178 ネックホールダ―男爵家のウサギ狩り(その7)
ヤられてしまった貴族令嬢目線です
本人はうまく隠せたと思っていたようですが・・・
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「ウサギ狩り・・・」
踊っている殿方が耳元にボソッと囁きかけてきました
<ビクッ>
思わず反応してしまいました
ひょとしてバレている!?
あれは数カ月前のことでしたわ
借金の方に男爵令嬢でありながらメイドの真似事をさせられましたの
本来ならばわたくしのような男爵家の令嬢は伯爵家などの上級貴族で優雅に接待専用侍女でしてよ?
それなのにただのメイドとして扱き使われましたの
朝から晩まで殿方のために料理やお酒を部屋まで運んだり、指示を受けたらすぐに動けるように壁際に控えていたり、「アレ持ってこい」と顎でこき使われたことの恨みは絶対に忘れませんわ
あれではただの平民のメイドと変わりありませんでしたわ!
・・・そういえばなにやら最後の方で嫌なことがあったような気がしますが気のせいですわ
これについては考えないようにしていましたの
つまりは『嫌な事は忘れる』ということですわね
うまく忘れさられることができた、と思っていましたがどうやらソレを掘り起こした殿方がいらっしゃったようですわ
わたくしの目の前に
「さ、さあなんのことでしょう?」
そう誤魔化してニッコリ笑いかけました
綺麗で若い娘の笑顔ですのよ
ごまかされなさい!
「実はウチのメイドが人手が足りないということで『キツネ狩り』に参加していたんですよ・・」
ボソッと耳元で囁かれました
・・・どうやら誤魔化せないようです
わたしはこの後どうなるのでしょう?




