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186 ネックホールダ―男爵家のウサギ狩り(その15)

ネックホールダ―男爵家の執事目線です


前にでも出てきましたが黒幕のサラのスパイです


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「あら友人を使って婚約破棄させるなんて素敵な手段ね?」


我がサラさまは嬉しそうだった








ことの始めは某男爵の娘の自殺だった


どうやらイジメが原因らしい


でも男爵が調べても証拠がなかったそうだ




そりゃそうだわな


主犯は伯爵家の令嬢らしい


そりゃ誰も証言しないってものだ




普通は泣き寝入りだ


だが妻をすでになくしていた男爵は諦めなかった


なにせ後継ぎの娘だけが生きる希望だったのだ






何も護るものがない人間というのは強いとも言う




そこに目を付けたのが我が主


手下のネックホールダ―男爵のウサギ狩りに某男爵の復讐をねじ込んだ


というかスパイとして潜り込んでいる執事役オレに丸投げともいう





キツネ狩りと称してウサギ狩りをする貴族の感性が平民には理解できないと言いたい


まあそれでも恩人サラさまの命とあれば是非もない


やりましたとも




といってもさすがは御貴族様


すでに復讐のシステムが構築されていた


ゴールデントライアングルなどと称される汚れ役専門の貴族子息達




愉しみながら令嬢を凌辱する精神が平民には理解できない、と言いたい




とまあ最初のお試し版としてイジメをしていた令嬢の手下をゴールデントライアングルに放り込んだ


と思ったら坂道を転げ落ちるように堕ちて行った




何かの冗談か?


本気で思った


愚か過ぎて唖然としたな


貴族って結構バカなのかもしれない





そんな堕ちて行ったマタ―男爵の娘へのとどめは婚約破棄だった


娘を殺された某男爵が婚約者の友人を介して娘の不貞疑惑を伝えたそうだ





そしたら婚約者が婚約破棄しやがった、いえしました


婚姻を軸にお互いの家の事業への相乗りまで決まっていたのに、である


おかげで今現在、マタ―男爵家とカタ―男爵家は大変なことになっている


両家の親戚までシャシャリ出てきての泥試合


誰もが罵声を発し、終息の気配すら見えない






すごいな某男爵


トドメの一撃が凄い





我が主人サラさまも同じ意見だったようで


「だったら令嬢に派噂が届いていなさそうなド田舎の貴族を紹介しようかしら?」


とか


「他の人の関係があるので3年くらい後に暴露してみましょうかしら?」


とか


「それくらいの期間一緒にいたなら情が移っていて追い出したりはできないでしょう?」


とか


「子供が居ればなおイイですわね」


とか


「自分の娘はイジメを苦に死んだのに、加害者達はノホホンと生きて結婚までしているなんて許せないでしょうね?」


とか


「とことん堕ちる所まで堕ちて貰って、這いあがった所を再度落として差し上げましょう」


とか


「もちろん這いあがるために裏から手をまわして差し上げますわ」


とかなにやらヤバそうな独り言を言っていた





聞くんじゃなかったと思ったのは秘密である



--------------------------------------------------------------


ここで一旦、マタ―男爵令嬢のお話は終わりです


いえまだまだ堕ちて行くんですけどそれはまた別のお話


堕ちるまでもう少し時間がかかりそうなので



次からは別のウサギ狩りの話が始まります

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