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199 ネックホールダ―男爵家の小ネズミ狩り(その3)

「ひいっ!」


思わず叫んでしまいましたわ


だって弓矢が足を掠めたんですもの!







昨日のことですわ


見知らぬ森で目覚めましたの




まあおバカな男のおかげで食べ物と飲み物に困ることはありませんでしたわ


あのあと、いろんなところで果実を見つけることができましたのよ


おかげでお腹と喉の渇きは癒されましたわ





・・・もっとも夜はほとんど眠れませんでしたわ


森の中ですから寝る所すらありませんでしたもの




疲れて座ると地面からじわじわと冷気が伝わってくるってご存知?


おかげで寒さに震えながら一夜を明かしましたわ




途中であまりの睡魔にコックリしましたが全然寝足りませんでしたわ


おかげで朝が来てもフラフラですわ






なぜわたくしがこんな目に遭わなければなりませんの?


だれか教えてくださいませんこと?!


心の底から思いましたわ





私は由緒正しき貴族の娘なのですよ?


こんな森の中で過ごすなんてありえないことですわ!




とまあ愚痴を言いたくなりましたが朝になったので仕方なく歩き始めましたの


とにかく人に会えさえすれば家へ帰れるはずですわ


平民でもいいのでどなたかに遭わなければ


その一念で歩きましたの





わたくしをお屋敷まで送ることを許して差し上げますわよ?


人に出会ったら言おうと思う言葉を心の中で繰り返しながら





歩き始めてすぐのことでしたわ


いきなり足に痛みが走りましたの


見ると足に矢が掠ってましたの




痛い


痛い


痛い



痛みで死にそうでしたわ






痛みを堪えながら周りを見回すと遠くに弓矢を構えた昨日の襲撃犯がいましたわ


ご丁寧に弓を射るポーズをしていましたわ


元凶はあいつですの?!





このまま死んでなるものですか


絶対に逃げ切って罰を与えてやりますわ


そしてキツイお仕置きをして差し上げますわ


そんな憎しみを糧にわたくしは逃げ出しましたわ

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