたドレスを強奪する
王宮内の貴重品を勝手に売りさばく
苦情を言うと「王子に言いつける」と逆に脅す
口止め料やら、保障やらで王子の今年の分の予算がほとんど0に!
そのツケを食事で払うことになった、というわけである
「彼女の言葉はオレの言葉と思え!」
・・・たしかに学園でサラとの婚約破棄の時に言っていた(と思う)
綸言汗の如し
王族が一度言ってしまったら取り返しがつかない
見事にブーメランとなって帰ってきた




